「頂点の甘い密(;´д`)」疑惑のチャンピオン マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
頂点の甘い密(;´д`)
劇場で予告編を観た時から気になっていたので公開2日目に鑑賞しました。
ドキュメントの様なノンフィクションではあるが、見応えは十分。勝たなければ価値が無いと言う勝敗に左右されるアスリート世界を描いていますが、テンポが良いので2時間がアッと言うまでした。
癌になってからの復活劇に周囲を巻き込んでのドーピング行為は計算され尽くしたと言えるが、やはり何処からか綻びは出るモノ。
7回の世界チャンピオンになって、裁判になっても判決で勝って、そのまま逃げ切っての引退!と思いきや、あのちやほやが忘れられなくてカムバックした途端にドーピングがバレて失墜…。
惜しいのは落ちていく様の描写が薄いのと、癌を克服する件が薄いのと、ドーピングに関しての副作用の描写が無い事。
癌でアスリートとしての身体が失われて、癌が治るまでの描写が殆ど無いのは痛い。この物語のキモの一つなのでここはもう少しキッチリ描いてほしかった。
また、ドーピングの副作用が正直何処まで有るのか分からないが、ツール・ド・フランスの世界チャンピオンに輝く程のドーピングは元の素質があったとしてもそれなりに副作用が出てもおかしくないのではないか?と思うのですが…
そう言ったドロドロとした部分をサクッと切った事でテンポが良くなったのも確かではあります。
主人公のランス・アームストロングがドーピングをしてでも勝ち抜けていく事で自身が体験した癌撲滅のボランティア団体を設立したのは目算はあっても癌を憎むのは紛れもない気持ちで、作中に癌の重病患者の少年を見舞う時の“ずっと側にいるよ”と言う台詞はランスの正直な気持ちかなと。
こう言った部分があるので、ランスを心底憎む事も無く、ドーピングの怖さも薄くなったと言う感じではありますが、その分テンポが良くて、ドーピングが見つかった人=運の悪い人。ドーピングが見つからなかった人=運が良い人となってるのがなんとなく笑えたりします(笑い事ではないんですが)
ノンフィクションではありますが、見応えもあって、そんなに重くなく、テンポが良いので結婚お薦めです。