スポットライト 世紀のスクープのレビュー・感想・評価
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大丈夫なんでしょうか?
キリスト教ですよね?あの昔からある。
しかもカトリックはローマ法王の方のやつですよね?
これ、大丈夫なんでしょうか?
正直なところ、映画批評する以前にスキャンダルの規模がデカすぎて、引いてしまった。しかもこのボストングローブのスクープが10年以上前の出来事。にもかかわらず、その後、カトリックが大きな痛手を被ったようには思えないし、現実この映画を観るまでこれらの事実を知ることもなかった。
とんでもないことではないだろうか?
しかも、映画終わってからのテロップによれば世界規模のスキャンダルだ。
もう一回言いますが、とんでもないことであって。
この事実が公表されて以降も特にカトリックがどうこうなったという話を聞かないのが宗教の恐ろしさなのか?
そう考えると、この作品がアカデミー作品賞を獲ること自体、すごいことだと思う。映画の題材のスケールが映画を凌駕するという珍しいパターン。
よい映画なのですが
実は、この映画に行く数日前に「祈りのちから」という映画の試写に行き、友人と「ホントに下手な映画やな~」と意見が一致し、出来のいい映画ってどんな映画だろうか、と話し合った。
その時に挙がった「出来のいい映画だったらこう撮るかも」というアイディアが、ことごとく、この「スポットライト」で使われていた。
例えば「信心深いおばあちゃん」みたいなキャラは最後のほうに一瞬しか登場しないし台詞は一言だけ、とか、ラストシーンは「何か始まったとたんにバッサリ切る」ように終わるのがいい、等々。
・・・つまり、この映画は確かに<出来のよい映画>なんだけど、その「良さ」の仕掛けが、読めてしまうんだよなあ~。
いい映画なんだけど何となくレビュー評価が「3プラス少々」で終わっている原因は、このあたりにあるのかもしれない。
良心
衝撃的な事実を暴いた記者たちの地道な努力。
問題が複雑で解決は困難に見えたが、良心に従って行動した人々が
力を合わせてスクープを可能にした。
派手な見せ場は無いが、分かりやすい展開と出演者の演技に最後まで
引き付けられた。
今回"正しい側"に立って行動した人物にも、過去には"あの時こうしていれば
良かったのに"という後悔するべき事があったりして、単純な勧善懲悪ではない
感じがした。しかし他人がそれをいくら責めても仕方がない。今何が出来るかを
共に考え、実行出来た事が素晴らしい。
淡々として丁寧
絶対的なヒーローも悪者もいなかったのが好き。
ジャーナリスト側の命題は"スクープをあげる""新聞を売る"ことだから、打算がちらつくし、被害者の心情に寄り添えない場面もある。もちろんそれだけではなく、悪事を放置したくない情熱も本物なんだけど。
教会は教会で、組織としては完全にブラックなんだけど、一個人に目を向けていくと、そもそも神父が性的虐待を受けていたり、立場上教会を庇わざるを得なかったり、「コテコテの悪人っぽさ」がない。
映画化する時に、もっとエンタメっぽく「正義に燃えるジャーナリストvs巨悪のカトリック教会」とはしなかったところに、丁寧さを感じた。
マイケルキートンは、バードマンが凄く良くて印象的だったけど、今回も良かった。過去の汚点を前に疲れ切って立ち尽くすおじさんの顔が最高。
「教会の恐ろしさ」って実質的な権力ももちろんなんだけど、人の心の拠り所で原点だという点なのかなと思った。主人公が泣きそうな顔で「年をとったらまた教会に戻るものだと思ってたのに」って言ってるシーンが印象的だった。親の汚点を直視するような辛さかなぁ。
ドキドキした。
スクープがどの様に報道されるのかが、ドキドキしながら見た。
実際の記事と報道の様子が、映画に出なかったので、アメリカ社会にどの様な衝撃を与えたのかよく分からなかった。
アメリカ社会では今回のスクープは常識なのかもしれないけど、日本人としてはもどがしさを感じました。
その辺の補足は、パンフレットを読めば良いのだろうけど、売り切れてました…(^^;;
大好物ジャーナリズム魂もの
自分達もその町に住んでいるという目線や葛藤も含めて、正義感だけで気持ち良く解決という訳にはいかない苦悩具合が良い。映画以前に、ベースになってる事実が大き過ぎて、ずるい気もする。欧米ではこの事件はどのように記憶されていて、どのように落とし前が着いたのでしょうか。
魂の仕事
教会関係者が隠蔽していた神父の子供達に対する性的虐待を暴いた記者チームの話。
ここまで蔓延していていたのに公にならないものか。
ネットが発達し、情報がものすごいスピードで広がっていき人々が簡単に情報を得られる時代になった今でも多くの人が未だ知らない重大なニュースはあるのだ。
記者たちがリスクに脅かされながらも魂を込めて全力で調査し、書き上げた記事が発行され多くの被害者の方の救いとなった瞬間、鳥肌がたった。
ストーリー、展開等に迫力はないが観たものにしっかりメッセージを植え付ける映画だった。
『真実を突き止める記者たちの物語』
話しは記者側が教会の真実を暴く過程をメインに進んでいき、教会側の話しはほとんど出てこない。そのため、観客側も記者と同様に真実に少しずつ迫っていくよう感じられる。海外において教会というのがどれほど大きなものなのかは今までたくさんの映画を見てきたからよくわかる。それほど大きなものに闘いを挑む記者は本当に素晴らしい。そしてやり遂げだことは本当に偉大なことで暴かれなければならいものであった。映画は2時間程度だったが常に惹きつけられていた。教会は恐ろしく何でもしてくるからやめとけなど何度も出てきたにも関わらず教会の脅しはほとんどなかったことは非常に残念。教会と記者の対立感というのはあまり感じられなかった。にしても記者のやり遂げたことは映画のラストで感動がある。やっぱりココは海外なんだなぁと感じる。どこにでも汚職はあるわけでそれを真実にしない限り汚職は続く。日本は芸能ばっか取り扱っているように思える世の中であるためこの映画を見て欲しいとも思う。
この映画はそもそも教会の存在がどれほどのものかをわからなければ、ス...
この映画はそもそも教会の存在がどれほどのものかをわからなければ、スクープの凄さはわからないと思う。
多分、日本人には無理。
でも信じてるものに裏切られるつらさ、自らそれを暴くことの葛藤は想像できる。実話なだけに淡々としていて解決もしていないと思うが、この記事で救われた人達が沢山いたんだろうなぁ。
誠実に徹して地味になり過ぎたかもだけど。
地味、なんでしょうね。何かが起きるわけでもなく、事実を時系列でなぞっただけ。
そういわれたら、違うとは言えない。
でも、この事実の重みと、地元紙の記者が、自分の文化の悪しき点を明らかにする苦しみ、被害者の苦しみがよく伝わり、とてもドラマチックだったと思います。
性犯罪の何が辛いって、被害者を責める風潮があることです。誘ったんだろうとかいう声なき声が被害者をさらに責める。
特にこの場合、地域の信仰の拠り所である神父が、尊敬されるべき存在である神父が犯した卑劣な行為なわけです。それを、ノーと言いにくい事情のある子供を選んで、自分の行いが露呈しないように相手を選んで、ことに及んでいたわけです。
被害者は、培った良心から加害者を憎むことさえできなくて、自分で自分を責めて、生きていけなくなった被害者も多い。
生き残った被害者も、未だに、その過去に苛まれている。
そういったことが、強く胸に迫り、怒りと憤りを噛み締めながら見ていました。
教会の過ち、それから黙殺してきた地域の過ちを悔い、正そうとする記者たちの真摯な姿が丹念に描かれています。
無関心でいることや、権威や既存の価値観の見たいところだけを見ていては、自分も誰かの悪魔になり得る。その警鐘として受け取りました。
面白いが、教会の怖さは…?
ストーリーとしてはとても面白いと思った。記者がどんな想いでこの事件を追いかけたのか、性犯罪を神父が犯しているという異常な事態をひた隠しにしてきた巨大な組織と戦う勇気と、それでも真実を暴きだして世の中を変えたいというジャーナリズムのコアを描いていて、感動した。
個人的にはメディア業に携わっていたので、色々考えさせれた。そして、バロンという新局長の静かでもキレ者ぶりに惚れた。あんなトップに来て欲しい。
だけど、
「教会と戦うのは本当に恐ろしい、身のためだ」
という沢山のキーワードは出てくるわりに、脅しが少しあった程度。
特に怖さやハードルの高さを感じなかったし、本当は何があったんだろう。
闇を暴くための地道かつしっかりとした取材は素晴らしかったけれど、立ち向かった組織がいかにリスキーだったのかは、あまり見れなくて残念。カトリック教会に対する信用のためにも、描けなかったのかしら。
しかし、日本という国は無宗教に近いから、信仰心が裏切られることの重大さは自分は理解しきれなかったなあ。
自分達の仕事とは何か
新聞記者としての“仕事”に全力で当たるチームに、じわーっと心が動いた。性的虐待の映像や、加害者の当時の姿がまったく出てこないのが、とてもリアルだった。スピード感あり、派手さはないが、あっという間の展開だった。あと、ボストンって、東京っぽいな、と。
信仰と教会は別
今も多分この問題でバチカンは揺れているらしい。
教師の性虐待とよく似た構造があるが、生死、魂、生き方、価値観、社会化などのかだいでは、信者と家庭ぐるみでより深く関わる聖職者が加害者であり、教会が組織的に隠蔽していた事が重大だ。
時々報道されていたが、映画で見るとリアルさがあり、特にカソリックの伝統の中で育った記者たちが、自分の中の何かが壊れたように感じてしまう所が、しっかりと描かれていた。
現代社会で宗教の果たす役割は、変化してきた。しかし、宗教にしか扱えない大切な問題はたくさんある。
私自身の生活と直接関わる問題というわけではないし、どこまで理解できたのかは心もとないが、何か人の心の深い部分に響く映画だった。
うん、よかった。けど、地味…?
アカデミー賞作品賞の本作品に対する期待はとても高かったことと思う。
正直、私も大変期待して観に行った。
社会派の作品である。
派手さは不要なのだろう。
膨大な資料の調査と粘り強い聞き込みに裏付けされた事実を元に、誰も手をつけなかった火中の栗を拾いに行く果敢な記者たちの根性に熱くなった。
カソリックの信者である多くのアイルランド系移民がいるボストンで、カソリック教会の組織的スキャンダルを暴くのであるから、相当の覚悟も必要だったのだろう。
なにせ「神」を裁くのだから。
記者たちの静かな闘争心に胸を震わせたのだが、最後のあっけない終わり方に肩透かしをくったというのが印象だった。
そこまでの道のり。
第88回アカデミー賞で作品賞と脚本賞に輝いた作品。にしては
地味だなぁ~と思った人も多いだろうとは観ての感想。面白い
面白くないというよりこれは社会問題でエンターテインメント
ではないんだぞというドライな描き方が好き嫌いを分けそうだ。
キャスト全員が助演賞でも良さそうな巧みな演技。事実を公に
するということは地元読者を敵にまわすようなことになろうと、
新任編集局長としてやってきたユダヤ人のバロンはへっちゃら。
「スポットライト」というからには度肝を抜くような記事でなけ
れば、というこの局長の心意気とそれに従う4人の精鋭記者が
へこたれずに地道な取材を続けたからこそのスクープになるの
だが、この児童虐待行為は一般社会に蔓延っている問題の一つ。
カトリック教会にピンとこない日本人でも、いわゆる幼児猥褻
なんていうのがしょっちゅうニュースで報道されているので嫌
になるほど。被害者が声を上げていても隠蔽されてしまう現実。
今作でも以前に被害者側から情報提供があったにもかかわらず、
放置されていた事実が判明する。それを拾い上げる側の態勢が
整い今回のように集中取材に励める環境がなければ、地方紙に
こんな大仕事は資金面でも労力面でも難しいことだろうと思う。
レイプだのいたずらだのがここまで日常的に蔓延っている宗教
を信心していることへの怒りも伝わるが結局は禁欲そのものが
人間の満たされない欲求を妨げ別の方向へ導いている気がする。
告白した神父が「悦びはなかった」と言ったことが印象的だった。
(キートン「ザ・ペーパー」以来の嵌り役。ラファロは今回も熱血)
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