「登場人物たちの静かで熱い思い」スポットライト 世紀のスクープ Hiromu Amemiyaさんの映画レビュー(感想・評価)
登場人物たちの静かで熱い思い
クリックして本文を読む
地味といえば地味かもしれないが、こういう一つ一つの積み重ねで社会が動いているんだ、と思う作品。
特に「今が大事なんだ」と主張する現場記者と「そうではなく、システムを変えなくてはいけないんだ」と主張する部長とのやり取りは必見。
ともすれば単なるありふれた構図にしかならないかもしれないが、自分が浸かっている社会(宗教的意味で )で、自分が被害者になり得たかもしれない、という恐怖感や、この一分一秒に被害者が生まれているのだ、という焦燥感が見えたのもまたよかった。
自分達が思っていたより遥かに多い被害者・加害者が見つかった、しかし公表後はもっと多くの人たちが被害者だったとわかった。
一番最後の字幕で出た数多くの都市の名前、そしてその数以上の被害者たち。
登場人物たちは何を思ったのだろうか。
喜び、安堵、後悔、感謝、怒り・・・色々なものが連想されたし、「アメリカの、宗教の話だけではない」というのが製作側の意図なのかとも思った。
ともかく、いい作品を見せてもらった。
コメントする