「「たっぷり!」が僕の感想です。 スコセッシのギャング映画や、 「復...」日本で一番悪い奴ら saikimujinさんの映画レビュー(感想・評価)
「たっぷり!」が僕の感想です。 スコセッシのギャング映画や、 「復...
「たっぷり!」が僕の感想です。
スコセッシのギャング映画や、
「復讐するは我にあり」の様に
凶暴な主人公の人生をたっぷり見せてくれた。
30年分の諸星、面白かった!
とにかくゲスい!清々しいくらいにゲス野郎だ!!
まずオープニングタイトルがよかった!
伊丹十三バリの音楽!
この映画のトーン、つまりブラックユーモアさが表れている。全開だ!
新聞の記事や写真が、はい!これからこんな映画が始まりますよ!と紹介する。物語の総括になっているのだ。
名刺をむやみやたらに配るシーン、最高です。
諸星は間抜けなんだけど、一生懸命で、素直で、可愛くて、魅力的だ。このシーンの編集のリズムもよかった。
そう、編集が良いんだよなこの作品。
あと、正視からゆっくりティルトするカメラワークが2、3カットあったが、あれも好き。
スコセッシとか北野武を思い出した。
新入社員が悪い先輩に影響されて、悪気なくひたすら悪の道へ暴走してのし上がって行く映画といえば、スコセッシのウルフオブウォールストリートだよな。その感じ強いよやっぱ。白石監督、意識してるのかな。
綾野剛の熱演も大いに評価したい。
アドリブも多かったはず。ずーっと、
「あ?おう。そうかそうか!いや〜おうおう」みたいな事言い続けてるし笑
暴力シーンもアドリブ多かったはず。
ただもっと身体の役作りをしてほしかった。
華奢過ぎてとても柔道が強そうに見えないし、老いた姿も、現実味がなかった。人気俳優だから、身体改造する余裕がなかったのかな…。それ以外はとても良かったぞ。 初めてシャブ打った時の表情もたまらんかった。
新宿スワンの時、綾野剛君は超気合い入ってて、園子温は、もう俺がやんなくてもよくね?という状態だったらしい。
それほど熱中して、演出とかにもガッツリ介入して、めんどい役者なんだろう。
今作もおそらくそうなってる笑
ヤングダイスも良かったぞ!
日本人ラッパーの中で断トツに演技うまいね。Tokyo Tribeにも通じる役。ナイスキャスティング!
諸星は最後まで、組織に利用されているという自覚はなく、むしろ組織は僕を評価して、良くしてくれたんだ!と信じきる。
空っぽの奴は染まりやすいんだよな。
「道警の皆さんに伝えといて下さい!諸星、まだまだやる気満々です!」の時は笑ったけど、ゾッとしたし、でも可愛かったし、可哀想でもあった。
ラストは、とても白石監督らしい!
これからの道警を担う希望の新人警察官が並ぶ中、カメラがゆっくり国旗に寄っていく。
「なお、諸星以外、誰も逮捕されていない」とテロップが出て、国旗ドーン!!
見よ、これが日本だ!と言わんばかり。
何て嫌味!何て突き放したエンディングだよ!凶悪の時も突き放された!
白石監督のエンディングは、信用できる!!