「露悪趣味極めたり。」ヘイトフル・エイト isaac0524さんの映画レビュー(感想・評価)
露悪趣味極めたり。
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「アカデミー賞最有力候補」。もともとこの手の煽りは全く信用していないが、これは鑑賞者を選ぶタランティーノ作品の中でも、かなり右側に位置する作品。アカデミー賞など候補にも挙がらないことなどちょっと考えれば分かりそうなもの。もっと気の利いた文句を作れよアホタレ!
まあ、それはともかく、だいぶ期待外れである。
そもそも尺が長過ぎる!
くだらない会話で時間を費やすのはこの監督のクセではあるのだが、今回はとりあえず意味ありげな内容の話が盛り込まれている。
しかし、残念ながらそれが作品に膨らみを持たせるところまでには至っていない気がする。
冗長な感は否めない。師匠レオーネを意識してのことだろうが、あちらには詩情がある。こちらにそれがない。
もっと時間を刈り込んで室内シーンに限定した方が面白かったのではないか。
伏線の張り方も頼りなく、意外性にイマイチ欠ける。
脚本が弱くミステリー的要素も薄いので、あまりサスペンスを感じることが出来ない。バイオレンスシーンばかりが突出していて虚しいのだ。
突然発せられるモノローグにも違和感を覚えるし、終わり方にもカタルシスがないのが残念。
と、批判的要素ばかりを並び立てたが、タランティーノ独特の露悪趣味は幾分か楽しめる。ペニスの話はちと不愉快だったが、首吊りのシーンには、溜飲が下がる思いを味わえた。
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