「第5回『突っ込んだら負けの刑』ゲームを、はりきって開催いたします。」ミュージアム さぽしゃさんの映画レビュー(感想・評価)
第5回『突っ込んだら負けの刑』ゲームを、はりきって開催いたします。
お題『ミュージアム』
(ゲームに必要な予備知識)
巴亮介せんせのスリラー漫画の映画化です。原作は未読です。すみません!
雨の日だけに起こる、猟奇的な殺人事件。その捜査線上に浮かび上がる、カエルの仮面を被った異様な容疑者(妻夫木聡)。事件を追う刑事:沢村(小栗旬とその妻(尾野真千子)、そして幼い息子が、犯人の仕掛けた残酷な罠にはまり、どんどん追い詰められて行く。
1)
主人公沢村は優秀な刑事だが、家庭を顧みるこをしない。
とうとう妻が子供を連れて出て行ってしまう。勿論、やさぐれる沢村。
しかし演じるのは小栗旬だ!ぜーんぜん、ダメ男に見えない!
さて小栗旬の演技には、あるパターンがあります。
わたくし、思わず爆笑してしまいました。
さて、そのシーンを想像してください。
・ またか!何度も体をバラバラにされ、修理時に頭を前後逆に付けられたり、他のロボットの頭を付けられたりするくどいお約束に爆笑。
・ またか!的外れな推理をして「よしわかった!」という。粉薬を口に含んだ状態で、何故か怒鳴るという粉プレイに爆笑。
・ またか!ゴミ廃棄室でも、エレベーターでも、ピンチにはそのマニピュレーターで助けてくれる。むしろジェダイより、いい働きしてるんじゃね?に爆笑。
・ またか!車に轢かれて地面を転がる。フェンスを乗り越えて地面を転がる。車から脱出して地面を転がる。三半規管がどうにかなってるんじゃね?と思えるほど転がる旬君に爆笑。
2)
"ドッグフードの刑""親の痛みを知りましょう刑""均等の刑"など、犯人は独自のルールで殺人を犯しているようだ。
そして被害者達には、ある共通点があったことが速攻で分かる。
じらさないねえ。
しかもそれ、致命的な設定ミスが!?
さて次のシーンを想像してください。
・実はみんな、多重人格の中のそれぞれの人格だった。
・ 実はみんな、自殺したマイナーアイドル好きだった。
・実はみんな、少女殺人事件の関係者で異常な結束力で同じ列車に乗り合わせた。
・実はみんな、少女樹脂詰殺人事件の裁判員だった。
(刑事って裁判員になれないけど、その家族はダメとは書かれてないけどー、多分、選ばれないと思うよ)
3)
雨の日に現れる犯人らしき男は、カエルのかぶり物&カエルの手的な手袋をしている。出て行った沢村の妻&子供の消息が不明。犯人はどこだ?追い詰める前に、向こうから接触して来た。
よしやってやる!
うを!何か持ってるぞ。拳銃か?何だ?
あ、あり得ないぞ!
さて次のシーンを想像してください。
・ 慣れない拳銃だったのか落としてしまい、その拍子に犯人が自分の股間を打ち抜くというありえない結果に。
・ 1人対国のチートな戦いなので、犯人のマシンガンは弾を補充しなくても延々と撃てるという、あり得ない結果に。
・ ガン=カタという拳銃&武術を駆使した犯人の弾は敵にバンバン当たるが、何故か敵の弾は犯人に全く当たらないという、あり得ない結果に。
・ 犯人のカエル手袋は、引き金に入らないようなふっもふのカエル手だが、普通に撃てるという、あり得ない結果に。
4)
ごてごてに回る沢村。そしてとうとう犯人:カエル男のアジトを発見。
踏み込むが……。
ま、まんまと自分自身も監禁される。
うを!妻と息子か!→人形。
うを!腹減った!→カエル男特製ハンバーガーが差し入れ。
うを!髪の毛?挽肉作成器?え!?さっきの肉は、も、もしや……、ドアを開けると?
ドーーーーン!
で、ですよね?な状態に。
さて、次のシーンを想像してください。
・ ドアの向こうのセールスマンに冷たくして強く閉めた際、セールスマンが手を挟んでしまいパンパンに腫れる。するとセールスマンが、執拗なストーカーに変身する。で、ですよねー(笑)?な状態に。
・ ドアを斧で破る主人公:ジャック・ニコルソンの快演が、ホラー映画の為に生まれて来たような絶妙な顔立ちのシェリー・デュヴァルに食われる瞬間。で、ですよねー(笑)?な状態に。
・「絶対に開けるな」という、ダチョウ倶楽部的な前振りに、思わず開けてしまう姉弟。すると開けるなと言ったおばぁさんが、四つん這いで走り回っていて、恐怖。あ、開けなければ良かった……な姉弟に、で、ですよねー(笑)?な状態に。
・よ、嫁と息子が、れ、冷凍されてる!あれ、待てよ。嫁って「少女"樹脂"詰殺人事件」の裁判員だったよね?つまり……?
で、ですよねー(笑)?な状態に。
突っ込み過ぎて酸欠注意の「ミュージアム」ですが、和製「セブン」とか言われています。
はぁ?って声が沢山聞こえて来ました(笑)
私じゃないです!言ってるのは!
確かに、"なんちゃらの刑"っていう殺人現場はセブン風かも知れません。
てか、その場面だけ語るなら、市川崑が横溝正史作品で既にやってると思われー(黒板 純風)。
一番違うのは、セブンって犯人は動機を語りませんよね?
けど、本作のカエル男はぺっらぺら喋る。ええ、あるあるです。
犯人が色々と語り始めると、死亡フラグ立ちますよ。
しかもカエル男に、まさかのあの人が絡んでくる。
あのー大友監督、「シン・ゴジラ」嫌いなんですか?
てか、前から言ってますけど、やべえ奴がやべえことするのに理由なんかないんですよ。
要らないです。殺人犯に理屈とか。
あと、なんでしょう?あのラスト。
セブンの後味の悪さって、もし自分がブラピと同じ立場だったらどうするか?
って、余韻が後々まで続く点だと思います。
本作の余韻は、とってつけた感がハンパなかったです。裁判員裁判に問題提起してる感も、逆にしゃらくせー!社会派じゃないじゃん。
あ、出演者の殆どが「しょうじょじゅしづめさつじんじけん」って、何度も練習したはず(笑)
言いづらい!
雨の日に起こる殺人事件となると、大好きな「殺人の追憶」が思い出され、雨ばっかりなミステリー映画だと、"エンジェル・ハート"とか、"アイデンティティー"とかあり、しかもカエル男のルックスから、かなりハードル上がってました。
※つか、雨降ってる時、空が明るいのはいかんでしょう?そこ、拘ろうよ。
でもー、友達と、もろもろ突っ込みながら観ると楽しいと思いますよー。
きっと!