疑惑のチャンピオンのレビュー・感想・評価
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よかった
ドーピングが本当に悪いとは思えず、リスクと引き換えに勝利や成績を求める姿勢にむしろ頭が下がる。それというのも自分に闘争心があまりなく、そのような情熱を持っていることに対する憧れがある。ドーピングをしてまで頑張るとは大したものだと思ってしまう。
そんな自分がこの映画でドーピングに対して意識が変わるかどうかがすごく気になったのだが、何も変わらなかった。ドーピングだけしても熱心に練習しなければ勝てないと思うし、しかもガンを克服してまで勝利に執着するのがすごい。
自分がもし選手で、ドーピングをせずに勝てず2位や3位だったら果たしてどう思うだろう。その立場にないので全然分からない。主人公の感情を押し殺したような表情がメンタル強そうでかっこよかった。
寝不足で見に行ったため、少しウトウトした。
恐ろしいほどの勝利への執念
ツール・ド・フランスを7連覇した、元プロロードレーサーのランス・アームストロングの話。ランスが連覇する以前から、ツール・ド・フランスはドーピング問題に頭を悩ませていた。しかし、7年間もだまし通したのがすごいと思う。映画の中では、選手間でドーピングの話をするのはタブーのようだが、それでもながい月日が流れた。不思議なスポーツで、チームで戦うのに、マイヨ・ジョーヌの栄冠は個人。それが魅力なのであろう。チームのメンバーをつなぎとめるのは大変案だろうな。ランスに破滅が待っているのは、皆分っているのに、勝利の為にそこまでやるのかとも思う。組織的だし。オリンピックを前に考えささせられる。
野望と情熱の成れの果て…。
個人競技でもプロになると様々な利害関係が入り組んで好きなだけではやってられない事を痛感。これだけチームを巻き込んだドーピング事件が全く表面化しなかったなんて…。抜け道なんていくらでもあるんだな。
自転車が好き、という一途な想いで純粋に勝てれば良かったのに脇道が見れたらどんどん転がってしまうなんて。
今もドーピング問題でいろいろ囁かれてるスポーツもあるけど生々しい作品だった。
ああ、山の流れのように
美しい山岳コース
下り勾配のS字コーナー。
「シュンッー」と、空気を切り裂くようにすり抜けてゆく、自転車ロードレーサー達の群れ。
それを背後から捉えるキャメラがいいなぁ~。
劇場の大きなスクリーンで、この景色を見るといいですよぉ~。
見事なコーナリング・テクニックを見せてゆくロードレーサーたち。
本当にこちらまで「ピレネー」や「アルプス」の雄大な山脈群を体験しているみたい。
ああ~、深呼吸したくなる!
爽やか!
気分スッキリ!!
爽快気分はMAXハイテンション!!
やっぱりスポーツって「健全」でいいなぁ~。
えっ、そうじゃないの?
あれ、なに、その注射針。
なに、その飲み薬。
おいおい、自分の血液を「パック」に入れて冷蔵庫に保存?!
マジっ? 変態か? こいつら。
そこまでして彼らが栄冠を掴み取りたいもの。
それこそが、自転車レースの最高峰、と言われる「ツール・ド・フランス」である。
彼らの栄光への情熱と「執念」「情念」は、この作品を見ればわかる。
それはもう、並大抵の努力じゃない。
このレースに出られるレーサーたちは、すでに自国のレースで、数々の優勝を経験してきたツワモノばかり。
地元ではレースに出る前から
「あいつが出るんじゃ、優勝はもう決まり!」
と、マスコミでさえ、かえって注目しなくなるぐらいの、まさに「超一流」レーサーたちなのだ。
「TOP」中の「トップ」
「エリート」中の「エリート」
そんな彼らにとって「レースでの2番」は「負けた」ということ。
「レースは勝たなきゃ意味がない」
これはオートバイレースの世界を描いた、新谷かおる氏の漫画「ふたり鷹」のなかのセリフだ。
「負ける」ということは、かれらにとって「自分の全存在を否定」されることなのだ。
それほどの屈辱感、悔しさを味わい、それでも「次のレースでは勝つ」と再び立ち上がる。
ロードレーサーにとって必要なのは、そういう「ガッツ」「体力」と「気力」だけなのだ……、
と永らく思われてきた。
しかし、近年、それだけでは「レースに勝てない」ということが常識になっている。
そこで必要なのが「勝つ」ための「戦術」であり「戦略」なのである。
本作の主人公、ランス・アームストロングは、25歳で癌を宣告される。
しかし、それを克服し、みごとにロードレーサーとして返り咲いた。
そして彼は、ある「戦術」と「戦略」を駆使して「ツール・ド・フランス」前人未到、7年連続総合優勝に輝いた。
だが、しかし、かれの「戦術」と「戦略」は、一人のイギリス人記者、デイヴィッド・ウォルシュによって、その「秘密」と「実態」が暴かれてしまう。
本作は、癌に侵されながらも見事にレースに返り咲き、がん患者の希望の星として、多くの人に勇気と希望を与え続けた英雄の、まさに「栄光」と「転落」を描く。
監督はアカデミー賞に輝いた「クィーン」のスティーブン・フリアーズ氏。その映画作家としての腕の確かさは、本作でも随所にうかがえる。
特にレースシーンでの美しい風景。
対照的に、各レーサーの火花が散るような勝負の駆け引き。
手持ちキャメラではなく、ステディカムを使った、ブレのない映像シーンは、本当に映画館で観る価値がある。
そういえば最近、ようやくハリウッド系などの映画も、一時、馬鹿の一つ覚えみたいに”ブレブレ”の手持ちカメラを使っていたが、今はもう、流行らなくなったみたいだ。
しょせん、一時の流行である。
映像手法は、そんな流行に左右されることなく、本当の人間ドラマをじっくり捉えてほしい。
そのためのキャメラなのだから、これからの若い映画監督は、よく理解した上で、じっくり撮影方法を選択してほしいものである。
それにしても、本作で描かれる「ドーピング」
さらには、自分の血液を常時冷蔵庫に保管しておく、など、これらはまさに、サイクルレース界を永く密着取材しなければ、なかなか得られない情報である。
本作は、そのレース界の闇に迫った、ノン・フィクションを元に映画化された。まぎれもない実話なのだ。
全編を通じてドキュメンタリータッチで描かれる本作。
レースのシーン、選手たちのプライベートをはじめとして、突然のドーピング検査のシーンが特に印象的だ。検査官を外で待たせ、限られた時間の中、際どいタイミングで、必死に証拠隠滅を図ろうとするレーシングチーム。
そしてスポーツ医学と選手との関係。
そういえば、もう直ぐ「リオ・オリンピック」である。
選手たちは、もちろんドーピング検査に神経質だ。それも極度にだ。
細心の注意を払って、常備薬の成分を何回も見直し、
「大丈夫だよ」とマネージャーから手渡された何気ない「かぜ薬」が、もし、違反薬であったなら。
実際、過去には、選手たちが意図していないのに、チームの意向でドーピングを「させられていた」選手たちがいた。
そして栄光は剥奪される。
選手たちのその後はどうなるのか?
自分のこれからの人生、どう生きたらいいのか?
「人と競い合うこと」
「勝利すること」
ただそれだけに、全人生を捧げてきたスポーツマン、アスリートたち。
野球の世界では、ぼくは野村克也さんが大好きだ。
野村さんのボヤキのひとつではないが
「人生はね、野球を引退してからの方が永いの。今のうちから、ちゃんと人生を考えなさい」
常日頃から、そう「弟子」たちに説いていた。
そして楽天の監督引退式では、パリーグ全チームの選手たちから胴上げされ、祝福を受けた。野球人として、また、ひとりの人間として、最高の生きかたの見本ではないか? と僕は野村さんを見てそう思う。
本作で描かれる主人公ランスは、もちろん実在の人物で、現在44歳なのだ。まだ、44歳である。これからが人生の後半戦。折り返し点にある彼。
これから待ち受ける「ロング・アンド・ワインディングロード」は、緩やかで景色のいい「くだり坂」なのだろうか?
あるいは、きつい「上り坂」が、まだ待ち構えているのか?
本人はこの映画を見てどう思うのだろう?
悪意
レースシーンとかは、全くなかった。
彼がいかに、狡猾に不正を働いてきたかのドキュメントだった。
作品的にはよく出来てたと思う。
最後に彼が、自らの不正を認めた時には、すでに過去の事だと分かっていても、息を飲んだ。
鉄人・アームストロングだったか…。
何か覚え間違えてるのかもしれないが、そんなフレーズが耳に残ってる。
査問委員会を前に、彼が自らの人生への評価が切なかった。
ずっと闘ってきたのであろう。
にしても、この作品はアームストロングへの悪意に満たされていた。
原作者が迫害されていたのだから、そんなカラーに染まるのも致し方ないのかもしれないが…。
裏切られた。
そう思う人々は、きっと星の数ほどいるんだろうな…。
でも、ある種の狂気がないとカリスマ性なぞ生まれないと思う。
それでも彼を非難できない。
もし私が自転車のアスリートだったら、もしくはがん患者だったら、彼を裏切者だと思ったかもしれない。
でもやはり、病気から回復し、あのタイトルを勝ち取るためにどれほどの努力と精神力が必要だったことか。たとえ周り人の協力や薬の力を借りたとしても。
そう思うと、やはり彼をダークなイメージだけではとらえられないのです。ガン患者を救いたいというのも本音だと思うし。
作品としてはすごく面白かった!!Le Tour de France、全然興味がなかったけれど、一回本場で観てみたい!
この映画で面白さを知ったのもどうかと思うけれど(笑)
期待値が高過ぎた
ロードバイク好き、ツール・ド・フランス好きなら絶対観たい映画。
ちょっと期待し過ぎだったかも。
ランス・アームストロングが堕ちていく姿をもっと上手く描けなかったかなと思います。
全体の評価としてはまあまあ。
虚しさだけが残った..
まだドーピング疑惑が取り沙汰されていなかった頃、ランス・アームストロングの著書を読んだ。癌を克服してツール・ド・フランスで優勝するまでの壮絶で奇跡的な自伝だった。その後、彼がドーピングを認めるニュースを聞いても決して信じることは出来なかった。癌との壮絶な闘いに勝利し、復活を遂げた不屈の精神の持ち主である彼がドーピングに手を染めるなど未だに信じきれないでいた。しかし、映画を観てその認識を一変させられた。彼は組織的なドーピングの首謀者で有り、癌患者に対する慈善活動さえ、自分を正当化する偽善行為でしかなかったかのように描かれていた。自伝の中の彼をまだ信じていたかったが、完全に裏切られた気分だ。
だから?
ランスが、どうしてツールドフランスであんなにマイヨ・ジョーヌを獲得したかったのかが判らなかった。
名誉のためか、貧困生活からの脱却か。癌を克服してまで彼が、血液ドーピングまでしてチームを優勝に導いた。作品監督はツールドフランスの裏でドーピングが蔓延っていることを訴えたっかたのか。ツールド…で7冠もしたランスの堕落を描きたかったのか。優勝した後で、薬物のおかげで優勝できたのは、只々虚しい。邦題の「疑惑のチャンピオン」よりも「疑惑の覇者」ぐらいで良かったのではないだろうか。自転車業界のランスを描きたかったのか。ツールフランスでもドーピングしている選手もいることを訴えたかったのか。訴求力が薄く弱い。
フロイドからの電話を受けてからのランスの最後があまりにも虚しく悲しく映った。
なかなかの緊張感
ツールドフランスの話とも知らず、観に行ってしまいました。
結果は吉。
なかなかの緊張感で見入りました。
しかし、体への負担がほとんどない?様な感じが不思議。
底だけが気になって。
頭脳戦ですな。これはまさに。
皆がしてるから7年もふせられたのか?
競技はフェアであるべきだが。
癌を克服して復活し、7度もツールドフランスを制した男の話。
本人の才能がどれほどのものか知らぬが、7度ということは、7年以上も王者に君臨し続けるということ。その精神の強さは尋常じゃない、と思っていた。
が、やっぱりやっていたんだわな、ドーピング。
やっぱりなんだよ、やっぱり。じゃなきゃそんなに続かない。
そんな嘘まみれの本人はもとより、チームメイトや自転車業界だってグルじゃないか。本人だけを悪者にするのって卑怯だと思う。
図式を変えれば、アスリートに限らず、『八百長』という名の組織ぐるみのドーピングはあるのだよ。音楽業界のゴーストライター、政治家の癒着、食品会社の偽装表示、アイドルの年齢詐称、、、ファンや消費者をだましていることには変わりがない。
出来レースを承知で一緒に楽しめるのはプロレスぐらいなものか。
だけど、やはりそうゆう他と根本的に違うのは、フェアじゃないこと。
正直、本人の肉体への副作用なんて自業自得だからどうでもいい。むしろ、後悔と贖罪の意識とともに終生苦しんで当然だとも思う。じゃなきゃ、真面目に競技に取り組んでる選手がバカを見るだけだ。薬に限らず、卓球のラケット問題なんかもそう。わからなければ何でもありの無法状態だ。
競技者は紳士たるべき。その努力の結果の勝利にこそ、称賛は惜しまない。
・・・と言っている自分がもしある程度の才能を持ち、「プログラム」によって目の前に勝利や栄光や富が手の届くところにあるとしたら?
ああ、怖い怖い。悪に手を染めた人を悪し様にたたきながら、そうなりかねない自分もすぐそばにいるようで。
敢えて?ツール開幕週に公開
原作を読もうと図書館で借りたが圧倒的な文章量で挫折w
もう少し苦悩や裁判、お金の話をいろいろ重く描いた方が意味があったかも
しかしガンを克服してアスリートとして戻って来たのは間違いないのに…偽りの7連覇は必要だったか…
ラスト近くにあの選手が出てくるところが改めて業界の闇の深さかなとw
頂点の甘い密(;´д`)
劇場で予告編を観た時から気になっていたので公開2日目に鑑賞しました。
ドキュメントの様なノンフィクションではあるが、見応えは十分。勝たなければ価値が無いと言う勝敗に左右されるアスリート世界を描いていますが、テンポが良いので2時間がアッと言うまでした。
癌になってからの復活劇に周囲を巻き込んでのドーピング行為は計算され尽くしたと言えるが、やはり何処からか綻びは出るモノ。
7回の世界チャンピオンになって、裁判になっても判決で勝って、そのまま逃げ切っての引退!と思いきや、あのちやほやが忘れられなくてカムバックした途端にドーピングがバレて失墜…。
惜しいのは落ちていく様の描写が薄いのと、癌を克服する件が薄いのと、ドーピングに関しての副作用の描写が無い事。
癌でアスリートとしての身体が失われて、癌が治るまでの描写が殆ど無いのは痛い。この物語のキモの一つなのでここはもう少しキッチリ描いてほしかった。
また、ドーピングの副作用が正直何処まで有るのか分からないが、ツール・ド・フランスの世界チャンピオンに輝く程のドーピングは元の素質があったとしてもそれなりに副作用が出てもおかしくないのではないか?と思うのですが…
そう言ったドロドロとした部分をサクッと切った事でテンポが良くなったのも確かではあります。
主人公のランス・アームストロングがドーピングをしてでも勝ち抜けていく事で自身が体験した癌撲滅のボランティア団体を設立したのは目算はあっても癌を憎むのは紛れもない気持ちで、作中に癌の重病患者の少年を見舞う時の“ずっと側にいるよ”と言う台詞はランスの正直な気持ちかなと。
こう言った部分があるので、ランスを心底憎む事も無く、ドーピングの怖さも薄くなったと言う感じではありますが、その分テンポが良くて、ドーピングが見つかった人=運の悪い人。ドーピングが見つからなかった人=運が良い人となってるのがなんとなく笑えたりします(笑い事ではないんですが)
ノンフィクションではありますが、見応えもあって、そんなに重くなく、テンポが良いので結婚お薦めです。
何か笑えた
83本目。
どっち側から画くかで見方が違うんだろけど、バランス良く画かれてたと思う。
サクセスストーリーになっちゃうのかと思ったのは一瞬だったけど、あんな事してまで検査すり抜けてたのかと思うと、面倒臭いと思うんだけど。
何か笑えた。
でも必死だったんだろうな。
作品としては面白かった。
特に音楽の使い方が面白いし好き。
薬物
実話を元にした映画、最近よく見る気がするw
こういう映画ってキャスティングとか大事だなーと思う。
人を惹きつける演技だったり、自然な演技だったり。
この映画は良かったですね。
ベンフォスターは良い役者さんですなぁ。
高みを目指す為だけに
たとえドキュメンタリーと言えども、映像が編集された時点で、そこにはどうしても作り手の意図が入ってしまう訳で。
ましてや映画はフィクションなのだから、作り手(監督)の意図を自分なりに読み取って楽しむものだと思っています。
ある意味本作は、壮大なネタバレのもと作られている映画なので、
ストーリーを追わなくてよい分、人物の心理に集中できて、ものすごく想像力を掻き立てられます。
とくに記者会見やサイン会の心理描写が見事!
同じドーピング仲間でも、ランスは陰性でフロイドは陽性。(笑)
スポーツの認知度をあげてファン層を広げるには、ヒーローの存在が不可欠でしょうが、
強いだけでなくドラマ性も兼ね備えているランスは、スポーツビジネス的には、これ以上にない優良物件だったのでしょう。
何度となくドーピングが白日の下に明らかになるタイミングがありながらも、組織ぐるみの隠蔽や、大金や圧力をかけた口封じによって、裁判にまでも勝ってしまう。
ヒーローって、多かれ少なかれ人々の欲と幻想で出来上がっていくもんなんだな。
だがしかし、ありがちな
“ヒーローに仕立て上げられて、時代に翻弄された男”や
“こんなこと仕出かしちゃったけど、本当は私達と同じ普通の男”
で終わらないのが、スティーブン・フリアーズ監督!
“純粋に高みを目指す為だけに、全てを利用した男”と読み取らせていただきました。
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