「陸軍という国策映画に込めた本当の母親の心情」陸軍 星組さんの映画レビュー(感想・評価)
陸軍という国策映画に込めた本当の母親の心情
幕末から負け知らずの政府軍。
日清・日露の戦争を経て
日本男児の歩むべき道を描く。
お国の為に死ぬ
その美学と精神
戦時中に製作された「陸軍」のテーマは、日本男児ならお国に命を捧げ、死んで当たり前の精神を謳っている。
物語の後半になって期待していた息子の出兵が決まる。前夜の家族団らん。母の肩を叩く息子がいる。次第に母の表情が変化していくのが分かる。
翌日、見送りに行かない母。
縁側に座り込む長いシーン。
遠くに聞こえる進軍ラッパ。
何かに操られるように歩き出す母。
そして…
この10分間の為だけに
木下惠介監督は動いた。
そう信じて疑いも無い。
淡々と見せた日本男児の精神。
最後に動いた母としての本心。
息子を見つけた母。
同時に勇ましい歌が入る。
行進する息子の姿と笑顔。
対する母の姿は辛く悲しい。
このシーンに何度も泣いた。
※
コメントする