劇場公開日 1944年12月7日

「陸軍という国策映画に込めた本当の母親の心情」陸軍 星組さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0陸軍という国策映画に込めた本当の母親の心情

2024年8月15日
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幕末から負け知らずの政府軍。
日清・日露の戦争を経て
日本男児の歩むべき道を描く。

お国の為に死ぬ
その美学と精神

戦時中に製作された「陸軍」のテーマは、日本男児ならお国に命を捧げ、死んで当たり前の精神を謳っている。
物語の後半になって期待していた息子の出兵が決まる。前夜の家族団らん。母の肩を叩く息子がいる。次第に母の表情が変化していくのが分かる。

翌日、見送りに行かない母。
縁側に座り込む長いシーン。
遠くに聞こえる進軍ラッパ。
何かに操られるように歩き出す母。
そして…

この10分間の為だけに
木下惠介監督は動いた。
そう信じて疑いも無い。

淡々と見せた日本男児の精神。
最後に動いた母としての本心。

息子を見つけた母。
同時に勇ましい歌が入る。

行進する息子の姿と笑顔。
対する母の姿は辛く悲しい。

このシーンに何度も泣いた。

星組