スポットライト 世紀のスクープのレビュー・感想・評価
全363件中、61~80件目を表示
90人ものクソ神父
神父による性的虐待を隠蔽してきた教会のスキャンダルをスクープした、ボストン・グローブ紙の記者の話。
.
性的虐待をしている神父は全神父の6%を占めてるらしくて、この映画の舞台の地域では人数に換算すると90人。こんなにもいて、被害者も多いのにずっと表に出なかったのはのキリスト教徒の多いアメリカの複雑な事情。
.
日本人の感覚だと分かりにくいかもしれないけど、本当にキリスト教を信じてる人にとって教会って神そのものみたいなもん。だからその教会に楯突くことって神を裏切ることになるらしい。
.
日本でいったら寺の住職が子供にいたずらしてたみたいな事だけど、それを公表するからって神様を裏切るって思う日本人はいないよね。そこが文化の違いかな。
.
あと地方の地域だと教会が日本の保育園みたいな存在で、家庭にいろんな事情がある子達は教会が面倒を見てくれることが多いみたい。映画中でもそこら中に教会が出てくるからね。恐ろしい。
.
てかハルクじゃないマーク・ラファロ見たの初めてだな。
この…なんだろう…プリーストの…性癖って…
特定の地域だけでなく、世界的に起きていることが公になった、聖職者の性的暴行事件。
アメリカのメディアが調査を進めて公表しなかったら、今でも触れることさえタブーとされていたかもと思うと、恐ろしい。
しかも、枢機卿が揉み消しに一役買うとか…どうしょうもない!
神を崇める者にとっては、冒涜とも取られかねない(真実を暴く)行為。
真実を求めるジャーナリスト達だったからこそ公に出来たと思う。
元々神なんて酷く恐ろしい存在だし(私は無神論者ですけど)、結局 神に仕えているからどーのこーのじゃなくて、そのことを隠れ蓑にしてレイプするとかただの犯罪集団。
神も仏もあったもんじゃない。
それと、ふと思い出したのがエリザベス女王とバチカンによる大虐殺。
エリザベス女王的な人が、頭のおかしなことをするのは、なんとなく解る?気がするけど、バチカンが一緒になってこんなことするとは…それでも神を信じる人って……。
これぞドラマ。
マーク・ラファロ、マイケル・キートンと味のある役者を揃え、とてもセンシティブなテーマを扱った秀作。凄く盛り上がるというわけではなく、主役とはっきり言える人もいない。それは実話をベースにしているからでもあるだろう。キリスト教が社会の根幹にある国とそうでない国とでは評価が分かれるかも知れない。個人的にはリーブ・シュレイバーの抑えた演技にしびれた。
人生のよりどころと社会正義の狭間
派手なエピソードを期待しているとつまらないかもしれない。
性的虐待自体が、被害にあった方の心を破壊する力を持つ犯罪。
その上に、自分の魂のよりどころ=親や、自分が信仰している神に最も近い立場にある人からの行為。
映画の後半に明かされる母の手紙が、その問題の深刻さを示していて絶句する。
カトリック教徒でない人からすると、たんなる巨大権力の闇を暴く作業であるが、
カトリック信者にとっては、自分達のよりどころに対する戦いでもある。
身近な人々に恨まれ距離を置かれても、成し遂げるべきなのか。
苦しむ人々を見捨てて、自分の保身・安定を選ぶべきなのか。
難しい選択。
たかをくくっていた事件が、徐々にその全貌を現してくる様。
それに伴って、変化してくる担当記者のモチベーション。
信仰と、職業倫理の狭間で葛藤する弁護士。
被害者の想い。
人間模様が丁寧に描かれている。
記者たちは、自分勝手な自己満足の正義を振りかざしているだけではない。
被害者の痛みに寄り添っている姿も胸を打つ。
だからこそのラスト。涙が出てきた。
(プリンセスクルーズ内劇場にて鑑賞)
社会的に価値があるアカデミー受賞
神父の性的虐待を暴いた新聞記者達の実話のストーリー。
実話なので見ている時よりも、見終わった後、特に日が経てば経つほどじわじわと効いてくる映画でした。
後から知って驚いたのは、ウォルター役のマイケル・キートンは本人と数日間過ごし、マーク・ラファロは撮影現場に参加していたマイク・レゼンデスに自身の台詞を毎回口に出して言ってもらいできる限り似せるように努力したそうです。
この作品がアカデミー賞を取ったのは製作者にはもちろんですが、社会的にとても意味があったように思います。
見方を問われる作品。
カトリック系私立に長年通っていたので、この手の話は元々聞いた事があった。
善悪を教わる専門の組織だからこそ、敬う対象でもあり、神に最も近い聖職者の悪事。
淡々と情報収集を続け、徐々に裏が取れていく。
秘密裏に動く新聞記者4人のチーム、各々がなすべきことをフル稼働でこなしているが、過度なチーム!という励まし合いなどなくても信頼関係がしっかり構築されているのが良かった。
聖職者達による小児性愛の隠蔽は、確かに司教区や皇教が組織的に行なっている。
だが、ボストンという街を背景に、沢山の犠牲少年少女たちが出ている状況を、教会だけではなく、街全体=自分達も見て見ぬ振りしているのではないか?これは他人事ではないごく身近に起こっていた事なのに。これを突きつけてくる作品。
カトリックという宗教が当然のように根付いている地域にとって、教会に行き司祭の話を聞いて育つのは習慣であり、教会に携わらずに成長するものは少ない。
作品中に出てくる、地域の野球チームのようなもの。
しかも教会は、人々が心を通わせ共感し支え合い、同じ気持ちを抱く、心の交流の場、憩いの場、許しの場でもある。
誰もが成長し別々の職に就き様々な人生を歩むが、自らの軌跡の中にある、教会を、司祭を、あえて否定し糾弾するのは心理的にも辛い事。同じ街で生まれ育ってきた仲間の人々を否定し、その街に根付く過去を否定するのともニアイコール。
新しく違う街から来たユダヤ系トップだからこそ、目についた事件、大ごとにするのを厭わない姿勢。
それによそ者意識を抱く者もいる中で、真実を大切に報道する責務は同じ仲間、と記者各々が新しいトップを受け入れていた。
記者それぞれも、他人事ではなくこの件を身近に感じショックを受けながらも、記事に向けて調査を進めていく。小さな火種があった時に報じるチャンスを眠らせてしまっていた者、司祭達の弁護を親友がしていた者、子供達も通る近所に司祭のケアセンターがある者、教会に通い続ける祖母に事実を知らせなければならない者。
それぞれが街に住んでいる以上なにかしらこの一件に関わっていて、街に思い入れがあるほど、ショックも大きく、自責の念にも駆られる。
記事の後も同じ街で生きていかないといけない記者達にとって、大スクープの記事を街に投下することは、その後の人生、人間関係にも大きなヒビを入れかねない、生きづらくなる可能性もある出来事だっただろう。でも、全員が被害者の目線を向いて、真実を追求して、記事を公開する方向で奔走していく。誰も抜け駆けや出世を狙うなどの行動のブレがない。
私生活を犠牲にしながらも、真摯に事実に向き合う姿勢にとても好感を持てた。
では司祭達が根っからの悪党かというとそうではなく、禁欲の教えを厳格に守ろうとする聖職者だからこそ、歪みが生じて、身近で大ごとになりにくい少年少女にしわ寄せが行ってしまう。中には司祭自身が被害者だった者もいる。若くから聖職者として勤め、複雑で綺麗ごとだけではいられない思惑が交錯する現実の中に身を置いていなければ、精神年齢が12-13歳のまま成長が止まっていたとしても不思議ではないだろう。まだ司祭自体が大人になっていないから心の綺麗な説法をできるのかもしれないが、身体面の欲求を理性でコントロールできないのではかなり問題。
その問題司祭が、全員の6%にも登るというのだから、これはカトリックという宗教のあり方の根幹を揺るがす大問題。トップが隠蔽に励むのも当たり前だろう。
一方で、記事の事実収集に駆け回っている頃、9.11テロが起こり、多くの人々が教会を必要としていたこともまた事実。
非常に大きな問題だが、だからといってカトリックや宗教そのものを悪とは言い切れず、教会が街に、多くの人々に多大な貢献もしているという、こみいった問題。
ある種、組織の縮図とも言えるカトリックの組織体系。
第三者を入れない閉ざされた組織のあり方、内部の人間だけでは何十年かかってもまず変えられないだろう。
記事を読んだ人々が、記事をきっかけに見て見ぬ振りをやめ、能動的に更なる情報提供を行ったように、この作品を突きつけられた鑑賞者達も、これ以上の子供が被害に合わぬよう、子供を守りながらの信仰のあり方を模索していく義務があると感じた。
事実に基づいた映画
映画の核心部分が衝撃の事実なので
飽きずに最後まで観れるものの
皆早口でストーリー展開も早く
ぼーっと観れる映画ではない。
音楽の使い方、映画の進行具合で「太陽にほえろ」を思い出した。
俳優さん達は上手く演じていると思った。
ペンと剣
宗教的なフィルターによって濁らされた実態に立ち向かうその様は、
かつての時代の騎士のようだった。
剣をペンに持ち替えて戦う現代の騎士。
報道とは本来こうあるべきものであり、有名人のプライベートな話題を追う事は報道とは呼べないでしょ。
隠ぺいする組織はいたるところにある事実。それが教会でも。
新聞記者たちがカトリック教会のスキャンダルを暴いた実話を、トム・マッカーシー監督が映画化。牧師といえども欲望には勝てず、それを組織がらみで長年隠ぺいしていた事実を露わにした作品。非常に面白いが、切なくもあった。
ん?映画なの?ドラマみたい
一人で見るぶんには良いけど、誰かと一緒はオススメしない。ふーん。という感想。元々こういう系に向いてないのもあるけど。。。
ドラマを見せられてる感覚。
飽きたのか疲れたのか途中で大きく溜息をついた。
ボストンだからこその衝撃
ボストンという街は、アメリカの中でも歴史のある方で、嘗ては「ニューイングランドの首都」と呼ばれていたほど、ヨーロッパからの移民が大勢を占め、故にカトリック信者が圧倒的に多い。
そういった環境の中で、司祭、神父の小児虐待の事実、その教会の隠蔽の暴露は、日本でいうと◯◯新聞が信◯町の◯価◯会・・・、この話辞めましょうね。
今まで実話ベースの映画ってあまり面白くなかったから苦手ですが、オスカー脚本賞取っただけあってなかなか面白く観られました。スポットライトメンバーの自宅近くの療養所とか不穏だったから、もう少し脚色しても良かった気もする。
事実とはいえ、これだけカトリック教会と対峙した話をよく映画にしたなと感心。
でも感動したか、というと微妙な話。
ドキュメンタリーに近い。
アカデミー受賞作品で1番面白くないかも
世界各地で起きたカトリック教会の神父達の性的虐待スキャンダルを新聞「ボストン・グローブ」が暴いていくお話。
期待したっす。アカデミー賞作品賞作品だから。
だけど、新しい上司から「深く突っ込んで取材してみろ!」と言われ結果は大規模な事件だっただけ。
作品の深みも何もない、「突っ込み取材したら、いいネタになった」ぐらいの作品でガッカリ。
自分らの過去を反省してもどうにもならんよ。
緊迫感も無く、取材映画であれば邦画「クライマーズ・ハイ」の方が10倍マシである。
(って言ってもクライマーズ・ハイでもドラマ版の方が数倍面白いんだがね・・・)
宗教・性的・虐待など社会性があれば何でもいいのか?アカデミーさんよ。😰
「真実」という言葉の重さ
アメリカで教会を訴えると言うことは、日本で天皇を訴えることと似ている。それでも真実を伝える事に人生をかけて挑む姿が、ジャーナリズム大国アメリカで、さすが。
伝えるのものの「覚悟」が強く伝わって来る作品。
真のジャーナリズム。
記者たちの地道な努力が
教会の大スキャンダルを白日の下に晒した。
ボストン人々にとって神父は神様そのもので、
彼らを糾弾することは信仰を打ち崩すことにもなりかねない。
取材は情報源だけでなく記者自身の心も傷つけるが
それでも第三権力を行使して、
教会の暴挙を止めるため必死に進む。
こういった記者たちの地道な仕事ぶりに裏打ちされる形で彼らの正義が描き出され、自然と引き込まれる。
マークラファロがマイケルキートンに
マジギレするシーンや、
ラストの日曜の電話番シーンは最高です。
全363件中、61~80件目を表示