劇場公開日 2016年1月23日

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「反則技を使うな」スナッチャーズ・フィーバー 喰われた町 Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0反則技を使うな

2022年8月3日
Androidアプリから投稿

全編POVのSFスリラー。ダサめなポスターと取って付けたような邦題はさておき、中々楽しめる作品だった。予算不足なのはすぐに分かるが、それをカバー出来る程の個性が溢れる作品だった。画面の手ブレやノイズはPOVであれば仕方の無い事だが、本作は予算的なチープさを誤魔化すためか、手ぶれやノイズが酷い。走ったりすると全く何をしているか分からず、ややイライラが募る部分はマイナスだろう。だが、徐々に忍び寄る様にやって来る様な描写の数々は不気味で良い。正直このテーマは手垢でベッタリな使い古された様な物だが、他の作品とは少し違う変わった面白さがある。

本作では、人が謎の寄生虫もしくはエイリアンに犯され、脳を支配された状態になってしまった世界を描いている。
ゾンビの様に力なく立ってるだけかと思いきや、集団で襲い来る様な描写もあり、少々行動に違和感を感じる部分はあるが、何と言ってもその容姿、特に歪んだ顔が不気味すぎて頭から離れない。加えて、彼らには瞬間移動という特殊な能力が備わっている。冒頭で遠くに背を向けて立っていた女が突如車の窓に凄まじい形相で張り付くシーンは、その車に乗っていた男性と同じ反応をしてしまう位の驚きだった。映画館だったら小っ恥ずかしい思いをしたかもしれない。こういう変わり種を撮ってくれる監督は将来が楽しみである。

Mina