偉大なるマルグリットのレビュー・感想・評価
全13件を表示
フランス流、切ない映画
夫を愛し、音楽を愛したマルグリット。
なのに、一番愛してるモノが一番遠い〜。
なんと言う切ない話。
愛しているから、真実に目を背けるマルグリット。
最後の方で、一途に生きるマルグリットに
神の奇跡の様な一瞬が訪れる。
ああ、神様!!
マルグリットの望む形では無いけど、夫は夫なりに
ちゃんと彼女を愛している事も判る。
深いな〜、やっぱフランス映画って。
音痴でも歌手になれるってことか。
自称オペラ歌手のマルグリットは、講演会を開き、自分の歌声を披露するのですが…。
彼女は音痴だったのです。
失笑する会場の雰囲気を物ともせず、大満足で歌い切る姿に唖然…。
誰も本当のことを彼女に伝えられないのは、彼女が莫大な資産を持っているお金持ちだからなのでしょうか?
資金目当ての、嘘で塗り固めるリサイタル。
そこにあるのは、優しさなのか、厳しさなのか。
彼女の可愛らしい性格と、何事にもポジティブに捉える思考能力が、この狂った世界を創り出しているのかもしれません。
意気揚々と歌い上げる大胆さに、誰も突っ込まず、微笑ましい笑顔を見せる人々。
彼らの優しさは、時に残酷です。
最後の最後で、執事見せた勇気ある行動は、愛の鞭だと思いたいです。
現実を受け入れた彼女が、その後どう生きたのか気になるところです。
愛すべきマルグリット
フランスのお金持ち貴族のマルグリット男爵夫人、善意に満ちていてチャリティに精を出している。
歌が大好きなのだが、可哀そうなことにひどい音痴。
誰も教えないので本人はうまいと思っている。
とうとうコンサートをやると言い出し・・・。
私もマルグリットには言えないなぁ。
フランス流、切ない映画
夫を愛し、音楽を愛したマルグリット。
なのに、一番愛してるモノが一番遠い〜。
なんと言う切ない話。
愛しているから、真実に目を背けるマルグリット。
最後の方で、一途に生きるマルグリットに
神の奇跡の様な一瞬が訪れる。
ああ、神様!!
マルグリットの望む形では無いけど、夫は夫なりに
ちゃんと彼女を愛している事も判る。
深いな〜、やっぱフランス映画って。
あのイボ痔
もっとコメディ色全快の作品を想像してたら、流石はフランスとでも言うべき陰湿で悪趣味なジョークとも取れない映画だった。
普通の音楽映画ならクライマックスは圧巻の演奏や喝采が待っているが、ド下手くそな歌と失笑が待っている。
実話を基にしてるらしいが、実に不憫な描かれ方だ(笑)
39
落としどころなし?
予告編の影響だろうか。
もっと明るくコミカルな内容を想定していた。
しかし、調子外れの歌以外はかなりシリアスだった。
ヒロインのおばさんは掴み所がなく、
音痴を承知の上での行動かとも思われた。
しかし、話が進むに連れてそうではないことが分かる。
夫は彼女を怪物呼ばわりで不倫中、
近づいてくるのは金目当てのグズばかり。
唯一執事のみが心から彼女に愛情を持って対応する。
ヒロインの行動は常軌を逸しているが、
その瞳の奥には常に悲しみを宿している。
救いようがない状況の中、
ラストのリサイタルに向け徐々に雰囲気が変わってくる。
夫の愛を取り戻し、周囲の共感を得て、
猛特訓の末に歌も急激にうまくなってリサイタル大成功!
そんな陳腐なラストにはなるまい、と思いつつも、
途中ロッキー的な雰囲気も漂った。
どう落としてくれるのだろう?とワクワク感すらあった。
だが、結局のところよく分からなかった。
あれで落ちたのだろうか。
私はすっきりしないままだ。
宣伝が大ウソ。実際には老人虐待映画
まず大前提として、本作はコメディでは無い。全編通して暗い、陰影の濃い美しい画面作りはさすがヨーロッパ映画というべきか。それだけに画面が深刻になりすぎて笑いどころと言われる彼女の歌唱シーンも笑えない。つまり本作を笑って泣けるコメディだと思って見に行くと手痛い目にあう。
がこれは配給会社の小細工であって映画そのものの落ち度ではない。しかし映画そのものも僕は個人的に気に食わない。フランス人のインテリはアメリカがとても嫌いなのだろう。フランスのアニメ映画ベルディブランデブーでも露骨にアメリカを風刺するシーンがあった、しかしこれに比べればいいほう。
この作品ではフランス人の高邁な精神性がとても好きな人に合うだろう。
今年の自己ベスト10に入る作品かな?
これこそ、映画だ!大いに腹を抱えて笑って、そしてその後、ホロリと泣ける。
映画を観た後は、人生について考える。
愛について語り合う事が出来る作品、これぞ映画の楽しみです!
実在した歌手にヒントを得て創作された作品だと言うけれど、これが例えフィクションであろうとも、観ていて観客を明るく幸せな気持ちにさせると同時に、ヒロインの真摯な生き様とその行動力と勇気に心酔出来る秀作だ。
この映画のヒロインマルグリットとは、有り余る金と貴族の夫と言う名誉も持ち、物語の描かれている1910代の世の中にあっては、当時持てる物の全てを持っていた筈の理想のヒロインだ。
自分の大好きな音楽を利用して、サロンコンサートを日々行い、戦災チャリティーをする事で、社会参加も積極的に行い、当時の上流階級の女性の中に於いては、決して他に類をみない、まるで夢のような理想の幸せな人生を生きていたように見える。
だが、現実の彼女の気持ちは、世間の羨望とは真逆で、孤独と苦しみ人生と言うヒロインの葛藤が克明に描かれていて本作は素晴らしい展開だった。
映画の始まりから終わりまで彼女の陰鬱な表情を捉えている事も印象的だった。
そして映画は、彼女が最も愛し、最も人生に捧げている全ての愛の対象である夫と音楽の才能と言う彼女にとり最も必要不可欠な二つの存在に限って、手に入らない運命にある。
ここに観客で有る私達一般庶民の悩みや、葛藤がピタリと彼女の苦しさと重なる。
マルグリット自身はだが、決して尻込みをせずに、むしろ徐々に大胆に先へ先へとその手を伸ばして行くのだ。彼女自身がその事が最も困難な道だと知りながらも、自己の人生で一番大切な愛を得る為の探求を諦める事はない。その真摯な姿勢が痛いのだが、滑稽な彼女の奇声として表現される事で面白、可笑しく作品として笑える様に創られている。
丁度時代は、劇中でも登場したチャップリンの無声映画全盛時だが、かつてチャップリンは「人生はクローズアップで観たら悲劇だが、ロングで引いて観たら喜劇だ」と名言した。
ヒロインがいくら、生粋の音痴でもこれ程の酷い音痴に本人が些かも気が付かないと言う事はない。
彼女はそれを知りつつも尚、自己の大切な存在を得る為に挑んで行ったのだ。
これこそ、本当の喜劇で有り、悲劇ではなかろうか?
だが、人々は彼女のそんな生き様に影響を受けて変化して行くのだから!
マルグリットの人生に乾杯だ!
彼女の人生に喝采を送りたい!
始まりは若き画家のキリルと新聞記者のボーモンは彼女を利用しようと擦り寄るが、しかし、徐々に彼女の一途な生き方に心を奪われていくボーモンの姿に観客は自分を重ね合わせる事だろう!
ハリウッド映画と違い、フランス映画は、やっぱり琴線に触れる巧い映画が有るものだ!
心地よいオペラを聴こうと思ってはダメ
全編、マルグリットのオンチな歌声でいささかうんざりしました。ハッピーエンドで終わるのかと思いきや、結末がお粗末と言うか、哀れで。自分がオンチである事を終始理解できない?普通わかるでしょ⁉︎ こんな非現実的な設定でありながら、結末が余りにもむごすぎて。
何系の映画…?
この話の顛末、なんか理解不能。
愛に寂しいマルグリットの一途な想いに感動すればいいのか、周りの損得勘定な人々に同調すればいいのか、サイコな執事になびけばいいのか、予想外な展開に放り出された感じ。
音痴だけど人気があったという実在の歌手がモデルらしいがかつての昭和のアイドルみたいなもん?
全編通して主人公の寂しげな眼差しが印象的だった。
全13件を表示