「辻褄合せは理解出来たが…」エイリアン コヴェナント だるちゃさんの映画レビュー(感想・評価)
辻褄合せは理解出来たが…
最近、劇場でロムルスを鑑賞したのですが、色んな過去作へのオマージュが散りばめられていたので、確認の意味も含め、プロメテウスと併せて連続再鑑賞してみました。
劇場公開当時も、レンタルDVDで鑑賞していましたが、細部は記憶から飛んでいたので、今回ようやく後付の辻褄合せは理解出来ました。
ただ、プロメテウスしかりコヴェナントしかり、2001年宇宙の旅の様に、人間とはどこから来てどこへ進むのかという哲学的なテーマを扱うにしては、プロットが短絡的かつ雑な印象ですし、かといって、1作目の様にSFホラーに全振りした訳でもないので、個人的には、どっちつかずの印象を受けました。
元々、1作目を作った時には、ここまでの前設定を意識していたと思えないので、完全に後付けの辻褄合せだと思うので、それなりに上手くつなげたなとは思いますが、だから何?という興醒めした印象を受けてしまいました。
ゼノモーフ(?)も、フェイスハガーからチェストバスターを経て成長するという定石を自己否定して、胞子タイプはバッタみたいに成体で誕生し、その後は急激に巨大化するという設定に変える等、バリエーションは増えたなと思いましたが、特撮ヒーローの変身みたいで、ちょっと失笑してしまいました。
また、1作目のプリクエルという設定ですが、本作で宇宙空間へ放出されたゼノモーフと、1作目でフェイスハガーから成長したゼノモーフは別個体のはずなので、つながるというよりは、過去にアンドロイドがしでかした悪事だと感じました。
また、アメリカ人は直情的(実際は全然そんな事はないと思いますが)かつファンキー(ジャンキー?)な発想で行動するので、嗜めてやりたいフラストレーションを感じつつ、誰にも感情移入出来ないままで観終わってしまいました。
リドリースコット監督なら、アンドロイドの描写ひとつとっても、ブレードランナーの様に、同じ意思や感情を持ちつつも、人造物と有機体でというだけでの格差や宿命など、もっと深掘り出来たはずですが、悪事の根拠はチラッとセリフで喋らせただけて流してしまっているので、動機が殆ど腹落ちせず、内容的には取って付けた様な浅い印象を受けてしまいました。
また、本作のゼノモーフは動きが素早いので、従来のようなパペットではなく、CGだと思いますが、チョロっと登場するモブキャラ程度の存在になってしまっていたのは残念でした。
ロムルス鑑賞後のプリクエル再鑑賞でしたが、ああ、こう繋がっていたのかとは理解出来たものの、それ以上の印象は感じませんでした。