スポットライト 世紀のスクープのレビュー・感想・評価
全296件中、101~120件目を表示
ボストン・グローブ紙の記者たちに拍手!
昨年度のアカデミー賞作品賞受賞作をようやく観ることができた。実際の話が元になっているということで、興味深く観た。やりきれない事件だが、記者たちが目先の特ダネに走らず、地道に事件の証拠を固めてゆく過程が大変だなと思った。直接記事につながるかどうかわからなくても、とにかく関係者の話を聞いてゆく。時になかなか記事にならないことへの不満をぶつけられたり、自分の家族にすら真実を告げられない苛立ちを抱えながらも、取材を続ける記者たちの姿に心打たれた。相手側の組織の大きさ、事件の根の深さを考えると、とても太刀打ちできないと思うところだが、彼らは怯まず、腐らず、投げ出さず最後まで取り組んでいた。関係者の中には友だちもいたが、その友情にヒビが入るかもしれないのに真実に向かって突き進んでいった。なかなかできることではない。頭が下がる思いだ。記事が出た時は、ボストンからアメリカ中に衝撃が走ったことと思うが、この映画によって世界中の人々に知れ渡ったはずだ。ペンの強さを思い知ったことと思う。
社会正義
知った衝撃
1度目―この映画の真実にびっくりしました。
ほんの数人の神父の話だと思っていましたから、グローブ紙の記者達と同じように
どんどん分かっていく児童性的虐待の実態に唖然とするやらドキドキ感凄いです。
その行為を行った神父の精神状態は12,13才だと
また独身で居なければいけない(カトリックでしたっけ)の問題も
示唆しながら、虐待を受けた側の証言も見せる!
まさか神父様がと従ってしまう子供を考えると悲惨ですよ。その実態も語られる。
教会側の対応は権力による抑え込み、隠ぺいは恐ろしい、
その場面は過去の出来事からのみでしたが、そこは4人の記者達、弁護士、被害者の話から理解出来、
何故これまで、それを追求しなかったのか?それには数々の理由があるのも分かりました。
2度目―落ち着いて見直しました。
新任の編集長が来て、問題提起され、それからの少人数の記者達の熱意、正義感、報道陣としての戸惑い、
友人との軋轢、人間の尊厳、たくさんの要素含まれていてまたボストンと言う町の特性、家族いろんな事を
ベースに結末に持っていく。一度目は混乱しましたが・・・。2度観は良いですね。
ロビーと友人との会話、又卒業した高校を尋ねた時の相手を説得する言い方、
記者達の数々の取材姿勢素晴らしいです。それと後半の編集長の心に沁みるあの優しさ、
ロビーは後悔しながらも救われた気がしたでしょうね。
その他言葉の重さ、使い方勉強になりましたよ。
最後の場面でアメリカ全土で関わった神父の数、被害者の数、
この行為があった都市を表示するでしょ。えーこんなにと絶句。
報道のありかた
観客もこのスクープの関係者とさせる
人は間違いを犯す
分厚い調査報道
2002年に「グローブ紙」が連載特集で報道した、カトリック教会の司祭による多数の性的暴行事件。アメリカ国内はもちろん、世界中のカトリック教会で同様の事件が起きており、組織的に隠蔽していた事が、この報道をきっかけに明らかになり、今でも追及されている。そのグローブ紙で調査報道を担当したチームの取材過程を追ったドラマが本作である。
多少、報道に携わっている者として、丁寧で分厚い取材過程が描かれていて、とても面白かった。この事件の根深いところは、映画の中で描かれている通り、カトリック教会だけの問題ではなく、地域全体が、性的虐待行為を見逃し、隠蔽に加担していたところだ。それは、報道機関も同じである。そんな中で調査報道を行なった記者たち、そしてそれを記録に残した本作に、素直に拍手を送りたい。
組織的に、あるいはコミュニティ全体で隠蔽された人権問題を、報道が明らかにして追及する事はとて大事で、報道の重要な役割だ。その事を、改めて社会に投げかけている作品だった。
正義感と信仰の葛藤
派手さはないが、見ごたえあり。
映画館で見られて良かった
アカデミー賞作品賞&脚本賞を受賞した今作は実話を元にしたフィクションで、予告や作品の紹介を見てかなり期待して見たが期待以上に良かった!俳優たちの演技も良かったが、脚本と編集が特に良く、テンポが良くてグイグイ引き込まれていき、あっと言う間にラストを迎えた。確かに派手なシーンはなく楽しい映画ではないが、非常に見ごたえがある良い作品だと思う。特に出来上がった新聞が印刷発行されて世に出ていくシーンは興奮した。だいたい予想通りの展開で、最後まで意外なことは起こらないがそれでも素晴らしい映画だった。ただビデオでもう一度見たいかと言えば答えはNO!これは映画館で見たから良かったのかもしれないのでビデオやテレビでは見たくない。でもまだこの映画を見てない人で社会派ドラマが好きな人にはビデオでも良いから見てほしい。
最後に日本のマスゴミ関係者は偏向報道ばかりしていないで、この映画を見てジャーナリズムとは何かもう一度考え直してほしい。
マーク
大分味気ない。世界中のペドプリーチャーが告発される契機になった記事を書いたボストングローヴの記者達の奮闘っていうことなのだけど、別にただ普通に取材してる話。何か危険な目にあったり、妨害されたり、糾弾されたりとかは大してない。記者達は信仰と職業倫理の板挟みになって苦悩する、とかもない。ペドプリーチャーの犯した犯罪も描かれないから、禍々しさも薄め。まぁ描かなくて良いんだけど、ペド神父さんのコワイ顔写真くらいは見せて欲しかった。敵の顔がはっきりしない。それが実話だからというのは、理由にならなくて、単に脚本と演出の問題。警視庁は桜の代紋背負った金看板やbyまむしのゴロ政的に、カトリックはどデカイ会社で、ゴットファーザー3も敵はバチカンにいたくらいで、ロクなもんじゃなくて、教区っていう仕組みとか、その辺りの構造とかをもうちょっとちゃんと描いて欲しかった。漠然と、枢機卿と、その先にある組織全体が敵って話になってるので、色々ボヤけてて今ひとつ。統計的に神父さんの6%がペドっていう、真偽不明なトンデモ情報あり。
信仰とはなんぞや
同時多発テロと同時期にこんな大きな犯罪が明るみになってたとは知らなかったし、カトリック教会が恐ろしくなった。
記者たちが、見て経験した事しか映像になっていないのでよく映画の題材となってる性犯罪や幼児虐待かと軽く見がちだけど、
強大な権力を持った組織が性犯罪を何十年にも渡り隠してやって来たと、もし現場の記者としてその事を知ったならゾッとすると思う。
実際エンドロールで鳥肌がたった。
アメリカ人の生活に信仰と教会がこんなに根付いてるとは思わなかった。日本の神社仏閣とお坊さんとは意味合いが違うのだな気付くまで、早く訴えれば良いのにと思ってしまった。
性犯罪なんて合う確率低いだろと思いがちだけど、デスクが言うようにそうじゃなくて運が良かっただけという言葉にゾッとした。
正義とは
教会という巨大組織に立ち向かう記者たちの姿は実に勇ましく、感銘を受けた。内容は、神父による子供たちへの性的虐待話と、なかなか衝撃的な話であるが、実際の話であるから、さらに驚きだ。本作では、彼らがどのように真実を突き止め公表するに至ったかが描かれており、真実とは、正義とは何か考えさせられる映画だと思う。
しかし、日本人受けはあまり期待できない作品だ。なんせ話題の中心にある教会は、無宗教の人間が多い日本では馴染みがなく、近所にあったとしても作品に出てくる彼らと私たちとでは、教会に対する存在意義があまりに違いすぎる。
彼らにとって教会や神父は信仰そのものであり、信仰とは人生の中核にあるといっても過言ではない。その中核にあるものたちのあまりに酷な裏切り行為。信仰を持つものだからこその衝撃であり、理解することはできても彼らと同じように感じ取ることは難しい。
終わり方がまた良いですね
お前は何をしていたか
全296件中、101~120件目を表示