「基本的には楽しめたが、どこか漂うこれじゃない感」エイリアン コヴェナント スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
基本的には楽しめたが、どこか漂うこれじゃない感
何やら微妙に評判が芳しくないようなので、どうなのかなと・・・不安な気持ちに駆られつつ、やや期待値を下げて見てみましたが、思いのほか普通には楽しめました。
でも、ホント「普通には」って感じなんですよね。
良く言えばエイリアンシリーズのいいとこ取りで、ファンにはたまらないシーン満載の映画でしたけど、悪く言えば既視感ありありで新鮮味はあまりなく、無理にこれを作らなくても・・・と思えなくもなかったです、前日譚は正直「プロメテウス」だけで十分でしょと言いたくもなるぐらい、もうお腹一杯と言うか、くどいと言うか、ちょっと飽きてきたと言うか、まあそんな感じで・・・心躍ると言う心境には至らなかったですかね。
勿論、つまらなくは無かったんですよ、単純にSFホラーとしては普通に楽しんで見れたし、普通にドキドキしましたし、一定の評価は十分していい作品だと思うのですが、何でしょうかねぇ、好みの問題かもしれませんが、これじゃない感がどこかにあって、何となく受け入れ難い部分が・・・。
まあこれ言ってしまえばお終いかもしれませんが、エイリアンの起源云々はもうどうでもいい心境に至ってきました(苦笑)
でもまだあと2作続く予定なんですもんね、何だかんだで作られれば見ますけど、今時点ではそこまで見たい気持ちは湧いてきてないかも・・・。
と、いちゃもんばかり書いてますが、B級ホラー的な部分は結構楽しんで見ていたのもまた事実、人間ってなんでこんなにバカなんだろうと、ヤキモキしつつもそのバカさ加減を欲している自分もいたりして、エイリアンに、更にはアンドロイドに翻弄される人間のおバカちゃんな部分はまずまず楽しませてもらいました、この手の映画お約束的シーンも結構好きでしたよ。
お約束と言えばリプリーを筆頭とするシリーズのヒロインはタンクトップでエイリアンと戦うのが定番ですが、本作もまさしく!
ただダニエルズを演じたキャサリン・ウォーターストンに、本作ではそれほど魅力を感じれなかったのはちょっと残念、それとエイリアンとの戦闘シーンが、やや物足りなかった印象で・・・いろいろと哲学的な要素を入れたり、主人公がエイリアンでも人間でもなくなった分、やっぱり何か違う感は拭えなかったですかね。
で、とうとう主人公の位置に上りつめたのがマイケル・ファスベンダー演じるデビッドでしたが、マイケル・ファスベンダーの演技はさすがの一言も、彼を巡る流れが個人的には微妙に苦手な流れで、その分ちょっと私の中では割引要素になってしまったかなぁ、前作でもこうなることは予見されてましたけどね、だけに、更なる続編に対してそこまで期待値が上がってこないと言うか何と言うか・・・。
リドリー・スコットらしいブレードランナー的な哲学が盛り込まれていたので、逆に好きな方はむしろ好きかもしれませんが。
まあ何にしても、溜息が出るぐらい壮大な映像美に関しては文句なしでしたし、サバイバルホラーとしてもまずまずは楽しめました、シリーズファンなら見て損は無い一本でしょう、でも楽しめたけど世間ではあまり絶賛されてないのも妙に納得ではありました。