ヘイトフル・エイトのレビュー・感想・評価
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長いけど
切れ味抜群!沸点超えの会話劇!
高校時代よりこよなく愛しつづける、クエンティン・タランティーノ監督第8作目を六本木ヒルズで鑑賞。
10:15上映回だったのでガラガラかと思いきや、50代以降の映画好きと思われるお一人様たちでいっぱい!
ご夫婦は2組、女性客は2人くらい、カップルは皆無と、タランティーノ層がはっきりわかる客足でした。
本作は、タラちゃん初の密室劇と紹介されてますが、「レザボア・ドッグス」の頃から密室劇の傾向は強く、
ある特定された場所で繰り広げる会話劇がとても上手な監督です。
中でも「イングロリアス・バスターズ」のオープニングの一軒家でのシークエンスは、全て満点の出来で、タランティーノの真骨頂といえる最高のシーンでした。
本作は、「そんな密室シークエンスが168分間観続けられるなんて、こんな大好物な映画はない!」と思って、期待値MAXの状態での鑑賞。
冒頭、そんな期待をよそに、雪山でのロケーションが続いて、「密室劇じゃねーのかよ!」と正直裏切られた気分。
…と思いきや、馬車内での会話劇が大部分で、それはそれで良くできている!
70ミリカメラで撮った映像も、デジタルにはない歪み感があってとっても素敵!
導入部分としてこの雪山シークエンスは、今後の展開をより一層期待させられる出来でした。
第2章目以降、ついにミニーの紳士服店に辿り着いてからは、ヨダレものの密室シークエンスのオンパレード!!!
人間関係や思惑が話す内容以外に、所作やカメラアングル・編集でも見え隠れする独特の演出!
くすり笑いと爆笑がごちゃまぜになった会話の妙!
躊躇のないドッパドバの血の嵐!
そして、ラストの切れ味の良さ!
どっぷりタラちゃんの世界に浸かってしまい、のぼせそうな程です。
正直、いまの映画のテンポに慣れている人には、ちょっと間延びして感じるかもしれません。
逆に演劇などの会話劇を観慣れてる人には、その濃厚な時間を楽しめるかと思います。
R18だし、アクションもラブロマンスもないし、ドバドバだし、売れっ子若手スターも出てないし、客を選ぶ映画かもしれませんが、
タランティーノの映画をリアルタイムで鑑賞できるってだけで幸せな世代に生きているんですから、
観に行かないって選択はないと思います!
裏切らない
さすがタランティーノ。
とんでもない映画の登場である。こういう映画を撮り続けることができるなら、クエンティン・タランティーノには一生涯映画を撮り続けてほしい。
タランティーノには多くのファンがその新作を楽しみにしていて、しかもあまり失望させない。これはすごいことである。
で、本作。
ひとつの場所で延々と繰り広げられる物語は「レザボア・ドッグス」を思わせるし、時間軸をいじるのは「パルプ・フィクション」を思い出させる。
つまりは、タランティーノの集大成的な映画になっている。
登場人物が惜しげもなく死んでいくのもタランティーノらしいといえばいえる。その死はいつも驚きを伴い、物語の転回を促す。タランティーノのストーリーテリングは心憎いばかりである。
役者陣も演出によくこたえている。ウォルトン・ゴギンズの狂言回しはかなりよかった。
2時間48分を長尺と感じさせない緻密な脚本と大胆な演出、役者の名演が相まって、タランティーノ言うところの、これまでの最高傑作というのは当たっているかもしれない。
映画ファン必見である。
こんなものだと思う
あれ…?期待ハズレ。タランティーノでティムでサミュエルでマドセンで...
長いですと?
タランティーノの映画。
んー正直これだけても良いぐらい正に
「タランティーノの映画」
でした。
良い意味でも悪い意味でもってことです。
ただ本編が3時間近いので覚悟してましたが、
タランティーノ映画には欠かせないセリフの掛け合いが冒頭から満載で第2章あたりで睡魔に襲われたのはボクの失態です。ここでこの映画を長いだの無駄だのと否定する人はタランティーノの良さをわかってない証拠ですね。ストーリーには全く関係のないセリフの掛け合いこそタランティーノ映画には必須で、それがあるがために長尺になるから削るなんてことがあればタランティーノはそこで終わりです。
そもそも当時の西部劇映画には160分超の作品がゴロゴロあって、正直名作と言われてる映画でもなかなか退屈で観れたもんではないです。ボクも凡人ってことですね。だからこその長尺だったのかと勝手に解釈してましたが、違うんですかね?
人間的に決してタランティーノは好きにはなれないですが、映画は面白い作品が多いですよね。
なんかここまでくるとタランティーノ映画というジャンルとして確立されてきたようにさえ思います。
アンダーグラウンドなエンターテイメント作品を撮らせれば右に出るものはいない。
ちょっと言い過ぎですがね。
ということで、
過大評価をするつもりはないですが、
減点する理由がないので満点です。
後半戦
心理戦が面白い
密室ミステリー?
タランティーノ熟成期か
過剰さが押し寄せる
『デス・プルーフ』と『イングロリアス・バスターズ』は文句なしに大傑作だと思っているんですけど、これはどうかなぁ・・・
いやぁ、タランティーノ監督らしく、なんとも画面に映し出される過剰さは半端ないんですよ。その過剰さが『デス・プルーフ』では爽快に変わり、『イングロリアス・バスターズ』では緊張と興奮に変わっていったのですが、今回はやや食傷気味にさせられたっていうかね。
ヘイトフルな8人がのっそのっそと歩き回り、シチューを喰らい、つば飛ばして喚きあってるのを見てると、なんというか、「あ、熊だ」とか訳の分からない思いつきが出てきましたよ・・・ うん、「熊」というどうにも制御できない、しかし生命力そのものの(自分の中での)象徴を連想してしまう感じで、まぁ、そういう「熊」が狭い檻に入れられてぶつかり合ってるっていうね・・・
こう書いていると、それこそがこの画面で伝えようと意図していたものなのでしょうし、その意味では実に成功した画面作りなのでしょうけれども、やっぱりちょっと食傷気味で、食べ疲れた感じがしてしまいました・・・
思うに、皆、服、着込みすぎなんですよね。それがなんか窮屈な感じがして、こっちまで息苦しくなるっていうかね。ま、極寒だからしょうがないんですけどね。
実はちょっと自分の体調が完全ではない状態で見たのですけど、それが悪かったかもしれませんね・・・
これから見る方は、ぜひ体調万全で臨まれると良いと思いますよ。胃にきますので、はい。
あ、それと、チャニング・テイタムですが、これまでちゃんと観たことなかったんですよね。それで勝手にイメージだけで、なんかマッチョなだけな人だと決めつけていたんですが、今回、初めてまともに見たんですが、結構、良かったです。なんというか悪さの色気がありましたね。
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