ブルックリンのレビュー・感想・評価
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クサレ男子鑑賞注意。見た目はオサレムービー、中身は硬派な「故郷」を棄てて「故郷」をまとった移民賛歌。
シアーシャ・ローナン。
「つぐない」で衝撃的なオスカー助演賞ノミニーから「ラブリーボーン」の劇中だけでなく、劇外でもクサレ男子からの熱視線が「ビザンチウム」以降も結構な面々の作品(ただしすでに終わっている方々も多い)に出演するも、ちらつく。
モレッツとは違う「正統派美少女」だった彼女。
そんな彼女の、これぞ「今の彼女しか演じられない」ファン必見の映画がやってきた。
ただしファン必見といえども、明らかに見た目はオサレムービーである。
クサレ男子よ。覚悟を決めるがいい。お前の望むシアーシャはここにはいない。
「ブルックリン」
アイルランド人の両親から生まれ、アイルランドで育ったシアーシャと主人公エイリシュは当然ダブる。
だが、そういった事情よりも、20歳を超えたばかりのルックスとはとても思えない「劣化」に大いにショックを受けることだろう。この時点で何人のクサレが脱落するだろうか。
だが、そんなクサレをよそに、シアーシャは本作で実にいろんな顔を見せる。
実際、その顔と同じように、劇中のエイリシュはどんだけ服を持っているのか、というぐらい、非現実的にファッショナブルに衣替えする。これこそオサレムービーである。観客の中には、1人で観に来ている女の子も多くいた。もうこの時点でよこしまなクサレ男子は退場したほうがいい。
また、この物語はお上りさんな女子は必見である。
アイルランドからブルックリンに来た当初に頻繁に来ていたグリーンのコートやカーディガンは、エイリシュが都会生活に慣れるにつれ、着なくなる。久々の帰省には、思いっきり「都会っ子」を演じる姿には100人中100人が納得することだろう。
女の子はもう、「ワカルゥ、ワカルワァ」。
洗練された姿と大学で学んだ知識でもてはやされるエイリシュだが、結局故郷を棄てる。故郷を再度「離れる」理由は、おいおい、そりゃお前が悪い、というもの。
主人公エイリシュの、最初に故郷を棄てた理由と、再度故郷を「離れた」理由は大いに今のアイルランドが怒るような描写だが、この映画、アイルランド合作。
つまり、あくまで「祖国」を捨て新天地でアイルランド人の第2の故郷を作り上げた移民たちへの賛歌。
エイリシュは、姉や母と友達を暮らしたアイルランドを胸に、ラスト、「『アイルランド』を象徴する」グリーンのカーディガンで、実にオトナなリラックスした姿で締める。
そこにはもう、クサレ男子の期待したシアーシャはもういない。
だが、本作最も美しい、輝いたシアーシャでラストを締める。
シアーシャローナンとエイリシュ
完全に一体化してて本当にいるみたい。すごく応援したくなるし自分も何か頑張らねばって気持ちになる。あとめっちゃ好きなのがトニー。エイリシュのことが好きで好きでたまらない気持ちがあふれ出てて、でも奥手でとっても優しくて。だけど最後だけちょっと強引に押して結婚しといてほんと良かったよね。超やばかったもんね。きっとトニーにはわかってたんだと思う。エイリシュは、自分がエイリシュを想うほどには自分のことを想ってくれていないって。今は好きって言ってくれてるけど帰ってこない可能性は十分あるってw。
きっと今までの恋愛の失敗経験とかがここで生きてきたんよね。失敗もしとくもんだ。
泣けた。
シアーシャやっぱり最高。好きすぎる。
恋のことばかりに焦点を絞らなかったところが自分的にとてもよかった。
でも恋っていい!とにかく恋はいい!
アイルランドの田舎町で母と姉と3人で暮らすエイリッシュは、町の唯一の食料品店で働くが、とても性格の悪い店主だった。
ほかに良い仕事もないため仕事と結婚相手を求めてアメリカへ渡る。
慣れない街に慣れない仕事でホームシックを乗り越えながら、ダンスパーティーで知り合ったトニーと初めての恋をする。
何もかもが順調だったある日、故郷から姉の訃報が届き、帰国前にひっそりと結婚をするエイリッシュとトニー。
久しぶりに帰ったふるさとで、思いがけず出逢ったジムに想いを寄せられ、仕事も見つかり、アメリカへ戻る理由を忘れかけるエイリッシュ。
トニーからの手紙も封を開けないまま。
母も職場も周囲の人々も残ってほしいとエイリッシュに次々とかまいだす。
迷いが絶頂になった頃に元雇用主の性悪店主に呼び出され、この町を出て行った理由と戻らなければいけない理由を思い出したエイリッシュ。
姉との永遠の別れとおそらく母との永遠の別れ。
それでも自分の人生を生きる選択をしたエイリッシュに尊敬と共感で泣かされた。
シアーシャやっぱり最高。
良い作品でした
たまたま見つけた作品。
またひとつ良い映画と出会えたなぁ、と嬉しくなった。
アイルランド好きというのもあるけど、環境、考え方、人々の暮らしぶりの対比。今も少なからずありそう…。
一番最初に、ローズからの手紙を受け取ったシーン。
繰り返し読んで泣くエイリッシュと一緒に泣けた。
ああ、手紙ってこうだったなぁ、と。
最近書いてないけど、昔は届くまで待ち遠しかった。
エイリッシュ受け答えや物腰が毅然としていて好き。
アメリカに渡って苦労したアイリッシュがそんな多いことに驚く。
そんな人達に食事を振る舞う会。
歌(よくわからないけど民謡?)に涙する人々。
故郷を思いながら帰れない人達が大勢いて、そんな人達がアメリカの発展を支えてきたのだなぁと。
出会った彼がイタリアンというのも良かった。
トニーの家族も良い感じで。(弟最高!)
お互いの訛りはずっと残るんだろうな。
トニーの発案?で、ブルックリンに帰る前に結婚してよかった、と安堵。
お姉さんとブルックリンで会うのを楽しみにしてたので、とてもショックだったし、後半ハラハラしたけど(当然そうはならないと思ってたが)、2人の明るい未来がちょっと見えてハッピーになれる。
故郷と新天地の狭間で揺れる
故郷(アイルランド)と新天地(アメリカ)、
新たな彼と夫、
これらの狭間で揺れる主人公を、
シアーシャ・ローナンが瑞々しく演じる。
ストーリーはシンプルだが、だからこそ演技や主人公の心情に集中することができる。
2人だけの秘密の結婚なんてするもんじゃないなあと
以外と高評価なレビューが多いことに驚いた。
姉の死後、アイルランドに戻ったとき、このままここで結婚して暮らす人生も悪くないと思ったはずだ。観ている方には少なくともそう見えた。誰も向こうでの結婚の事実を知らないのだから。バレなかったらどうしていたのだろう。
彼からの手紙の返事も書かない(書けないともいえる)。
結局、故郷の人々を傷つけたことに変わりはない。近くにいてくれるかもと期待した母親だってショックだったはず。
取ってつけたように、最後、向こうの人を思い出すようになるというようなことを言っていたが、アイルランドにいる間、果たして彼女はアメリカの夫のことを思い出していたのだろうか。
ここが私の生きる場所。
1度めは姉に背中を押されて、
2度めは自分の意思で故郷を後にする
主人公エイリシュ。
年老いた母親を独り残して行くことは、
胸が引き裂かれる程の決断だと思う。
正しいのか間違っているのかは誰にも
分からないし、決められることでもない。
それでも自分が生きると決めた場所へ、
愛する人のもとへ帰る彼女の表情は
ただただ強く、美しいと感じました。
胸が苦しくて涙が出てきます。
ホームシックで涙する日々、姉ローズの人生、本当の「故郷」を見つけるラスト、胸が苦しくなりました。 ローズが病気まで隠していたのは妹の人生の邪魔をしないためだったんでしょうね、お母さんにも負担をかけてしまうし、病気によっては治療費も薬代も払えないかもしれませんし、お母さんと食事をしながら涙を流していたのが印象的でした、話がそれますがエイリシュの手紙を読んでいた川沿いのベンチがある場所すごくいい場所でしたね、妹を心から応援していたと思いますが、犠牲になる人生だったなんて、故郷に戻ってももういないだなんて。 アメリカでトニーに出会っていてよかった、誰もいなかったらローズの訃報でアイルランドに戻り、お母さんと暮らし元の仕事に逆戻りだったかもしれませんね。 最後に船でアメリカに戻る時に序盤の自分のように初めてアメリカに渡る女性にアドバイスしてあげるのが微笑ましかったです。
アイルランドの自然とブルックリン
主人公が結婚したと言えなかったのは何故? 急いで結婚したことに迷いがあったのでは。
結婚していなかったら、あのままアイルランドにいたかも知れない。
でもいずれは、忘れていたことに気づいたろう。
アイルランドの自然と血縁、とアメリカの自由、どちらを選ぶか。
観る前はアイルランドを選ぶと思っていました。
アメリカへ行く船
女性の自立、成長物語。
辛いことがあり、涙を流しても、
信念に従い生きてゆく。
最後、故郷アイルランドのさわやか青年と結ばれるのか、、?と思ったが、
やはりきりっとした彼女、
結婚を約束したイタリア男性のもとへ
ふたたび船で向かう。
主演の彼女のみずみずしい魅力、
いまどきこんなピュアな女性いるだろうか、と思った。
「グランドブダペストホテル」でも、
アガサ役、光っていた。
落ち着いた気分でゆったりした映画を見たいときに。
自分の人生を選んだ
1950年代のアイルランド→NYが舞台。
原作が大好きで、映画化されると聞き日本公開を待っていた作品のため思い入れが強すぎてちょいちょい泣きながら観てしまった。。。
エイリーシュがNYで見つけた彼女の人生は、アイルランドでまるで姉の代わりに生きる様な平凡な幸せではなさそうだけど、ラストの彼との再会のシーン(ポスターはこの画だったのか…)を見れば彼女の選択は間違っていないし、自分の人生を切り開いた彼女を、アイルランドの母親も寂しいながらも認めるしかないと思えた。
"レディ・バード"絶対に観に行く!
古い時代の物語
こういう古い時代での出来事を現代の人が演じるという場合、なんだかとても古風で理不尽な状況に耐える、ひたすら耐える、、、というのはとても違和感があって、だからこそ切なかったりしますよね。
この映画もその類ではあるんですが、女優さんたちの着ている衣類が時代を表していて、それも視覚的にたのしめました。
途中、「なぬう?おぬし、まさか、、このまま、、帰らないつもりかっ??」と思いメラメラと腹が立ちながら見てしまいました。
自分の居場所
アイルランドの田舎町出身の主人公が自分の居場所を見つけるまでのストーリー。
とおもいきや?
聡明な姉のお陰でアイルランドからブルックリンに住まいも仕事も用意されて旅立つ。社交性もなく見た目地味な主人公はイタリア系アメリカ人の男性に出会いアメリカでの生活を満喫し始める。
尊敬する姉の突然の死により一度故郷に戻ることに。
そこで親友にゴルフクラブのイケメンをwデートの相手としてあてがわれる。あっとゆうまに恋に落ち、姉の後任としての仕事も得る。
しかし以前働いていたお店の店主からブルックリンで結婚してる件をバラされることで田舎町に嫌気がさして移住したことを思い出しアメリカに戻る。
母もイケメンも肩透かしにあった感じでフェードアウト。手紙の返事も書かないでイケメンとのデートを楽しんでいたことを知らないまま無事ブルックリンで夫と再会し抱擁でエンド。
期待が大きかったのでガッカリしつつも
地味で地味な女性の強かさが全面に描かれていたのが逆に面白かったかなー笑
訛ってる
上京物語。地元に帰って「ここじゃない」感かと思いきや「ここでもいけるかも」に展開する流れは不意打ち。あれれ、そうなん?「忘れてた。ここはそういう町だった」そらそうでしょ。
ブルックリンのくだりは軽快で楽しい。度重なるキーオ夫人を囲む食事シーンは主人公のステップアップを確実にとらえている。
主人公を演じたシアーシャローランの表情の機微が終始映画を支配する。ちょっとした化粧や服装で映えたり控えめだったりと、それに応答する彼女の変化が実に素晴らしい。
時代
映像がきれい。
アイルランドとアメリカ、どちらの衣装もかわいい。
登場人物が魅力的。
今と時代は違っても、共感できるところが多かった。
故郷にいる家族や友人に対する想いと、田舎の閉塞感、しがらみ。
都会の煌びやかさとめまぐるしさ、どことなく感じる虚しさ。そこで新しく出会う、それぞれが何かを抱えながらも明るくもがいている人たち。
最後の船上での表情がいい。
選択した方の人生、しなかった方の人生、その覚悟。
ほろっと涙が溢れた。
大好きな映画になった。
きれい
衣装も背景も登場人物もきれい。とてもすき。
人生において正解がないように、不正解もない。
彼女の選択は正しくもあり、間違っているのかもしれない。
だけど個人的には旦那のもとに戻ってほしかったからよかった。
私は地元から離れたことがないけど
社会人になって都会に揉まれることがあれば
もっと響いたのかもしれない。
よくある物語に命を吹き込んだ脚本
アイルランドの片田舎から夢をみてニューヨーク・ブルックリンへと渡った若い女性エイリッシュの生活を描いた物語。
外国へ行くのが今のように簡単ではなかった1950年代、希望の地アメリカでのサクセス、恋人との出逢い、姉の死。そして母を残してきた母国アイルランドへの郷愁と新たな恋心。ふたつの国の間で揺れ動く主人公の心情が美しく描かれている。
アイルランドからの移民が多かったこの時代のニューヨーク・ブルックリン。物語自体はよくある話ではあるが、小説「ハイ・フィデリティ」の作家、ニック・ホーンビィの書く脚本が、そのなんでもないようなお話をスタイリッシュに仕上げていて良かった。
エイリッシュを演じたシアーシャ・ローナンが美しく、当時を再現したブルックリンの街並みも美しかった。将来はここに家を建てたい、とフィアンセに手をとられて向かったロングアイランドは、当時まだ開発途上であり、どこか故郷アイルランドの風景と重なって見えた。
帰郷先のアイルランドに留まるか、それともブルックリンに帰るか、迫られる決断で、最後にエイリッシュが選んだのは、まさにこの時代を生きた女性の強さを象徴するものだった。
今年観た中では一番かもしれません。
いわゆる上京物語ですが、一人の女性の成長だけでなく、NYの巨大さとその中で必死に繋がっているアイルランド人のコミュニティ、偏狭な故郷と家族への想いなど非常に丁寧に描かれていました。音楽、映像、衣装全てが美しくおしゃれです。最初の船で乗り合わせた女性、デパートの先輩など出てくる女性陣も素敵です。そして主人公エイリシュも、最後には田舎娘から仲間入り。
あと、へたくそな英語でナンパしてくるイタリア人の彼がとても可愛いです。
一時帰郷してみると家族も仕事も(ちょっと素敵な男性も)いるアイルランドで揺れるエイリシュにはらはらしますが、あそこで残っていても彼女は幸せになれないのでしょう。
観終わってから「故郷も愛もふたつは持てない」というキャッチコピーにうぅ〜んと唸りました(良い意味で)。
すごくよかった
主人公に先輩方が優しすぎる感じがしたし、意地悪する人もいなかった。真面目な彼女がつい道を踏み外しそうになるのは人間的でよかった。この物語の敵は、つい田舎で都会人ぶったり隠しごとをする心の中の悪魔であった。そんな彼女が田舎のクソっぷりにはっとなるところが面白かった。
アメリカに帰る船でいかにも田舎のみすぼらしい女の子にアドバイスする場面が素晴らしくて、涙が出た。
2回見た。
せめてなあ〜
揺れ動くまではいい、そこはいいんだよ
街を離れる決心、タイミングを今までイビれてた店主
によって導かれるってのが最悪
せめて自分から、ここを離れようって道筋ならよかったのに
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