「ファンタスティック」ヘイトフル・エイト Raspberryさんの映画レビュー(感想・評価)
ファンタスティック
過ぎ去りし歴史の幻影。差別、南北戦争、暴力、囚人の懸賞金。そこには少なくとも生死をかける賭けが存在していた。
陰気で不吉な興奮と憎しみは、みさかいなく混じり合う。
豪雪の大自然のまっ只中。馬車、衣装、山小屋の、なんと驚くべき有機的な魅力。あらゆる原料は綿密に調整され、映画的技法と音楽が力量を発揮する。さあ、手はずは整った。
ここまでは遊園地のアトラクションと似ている。タランティーノの真骨頂は、最高にばかばかしくて最高にくだらないこと!
あたかも映画館の外には「まともな現実」が存在するように錯覚するけど、本当は現実こそ、虚構とヘイトフルに満ちているのかもしれない。
共感とノスタルジーだけが果てしなく蓄積されたような映画が好きな人にはオススメできない。
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