「恋に憧れてる年齢向け 内容は出会い系」君の名は。 たまねぎ なきおさんの映画レビュー(感想・評価)
恋に憧れてる年齢向け 内容は出会い系
評判が異常に高く、見たという友人に感想を聞いたが煮え切らない答えだったので、もう自分で見るか、と。
この映画はなかなかキツかったです。
もはや有名アイドル歌手を天才だと感じる人と、最低な歌手と感じる人とで意見が別れるのと同じレベルだろうなと思います。
恐いのはこの映画が大したものでは無いと言ってはいけない風潮が恐いですね(笑)
ただ、つまらないというのではマズイので、何がつまらなかったかといえば
大きな理由は2つ
①【ファンタジー感が現実感と水と油】
②【二人が恋に落ちる理由が無い】
1つめは
時を越える・人格が入れ代わる、これは完全なファンタジーです。が、物語は普通の現実的な世界が背景となっており、ビジュアルは写真的なリアリティを押し出しています。
そしてキャラクターだけはアニメ的なビジュアルです。つまり現実感とファンタジー感がまるで馴染んでいません。
ファンタジー感を物語に馴染ませるため「古の儀式」みたいな物がサラっと入ってきますが、「儀式の理由は分かりません」というセリフに苦笑。
お話の最後の方で「この時の為にあの儀式はあったんだ」とサラっと触れてますが(まあそうだろうね。)というくらい序盤から察しが付く程度のギミックです。
ファンタジーの鉄則(架空の物ほど納得の出来る説明や設定を表現する)を投げ出してまで入れるべき仕掛けだったとは思えません。
2つ目は
確かに体が入れ替わって生活感を共有すれば親近感が湧くのは分かりますし、会ってみたいという気持ちが芽生えるのもなんとなく分かります。
が、それは出会い系サイトと同じじゃないかと(笑)
もし女の子が入れ替わったのが主人公の男の子ではなく別の男の子であってもお話が成立してしまうんです。
せめて入れ替わった男の子に対しての恋心が芽生える決定的なキッカケや理由が必要でしょう。
監督は『単純なボーイミーツガールを描きたかった』と答えてましたが、であればもっと出来たでしょって感じます。
もう蛇足 ですが
◆バイトの先輩女性が、中身が女の時の主人公に惚れるが男の時の主人公に幻滅するくだりは物語において無意味。
◆全友人が無条件で無尽蔵に協力してくれるのも謎。
そのせいで全脇役が同じキャラクター化しているため、まるで個性がなく視界に入ってこない。
◆ヒロインの事を忘れてしまうのは良いとして、あれだけの自然災害が起きた場所を誰も知らないという、、
他にも諸々ありますが・・
映画好き、アニメ好きだと自負する方は見なくて正解。
エンドロールにて
膨大な数のスポンサー企業名が画面ビッシリと流れていく様は圧巻。一番の見所です。