劇場公開日 2016年4月15日

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「難しいが考えさせられる。不屈の精神が暴いた驚愕の真実。」スポットライト 世紀のスクープ 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5難しいが考えさせられる。不屈の精神が暴いた驚愕の真実。

2016年5月8日
PCから投稿

怖い

難しい

寝られる

【賛否両論チェック】
賛:強大な権威の下で隠されてきた虐待を、不屈のジャーナリズム精神で暴いていった記者達の根性に、本当の正しさについて考えさせられる。
否:難しい内容の話が多いので、理解出来なかったり興味がなかったりすると、退屈すること必至。性的な単語も結構出てくるので、人によっては好き嫌いが分かれそう。

 地元に深く根付き、信仰者も多数を占めるカトリック教会の不祥事とあって、誰もが薄々感づきながらも見て見ぬふりをしてきた事件を、記者生命を賭けて暴いた主人公達の不屈の姿勢が、淡々とした描写の中で、現実感たっぷりに描かれていきます。変に脚色感があまりないところが、かえって事件の不気味さや底知れなさを際立たせているようです。
 反面、どうしても法律上の手続きの話が分かりにくかったり、同じような取材のシーンが続いたりするので、興味がない人にとってはかなり退屈で、参ってしまうと思います。
 時に逆風にさらされる中でもめげずに、自らが信じる道を進み続けた者達の真実の姿を、是非観てみて下さい。

映画コーディネーター・門倉カド
JUNさんのコメント
2024年8月14日

筆者の言っている事はよく分かるが、評価が1.5とはよく分からない。

JUN
Lynkeusさんのコメント
2016年6月9日

賛否両論を記されたレヴュー筆者さんのバランス感覚、好きです。

また、証拠の有無を問うコメント筆者さんの中立性には敬服しました。
加害者にさえも安易に石を投げつけようとはしない、まさに「神に愛され祝される」タイプのかたとお見受けします。こういう人にぜひ裁判員をやってほしい(笑)

・・・さて、この映画において、なぜ「加害者」へのジャッジが一方的で中立の視点が欠落しているのか。
それは、登場人物(実在の新聞記者)や映画の作り手が結局のところ、神を信じているからだと思います。
自分たちは誠心誠意、自分たちのするべきことをする。もしかしたら間違いもあるかもしれない。また、このスクープで多くの人が教会を離れてゆくかもしれない。でも、そういうことは神様が何とかしてくださる、と。
事実、もし冤罪だったら、罪を被せられた無実の神父は更によい神父になるでしょう。なんせ「無罪なのに死刑になっちゃった」イエスが親分なんだから、同じ立場になれておめでとう、です!・・・だから罪を糾弾する側は(悪く言えば)一方的になれる。自分たちの欠陥は神が補って下さると信じているから。
つまり、「不屈の精神」の背景には、「自由にどんどんやりなさい。あとは私が何とするから」と言ってくれる「父」(神)の存在が見え隠れします。
その意味で、この映画は、意外や意外、実に「キリスト教っぽい」映画ではないでしょうか。

Lynkeus
黄金のシュミルノッフさんのコメント
2016年5月8日

皆さんのコメントを見るとカトリック教会への批判が圧倒的だが,この作品を見ただけで,なぜそんな事が言える?冷静にこの作品を見ると,「ボストングローブ社の取材からの主張」しか描いていない。スクープと言うが,どこに「神父達が幼児虐待をした」という“決定的な証拠”があるのか?日本では証拠不十分で起訴もされないのでは?その意味では,描き方があまりにも“一方的”過ぎる。

黄金のシュミルノッフ