スポットライト 世紀のスクープのレビュー・感想・評価
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負の連鎖になりませんように
報道の力を描いた映画
記者たちの挑戦
絶対てきなもの。
賞を獲ってるだけあって、良くまとまった映画でした。
安易な性描写もなく、あくまでもジャーナリストの目線で書かれていたのが印象的でした。
子供はなぜ親に虐待されても言えないのか、幼いから、怖いから、逃げ場がないから、助けがないから、たぶんそれでも親だから。それらすべてだろう。
キリスト教徒にとって神父は、親同然それ以上かもしれない、親に替わりがない様に、神の替えなどないのだ。
信者は、神父のすることを非難することなどできるはずもなく、よりその罪は重く、信仰を立場を悪用したその卑怯な手口は許し難く、辛くてたまらない。
今の教皇さまはこの問題に14年たってやっと本気で取り組み始めている。
事実があるなら、神父たちは、自分とむきあってその職を離れて欲しい。
信仰は赦しを私たちに試練として与える。
罪には罰と赦しが必要で、ただ、赦すのは被害者であって加害者やその他ではない。罪があるならきちんと罰を受ける覚悟を持ってもらいたい。
宗教世界を垣間見える
バロン『カトリックのシステムに入っていって組織を揺るがす記事に』
わあすごい映画。『スポットライト』の記者って本物だね。泣けるシーンが何度もあった。アメリカ映画じゃなくてはこの危険に迫る逞しく洞察力のある姿は表現できない気がしたがこれは私の偏見かもしれない。これは本当にあった事件簿だと。ローマカトリック司祭による性的虐待事件をカトリックの組織的に深く追求して暴くから、ボストンに根強い宗教における、カトリック教徒とボストングローブの記者との関係を見ていて考えさせられる。
困ったことは出演者が多すぎて、『スポットライト』のメンバーに新編集長、まではおえるけど、ローマカトリック教会の側と司祭の被害者になった人々やカトリック組織側や弁護士側などで、私の頭は少し混乱した。ちょっと右端にこの人はどこの誰と字幕でも出たらまだ頭の整理がつくんだけどね。それに二時間の映画だからインフォメーションが多くてまご付いた。でも、最後の30分あたりから感激して泣けたねえ。
カトリック教会の司祭によるセクハラはかなり有名で法王も問題解決をするという発言をしているし、度々取り上げられているから内容には戸惑いはなく見られたが、ボストン・グローブ紙の『スポットライト』の存在は全く知らなかった。
心を打たれて泣けたところをいくつか書き留めておく。編集長バロン(リーヴ・シュレイバー)の言葉であり、スポットライト会議でのマイク・レゼンデス(マーク・ラファロ)の感情を丸出しにしたバロンに反対する弁論。司祭による性的虐待の事件数からその隠蔽、処分など事実が分かっているがバロンは司祭個人でなく組織を訴えたいという。
マイクは裁判所から証拠の文書をスポットライトのメンバーに読み上げた。そして、この読んでいる間にももっと司祭のセクハラが起こっている。 だから、この彼が突き止めた事実で十分な証拠だと叫ぶ。スポットライトのメンバーも納得しているようだが、ロビンソン(マイケル・キートン)がバロンはカトリックのシステムに入っていって組織を揺るがす記事にしたいと。一人の司祭のセクハラでなく。このジレンマだけでなく、ハロルド新聞社がこの事件を嗅ぎつけていると。マイクはサーシャ(レイチェル・マクアダムス)の家庭をその夜訪ねて、子供の頃、ローマカトリック教会に通っていたが教会は心の拠り所でなくなり、いつか戻ろうと思っていたけども、戻れないとい心の中を打ち明ける。いいシーン。
ロビンソンはピート・コンリーにユダヤ人のマーティ・バロンを新編集長は長くここにいないよ。ニューヨークに行ったりマイアミに行ったりしてきて、、ボストンも腰掛だよと言われる。そして、でもロビンソンはボストンに根を下ろして、ここのカトリックの共同体の中で生きていくんだよと言われる。目をつぶれ村八分的になるなと含みを込めて?!
マイクはクリスマスの夜、教会で聖歌隊がきよしこの夜を歌っているのを聞いている。ここで歌っている純粋無垢の子供が司祭の餌食になるんだよ思いながらじっと見つめている。 私は思わず嗚咽!!
ロビンソンは『なぜ、司祭のセクハラを暴くのにこんな時間がかかったのか』とある(忘れた)に言われる。グローブに帰ってからも、なぜと。ロビンソンはメトロにいて1993年に虐待を行った20人の司祭のリストを忘れていたことを告白する。しかし、それについて誰一人責めるものはいなく、バロンはスポットライトが今、ローマンカトリックの組織を暴いたことを褒め称える。
字幕で枢機卿法はやめさせられたが、ローマに左遷(??)させられたと!
オスカー受賞作。映画としての素晴らしさもあるが、本作は題材の衝撃度...
ド真ん中、速球ストレート
ぐいぐい引っ張られる
一言「なぜずっと見てなかった私!」。
聖職者の性的虐待という重い話が、ちょっと躊躇してました。
◎よかった点◎
・地方誌の1コラムのチームが、聖職者の事件を追う。
聖職者はすなわち「神」の存在。
その大きな壁を、一つ一つ崩していくメンバー。
それぞれができることを、コツコツ作り上げていく過程が実に興味深い。
・虐待した神父個人単位で取り上げるのではなく。
もっとその上=教会全体を狙う。なるほどなあ。
取材していく過程で、被害を受けた人・教会の内部を知る人。
それぞれの発言や情報をいかに聞き出すか。むむー。
・「記事にするなら、クリスマスが済んでからに」。
速報で報道するのではなく、地元誌ならではの配慮もあったり。
讃美歌が流れるシーンは、ちょっと胸にきました。
・記者達があちこち動き回る中で。
新人の編集局長が、じっくり腰を据えてアドバイス&アシストするのがいいね👍。
△いまいちな点△
・登場人物が多いので、ちょっと戸惑うところも。でも気にせず見れました。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「教会は何世紀もある。新聞が勝てるのか?」
スポットライト
宗教の感覚は日本人には分かりづらいが、自分が信じていた団体があんな酷いことをやっているのを知ったら、怖いだろうということを容易に想像できる。
みんなが知っているのに、世に出ていないという怖さ。
巨大な勢力に真実は隠蔽されてしまうのか。
その真実を明らかにしようと戦い、子供たちを守った彼らは間違いなくヒーロー。
世の中には苦しみを内にかかえて生きている人がいる。
しかし、その苦しみが自分だけではないと知って、真実を話す権利があると知る時に、みんなは声をあげようとする。最後の電話が鳴り止まないシーンでそれが表現されてた。
ロビーの心情に共感。過去の自分の反省から徹底的に追い詰めた。
弁護士という自分の立場がありながら真実を話したジムはもっと称賛されるべき。
理性的な正義
久しぶりに、映画から衝撃を受けた。
社会の問題は、暗闇の中に隠れていて簡単には気付かない。問題に気付いても、根本を暴かなければ小さな記事に終わってしまう。
グローブ社による正義は、情報を集めて裏付けを取り、周りの協力を得ながら問題の根本を探求するという、地道で理性的な行動によって追及された。
記者が枢機卿を追及しようとしたとき、上司は、組織の問題だと言ってさらに探求を続けさせた。
その結果、ボストンの問題だったことが、実は世界中の問題だったことが明らかになった。
そういう理性的な行動が、感情よりも力を持つのだと思った。
この映画は、客に合わせて分かりやすく感情に訴えるのではなく、感情を抑えて事実を描くことで、問題を際立たせている。
こういう映画をこれからも観たいと思う。
真実を白日のもとに・・・
知らない事も罪である
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