「正直、レビュー1個しか入れてない人の★で持ち上がるのはどうか」君の名は。 たくっちさんの映画レビュー(感想・評価)
正直、レビュー1個しか入れてない人の★で持ち上がるのはどうか
初日の夜見てきました。
だいたい愚痴は題名で言った通りです。
新海監督の作品は前作の言の葉の庭から見ています。
まず、前作からの比較です。
パンフレットでも仰っていましたが、ご縁やご協力頂ける人の方が
少しずつ増えてきたということで、今まで監督が全般を手掛けていた
作画面からは完全に手を引き、今回は演出関係に回ったとのこと。
その結果、前作で完全に引き込まれた、圧倒的なビジュアル描写は
少し鳴りをひそめました。やや一般寄りの描写になりました。
しかし、それを補って余りあるストーリー脚本が秀逸でした。
今までの新海作品って、あまりにストレートなメッセージの話を
映像の力で引き立てていたんですね。
少なくとも前作では私はそう感じました。
最初にざっくり言うと、今回はかなり練り込まれた感じの脚本でした。
劇中で鐘の音が3回ほどなりますが、鐘の鳴る全ての場面で
物語が大きく動きます。
「これから動くぞ、動くぞ」って感じです。
二人の入れ替わりというのは、そこそこある話のように思いますが
そこに時間軸という概念を一つ絡めることで
ここまで(良い意味で)難解になるのか!という感じです。
主役の二人が、今
「どの時間軸で」
「どっちになっていて」
「どう、動いているのか」
をひっきりなしにとにかく、動かして、動かして、描き出すので
かなり混乱します。ついていくのがやっとです。
子どもと見ると「わかんなーい!」って言い出すと思います。
「わかるわ」って言うお子さんと握手したいです。
他の方も書いておられますが、そういう意味で
今までの新海監督らしくはありません。
ただ、嫌いになるかというと、そういう訳では全くなく、寧ろ
こういうのも出来るのか!という意味では、ある意味、
既存のファンにとっては、新海監督をもっと好きになる感じでもあるし
また初めて新海監督の作品に触れる人にとっては、こういうほうが
入り込みやすいと思います。
さて、悪い点といえば
映像とストーリー描写に関しては
ぐぃぐぃモノを言わせず、引き込んでいくので、
ふと、我に返って振り返ってみたら
あまりに脚本面ではリアリティが無いものだと思ってしまうこと。
まぁファンタジー作品だから、仕方がないのですけどね。
もう一点、上でも書きましたが、時間軸と二人の入れ替わりが
(後半から)かなり相当動くので、初見ではなかなか把握しづらいこと。初見殺しです。
少なくとも私はもう一回見に行きます。
ネットでああこうだったのか、と考えずに映像で感じたいですしね。
長文失礼しました。