「60億分の1の恋」マン・アップ! 60億分の1のサイテーな恋のはじまり 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
60億分の1の恋
34歳独身女、ナンシー。
ネガティブ思想、皮肉屋。
姉の計らいでせっかくパーティーに出ても、ホテルの部屋に籠って「羊たちの沈黙」を見ながらルームサービス。“アンディ”と。
つまり、“イタイ女”。
両親の結婚記念パーティーに向かう電車の中で、ちょっと鼻につく女に声をかけられ、へんちくりんな自己啓発本を勧められる。聞けばこの女、その本を目印に、駅の時計の下で名前しかしらない男と待ち合わせてデートだという。無視して仮眠を取っていると、駅に着いてその女は降り、半ば無理矢理プレゼントされたその本を返そうと慌てて駅を降りたら…
ジャックという男が話かけてきた。
手には目印の本、駅の時計の下。たまたま。
「人違いです」と言えばいいものを、またナンシーも何処かで自分を変えたい思いがあり、デート相手になりすます事に。
べらべらべらべら、よく喋るジャックだけど、何故か妙にウマが合う。
実はこのジャック、妻と離婚を控えていて、ナイーブな一面も。
人生に行き詰まっている二人。
徐々に惹かれ合う。
が、ナンシーの嘘がバレ…。
34歳こじらせ女と40歳バツイチ男。
出会って、惹かれ合って、バレて、喧嘩して、でも、こんなに相性が合う人は他に居ない…。
嘘から始まった本気の恋をロマンチックかつユーモラスに描いた好編。
妻に未練たらたらのジャック(トイレで一人で泣くほど)を、元気づけるナンシー。
自分の人生もままならなかった彼女が、他人の人生を奮い立たせると同時に、自分の人生にも勇気を持つという構成がいい。
下ネタもあるけど、アメリカン・コメディみたいに下品にならない所がやっぱイギリス、洒落た国。
製作総指揮も兼ねたサイモン・ペッグが、素なんじゃね?と思うくらいのナチュラル好演。
ちょっと面倒臭くて、キュートで、時々セクシーで、意外と逞しくて、レイク・ベルが魅力的。
電車の中で合った女、最初はウザいと思ったけど、最後の方にまた出てきて、イイ女っぷりを見せてくれる。
で、ナンシーの同級生のボウリング場店員…。
こいつはヤバイ!(笑)
WOWOWで放映した日本劇場公開前の作品を鑑賞。
ハッピーエンドも含め、掘り出し物!
初めまして。私もwowowで観て大笑いしました。あの電車で会った子の上から目線ぶり、ナンシーの負けず嫌いっぷりとジャックの女々しさ、ショーンのキモさ、生徒達まで駆けつける意味不明な熱さといい、なんやそれ?の連続ですね(笑)
wowowの「ジャパンプレミア厶」と「W座」は結構面白い作品がやるので楽しみにしています。