「ボストン・グローブ紙の記者たちに拍手!」スポットライト 世紀のスクープ 瑞さんの映画レビュー(感想・評価)
ボストン・グローブ紙の記者たちに拍手!
昨年度のアカデミー賞作品賞受賞作をようやく観ることができた。実際の話が元になっているということで、興味深く観た。やりきれない事件だが、記者たちが目先の特ダネに走らず、地道に事件の証拠を固めてゆく過程が大変だなと思った。直接記事につながるかどうかわからなくても、とにかく関係者の話を聞いてゆく。時になかなか記事にならないことへの不満をぶつけられたり、自分の家族にすら真実を告げられない苛立ちを抱えながらも、取材を続ける記者たちの姿に心打たれた。相手側の組織の大きさ、事件の根の深さを考えると、とても太刀打ちできないと思うところだが、彼らは怯まず、腐らず、投げ出さず最後まで取り組んでいた。関係者の中には友だちもいたが、その友情にヒビが入るかもしれないのに真実に向かって突き進んでいった。なかなかできることではない。頭が下がる思いだ。記事が出た時は、ボストンからアメリカ中に衝撃が走ったことと思うが、この映画によって世界中の人々に知れ渡ったはずだ。ペンの強さを思い知ったことと思う。
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