「未来を考えさせられる作品。」君の名は。 tokyotoさんの映画レビュー(感想・評価)
未来を考えさせられる作品。
稀に自分の未来の思考や人生感に影響を受ける作品があると思う。
しかし、この作品にはそんなことは期待していなかった。
恋愛の切なさや無力感を自分の青春時代と重ね合わせ過去へ思いを馳せる。この監督の前作で体験したそんなものを期待していた。
入れ替わる男女、1000年に1度の彗星。ヒューマンスケールな恋愛に宇宙的なスケールアウトした設定を付加させ、恋愛の切なさをテーマに、せいぜいそんなものかなと想像して観に行った。
しかし、この作品はそんな恋愛といった主観の隙間に無数の客観的な社会性が散りばめられている。過去に思いを馳せるだけで終わらない。
歴史と創造、記憶と想像そういった要素を軸に、青春時代が終わった自分に過去に向き合い未来をどう生きていくか、これからの社会に何を体現していくのか。そんなことを問いかけてくる作品ではないかと思う。
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