「渾身の取材」スポットライト 世紀のスクープ マッターホルンさんの映画レビュー(感想・評価)
渾身の取材
記者としての意地、映画人としての意地が感じられる硬派ないい映画だった。結末は必ずしも、ハリウッド的な爽快感はないけど、けして諦めてはいけないということをしみじみと感じさせるいいおわりだった。
とは言うものの、現実の世界では、事件を揉み消し続けた枢機卿が栄転していると言う、腐敗仕切った教会の風土は変わらないようで、人間の最も汚いところを、これもまたまざまざと見せつけられ、嫌な感じが残る。だけど、これが偽らざる真実であり、そのために今も硬派なジャーナリストやロウヤーたちが、被害者のために尽力してくれていると信じたい。
私になにができるか、そんなことも考えさせられる。
問題点の解決のために、個々の加害者にフォーカスを当てるのではなく、根本的な解決のために、組織としての問題点を浮かび上がらせる、これぞまさにジャーナリズムの真髄。今の日本のマスコミにも是非見てほしい作品だ。
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