「蔓延する隠蔽。」疑惑のチャンピオン ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
蔓延する隠蔽。
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オリンピックを前にロシアがドーピング問題でまさかの出場停止。
ナニこの偶然って!と思ったほどドンピシャ公開だったこの作品。
ツールで偉業の七連覇を成し遂げ名実共にスーパースターだった
ランス・アームストロングの行動が次々と暴かれていくこの作品、
こんなに以前からやってたの?というショックも去ることながら
スポーツ界に当たり前のように蔓延していた隠蔽にものけぞった。
彼の勝利に対する異常なまでの執着は、引退後に復帰して3位に
終わったあとの涙に消化されるが、それにしても凄まじい粘着力。
一度覚えた快感は、もうこのへんで止めておこうという忠告すら
自身で撥ね退けてしまうのだろうか。あれほど狡猾にドーピング
を免れてきたチャンピオンもついにボロが出た直後やっと認める。
この複雑な男を魅力的に演じ切ったB・フォスターが出色の演技
で善悪の判別を越えた表情を何度も見せるのでこちらも困惑する。
(あの功績も一瞬で消えるのね。彼を目標にしていた人は可哀想)
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