疑惑のチャンピオンのレビュー・感想・評価
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爽快感ナシのスポーツ映画
ドーピングで永久追放になった人の話ですが予想以上に不快な人間の作品でした。
役作りなのか本当にそういう人物だったのか、冒頭から自信過剰で自己中心的で狡猾な、いかにも「イヤな奴」なので永久追放になっても自業自得、という感想しか持てないようなわかり易い演出方針です。
映画としては面白いです。
スポーツビジネスとマスメディアの闇
勝てば官軍
ここまでとは…
僕がツールドフランスを見てたのが丁度ランスアームストロングが6連覇7連覇する頃で、ツールと言えばランスであった。
それからツールを見なくなり、久しぶりに触れたツールドフランスはランスアームストロングがドーピングで7連覇剥奪のニュースだった。
僕も何処かで癌を克服したヒーローがそんな事するわけない。と思って恐々観てみたら、
思ってた以上に汚れたダークヒーローだった。
まず、自己中心的で高圧的な性格に幻滅し、
禁止薬物に溺れて行く様に悲しくなった。
癌になる前薬物に溺れて、癌以降薬物から遠ざかるなら分かるのだけど、それ以降さらに摂取して体を痛めてまで薬物に手を出す、その心理はなんなのだろう。
死を身近に感じて、何としてでもなにかを成し遂げようと思ったのだろうか?
ある格闘家が相手がドーピングしてても構わない、
勝てば良いだけ。と言っていたのを思い出し、
ドーピングしてでも勝ちたい。と言う気持ちはアスリートとしてはやり方は絶対悪だけど、
正しいような気もしている。
それにしてもツールと言う世界自体が汚れすぎてて、
今はクリーンなのかとても気になりました。
自分だけ陽性になり、全部喋り始める本チームメイトも、ラストにツールには絶対的な勝者が必要なと言うランスアームストロングも、みんな狂ってた。
黒塗りの王者〜勝つために手段を選ばない男〜
サイクリングが趣味でロードバイクに乗っていることもあり、
興味本位で本作をみた。
主人公であるランス・アームストロングのことは、
ガンを克服しツール・ド・フランスで
7年連続総合優勝という偉業を成し遂げたが、
後にドーピングのため自転車ロードレース業界を
追放されたという概要は知っているが、詳しい経緯などは知らない。
映画を見てはじめて知ったのは、
アームストロングがどっぷりドーピングにハマっていたこと。
もっと葛藤みたいなものがある中、
勝ちたい気持ちを抑えられず
ドーピングに手を染めてしまったのだと思っていた。
が、実際は違った。
勝つためには手段を選ばない。
まるでトレーニングの一部かのごとく
ドーピングを行なっていたのが印象的だった。
この映画はデヴィッド・ウォルシュという
イギリスのサンデー・タイムス記者が
アームストロングの不正を暴いたノンフィクションを
実写化したものだ。
ウォルシュはデビュー当時からアームストロングに注目していた。
だからこそ、癌から復帰したあとのアームストロングが、
苦手だったヒルクライムを驚異的なスピードで登っていく様子に
疑問を抱いた。
アームストロングといえば、
癌患者の精神的支柱、復活の象徴、自転車ロードレース業界の
ヒーローだ。チームメイトも、UCI(国際自転車競技連合)も、
マスメディアも何も言わない。
黒い噂が絶えなかったのにだ。
ウォルシュだけがジャーナリストとして
この問題に正面から立ち向かう。
この一連の流れで感じたのは、
自転車ロードレース業界の根腐った環境だ。
ドーピングが当たり前で、
バレなければオーケーみたいな風潮があった。
UCIも規制強化に乗り出すが、
一度腐った風土はそう簡単には変えられない。
アームストロングも悪いが、ドーピングを野放しにしてきた
業界全体も悪い。
起きるべくして起きた事件ではないだろうか。
今現在もドーピングのイメージが残る自転車ロードレース。
それでもこの当時と比べると、
約10年でずいぶん良くなったと思う。
現状と比較しながら見ていくと、
当時のずさんさがよくわかり作品理解が
深まるのではないだろうか。
ウォルシュのようなジャーナリストが今後も現れ続ければ、
きっと自転車ロードレース業界全体が
クリーンになるのだろうと思った。
映画全体の流れとしては非常にわかりやすく、
どんどん際限がなくなっていくランスがよく描かれていたと思う。
富と権力を持ったアームストロングは、
自分にとって都合の悪い噂は
なんでも揉み消せると思うようになる。まるで王様だ。
ドーピング検査で陽性反応が出た際はUCIを金で買収する。
勝ち方が気に入らないチームメイトは丸め込む。
なんでもありだ。
しかし、ウォルシュの告発記事をキッカケに失墜。
1人の人間の栄光と転落を表したノンフィクション映画として
楽しめると思う。
最後に、「疑惑のチャンピオン」というタイトルが
最後まで引っかかった。
なぜ「疑惑」なのか。監督はアームストロングのことを
信じたいのではないかと思った。
認めたくないというか。
だからこそ映画の最後に2015年のランスの言葉を紹介している。「ツールファンに勝者は絶対必要だ。
私は7回のツールで勝利したと思う」と。
アームストロングがまた陽の目を見る日を
楽しみにしているのかなと思った。
思ったより淡々としていた
世界的競技の裏側が観れて良かった。
ランスアームストロングと言えばツールドフランス(自転車大会最高峰)でかつて7年間王者に輝いていた人間だ。
このスポーツを知らない人にどんなに強かった人か例えるには、相撲に例えると「昭和の名横綱、千代の富士」。ゴルフに例えると「全盛期のタイガーウッズ」。F1に例えると「フェラーリ時代のミハエルシューマッハ」である。
ツールドフランスが2000年ぐらいから日本でも有名になり、私もこのスポーツに魅力された1人。
だから興味があり、この作品を観た。
当時のランス(苦手は道でも飄々と走る姿)を観ていない人間にとっては、事前学習無しと言う事で面白みが無いだろう。
簡単にドーピングしたとレビューしている人がいる様だが、この映画は簡単には語っていない。
「ギリギリの所で科学的行動を起こし、陽性を逃れているのである。」
ドーピングの基準となる検査の裏側が面白い。
この映画はそういった裏側行動の中身を重視した描写があり、観る側を楽しませる。
(元々裏側に焦点を合わせた映画なので、表は普段ツールドフランスを観ている人にとっては丁度いい。表観たかったらツールドフランス観て下さいとしか言えない。)
競技をする仲間達、ドーピングを裏づけようとする記者達。チームの流れ&時代の流れも感じさせる。
また、第一線のスポーツ選手は表でも裏でもギリギリの戦いをしているのだなと感じさせくれる映画。
スポーツマン&スポーツ鑑賞好きなら楽しめます。
ツールドフランス好きなら最高です。
あっさり
インチキが大きすぎる結果をもたらし、もはや後が引けない状況が緊張感を高めてくれる。別世界の話ではあるがインチキ論文も同じような状況かな。その緊張感が話の推進力になり、興味は最後まで持続する。
しかしながら、道を外す動機や心理描写が説明不足のような気がしたし、肝心のインチキが露呈していく中での追い込まれ感や、この後にあるはずの誰も相手にしてくれないこの世でどのような生き方を見出せるかという点は、あっさりし過ぎていて、「ええっ〜、これで終わるの?」という気持ちが残ってしまう。
自転車レースだが、少しはスポーツ競技ものとしての盛り上がり部分も用意して欲しかったし、ドーピングしたら勝てる的な見せ方は、そんなに実際は安易にはいかんだろという疑念も湧く。
製作者側がこの話に本当に関心をもっていないような感じもした。
●嘘と真実と。
恐ろしいほどの勝利への執念
野望と情熱の成れの果て…。
ああ、山の流れのように
美しい山岳コース
下り勾配のS字コーナー。
「シュンッー」と、空気を切り裂くようにすり抜けてゆく、自転車ロードレーサー達の群れ。
それを背後から捉えるキャメラがいいなぁ~。
劇場の大きなスクリーンで、この景色を見るといいですよぉ~。
見事なコーナリング・テクニックを見せてゆくロードレーサーたち。
本当にこちらまで「ピレネー」や「アルプス」の雄大な山脈群を体験しているみたい。
ああ~、深呼吸したくなる!
爽やか!
気分スッキリ!!
爽快気分はMAXハイテンション!!
やっぱりスポーツって「健全」でいいなぁ~。
えっ、そうじゃないの?
あれ、なに、その注射針。
なに、その飲み薬。
おいおい、自分の血液を「パック」に入れて冷蔵庫に保存?!
マジっ? 変態か? こいつら。
そこまでして彼らが栄冠を掴み取りたいもの。
それこそが、自転車レースの最高峰、と言われる「ツール・ド・フランス」である。
彼らの栄光への情熱と「執念」「情念」は、この作品を見ればわかる。
それはもう、並大抵の努力じゃない。
このレースに出られるレーサーたちは、すでに自国のレースで、数々の優勝を経験してきたツワモノばかり。
地元ではレースに出る前から
「あいつが出るんじゃ、優勝はもう決まり!」
と、マスコミでさえ、かえって注目しなくなるぐらいの、まさに「超一流」レーサーたちなのだ。
「TOP」中の「トップ」
「エリート」中の「エリート」
そんな彼らにとって「レースでの2番」は「負けた」ということ。
「レースは勝たなきゃ意味がない」
これはオートバイレースの世界を描いた、新谷かおる氏の漫画「ふたり鷹」のなかのセリフだ。
「負ける」ということは、かれらにとって「自分の全存在を否定」されることなのだ。
それほどの屈辱感、悔しさを味わい、それでも「次のレースでは勝つ」と再び立ち上がる。
ロードレーサーにとって必要なのは、そういう「ガッツ」「体力」と「気力」だけなのだ……、
と永らく思われてきた。
しかし、近年、それだけでは「レースに勝てない」ということが常識になっている。
そこで必要なのが「勝つ」ための「戦術」であり「戦略」なのである。
本作の主人公、ランス・アームストロングは、25歳で癌を宣告される。
しかし、それを克服し、みごとにロードレーサーとして返り咲いた。
そして彼は、ある「戦術」と「戦略」を駆使して「ツール・ド・フランス」前人未到、7年連続総合優勝に輝いた。
だが、しかし、かれの「戦術」と「戦略」は、一人のイギリス人記者、デイヴィッド・ウォルシュによって、その「秘密」と「実態」が暴かれてしまう。
本作は、癌に侵されながらも見事にレースに返り咲き、がん患者の希望の星として、多くの人に勇気と希望を与え続けた英雄の、まさに「栄光」と「転落」を描く。
監督はアカデミー賞に輝いた「クィーン」のスティーブン・フリアーズ氏。その映画作家としての腕の確かさは、本作でも随所にうかがえる。
特にレースシーンでの美しい風景。
対照的に、各レーサーの火花が散るような勝負の駆け引き。
手持ちキャメラではなく、ステディカムを使った、ブレのない映像シーンは、本当に映画館で観る価値がある。
そういえば最近、ようやくハリウッド系などの映画も、一時、馬鹿の一つ覚えみたいに”ブレブレ”の手持ちカメラを使っていたが、今はもう、流行らなくなったみたいだ。
しょせん、一時の流行である。
映像手法は、そんな流行に左右されることなく、本当の人間ドラマをじっくり捉えてほしい。
そのためのキャメラなのだから、これからの若い映画監督は、よく理解した上で、じっくり撮影方法を選択してほしいものである。
それにしても、本作で描かれる「ドーピング」
さらには、自分の血液を常時冷蔵庫に保管しておく、など、これらはまさに、サイクルレース界を永く密着取材しなければ、なかなか得られない情報である。
本作は、そのレース界の闇に迫った、ノン・フィクションを元に映画化された。まぎれもない実話なのだ。
全編を通じてドキュメンタリータッチで描かれる本作。
レースのシーン、選手たちのプライベートをはじめとして、突然のドーピング検査のシーンが特に印象的だ。検査官を外で待たせ、限られた時間の中、際どいタイミングで、必死に証拠隠滅を図ろうとするレーシングチーム。
そしてスポーツ医学と選手との関係。
そういえば、もう直ぐ「リオ・オリンピック」である。
選手たちは、もちろんドーピング検査に神経質だ。それも極度にだ。
細心の注意を払って、常備薬の成分を何回も見直し、
「大丈夫だよ」とマネージャーから手渡された何気ない「かぜ薬」が、もし、違反薬であったなら。
実際、過去には、選手たちが意図していないのに、チームの意向でドーピングを「させられていた」選手たちがいた。
そして栄光は剥奪される。
選手たちのその後はどうなるのか?
自分のこれからの人生、どう生きたらいいのか?
「人と競い合うこと」
「勝利すること」
ただそれだけに、全人生を捧げてきたスポーツマン、アスリートたち。
野球の世界では、ぼくは野村克也さんが大好きだ。
野村さんのボヤキのひとつではないが
「人生はね、野球を引退してからの方が永いの。今のうちから、ちゃんと人生を考えなさい」
常日頃から、そう「弟子」たちに説いていた。
そして楽天の監督引退式では、パリーグ全チームの選手たちから胴上げされ、祝福を受けた。野球人として、また、ひとりの人間として、最高の生きかたの見本ではないか? と僕は野村さんを見てそう思う。
本作で描かれる主人公ランスは、もちろん実在の人物で、現在44歳なのだ。まだ、44歳である。これからが人生の後半戦。折り返し点にある彼。
これから待ち受ける「ロング・アンド・ワインディングロード」は、緩やかで景色のいい「くだり坂」なのだろうか?
あるいは、きつい「上り坂」が、まだ待ち構えているのか?
本人はこの映画を見てどう思うのだろう?
それでも彼を非難できない。
もし私が自転車のアスリートだったら、もしくはがん患者だったら、彼を裏切者だと思ったかもしれない。
でもやはり、病気から回復し、あのタイトルを勝ち取るためにどれほどの努力と精神力が必要だったことか。たとえ周り人の協力や薬の力を借りたとしても。
そう思うと、やはり彼をダークなイメージだけではとらえられないのです。ガン患者を救いたいというのも本音だと思うし。
作品としてはすごく面白かった!!Le Tour de France、全然興味がなかったけれど、一回本場で観てみたい!
この映画で面白さを知ったのもどうかと思うけれど(笑)
期待値が高過ぎた
虚しさだけが残った..
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