ヘイトフル・エイトのレビュー・感想・評価
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タランティーノ劇場
めくるめく夢のような168分間を体験いたしました。はい。最っっっ高でございましたね。
まあね、あのクエンティン・タランティーノですから。ええ。自分の場合は問答無用に指名買いでございますよ。タラならどんなジャンルでも黙って映画館へ行きますよ!てなもんで。間違いなく、間違いなく面白いに決まってるんでね(タラが苦手な人はお気になさらず)。
で、間違いなく面白かった訳ですが。そりゃあね。そりゃあ彼の作品の象徴とも云うべき「無駄の多い長話」「トリッキーな時間軸イジリ」「マザファカおじさん(サミュエル・L・ジャクソン)」が揃えば間違いなし!でしょうよ、と。そこに『レザボア・ドッグス』を彷彿とさせる密室展開までプラスされて。『ジャンゴ 繋がれざる者』に続く西部劇を土台として。
しかし『レザボア・ドッグス』は小規模という印象があったのですけども、話の展開殆どが雪小屋の中だけで構成されていながら、この映画、何処か壮大さも感じられてしまうのは何故でしょうか。やっぱタラの力量なんでしょうか。それともハリウッドの為せる業なのか。168分という長尺のせいか。
メインのヘイトフルな8人があの限定された空間で好き放題暴れる訳ですから、ま当然ちゃ当然なんでしょうけども(種田陽平が美術やってるのも理由ですかね)。
お話としては、割と小規模なショートストーリー的な風から始まり、やたらと緩慢な無駄話に次ぐ無駄話(ここがタラ映画の好き嫌いが大きく分かれるとこですが)の連続で。その無駄話もやたらスケールアップしちゃってて。だから168分にもなっちゃってるんでしょうけど。観客らも「あれ?この映画、なんか間延びしてね?」となってるトコロにビックリするほどの急転直下が待ってまして。
イキナリ!凄惨極まる鮮血の舞台と化す雪小屋!
ちょいと今までの緩さはなんだったの?というぐらいのグロ!
おう!そう来たか!そうするのかタランティーノ!と。
そうですね。そうでした。タランティーノ作品の象徴と云えば「過剰で容赦のないバイオレンス」もありました。そうでした。
一応この映画、密室ミステリーに入るらしいんですけど、まあそこの楽しみ方は薄く、云ってしまえば4つの象徴「無駄話」「時間軸イジリ」「マザファカおじさん」「バイオレンス」がきっちり揃った「タランティーノ劇場」というジャンルでございます。そら3時間近くにもなるわ、という。
無駄話に痺れ、血飛沫に酔う。タラ好きなら必ず味わえる、極上とはこのことでしょうな。
原点回帰!
長丁場のタランティーノ映画、一抹の不安はあった。退屈だったらどうしよう…しかしそんな心配は不要であった!
オープニングから70ミリ撮影を活かしたロングショットにモリコーネの音楽!(この曲がまたイカス!)冒頭から濃いキャラが全開。いつものダベリつつひとりひとりの人物の個性と関係性がわかってくるというタランティーノ節。
ツイストのある時間軸、ヒリヒリするような緊張感、そして予想外のタイミングで血みどろ炸裂という点で「レザボア」「パルプ」のテイストに近いなと感じた。
オールスターともいえる役者陣も豪華だが紅一点のジェニファー・ジェイソン・リーが凄い。怪演にも程がある!あの顔が脳裏に張り付いたよ。
サミュエル爺の説法あり、即物的な下品さもありーで万人受けするとは思えないが、そここそががタランティーノ映画の魅力であるでしょう。
極点、極限、究極
まあ、なんていうのかな~。
「極点」「極限」「究極」というのだろうか?
なにごとも過激さをモットーとしているタランティーノだけど、これはやりすぎじゃないのと思わせてくれる作品だ。「イングロリアル・バスターズ」はナチスドイツを、前作「ジャンゴ」ではアメリカのタブー黒人差別を隠れ蓑に好き勝手やってはいたんだけど。
今回は悪党ども。黒人賞金稼ぎだったり、女強盗だったり、首つり死刑執行人だったりする。こいつらまともな神経が皆無の極悪人ぞろい。
そこで繰り広げられるのはグロ・エロ・ナンセンス、アナーキーな世界。前の作品はグロテスクな表現でも、理由があった。敵は、嫌味なナチスの将校だったり、黒人を抑圧する傲慢な白人だったりしたんだけど、今度はどいつもこいつも感情移入できない連中なんだ。はじめにいい人はバッタバッタ殺されちゃうんだからね、まったく。
極悪人、残った8人のうち誰が生き残る?
はっきりいって、そんなことどうでもよくなってくる。
(となりで見ていたアベックの女の子なんか、頭を抱えて、目をつぶっていたからね。わかった?絶対にタランティーノの映画はカレカノジョとみたらいけないよ)かくいう僕もはやく終わらないかな、と思っていたクチです。3時間は長すぎでしょ。
でも、いまになってレビューを書いていると、あの黒人賞金稼ぎサミュエル・L・ジャクソンのぎょろりとした目ん玉が、真ん丸い鼻のアナが脳裏にこびりついてる。あの女極悪人ジェニファー・ジェイソン・リーの何人もの血を浴びた顔がクローズアップされてしまうんだ。ああ、イヤだ。
人が見たくないものを見せる。これもひとつのアートだろうとは思う。でもやっぱり好きじゃないんだよね。
(付足)アカデミー作曲賞をとったエンニオ・モリコーネの音楽はよかったですよ。
曲者八人
遊星からの物体Xリスペクト映画
嘘の反対とは?
どこかで観たシチュエーションの結末が‼︎
長くは感じない
タランティーノ最高傑作❗❗
タランティーノ復活
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