「オープニングでは傑作の予感してたけどなあ…」大恋愛 osmtさんの映画レビュー(感想・評価)
オープニングでは傑作の予感してたけどなあ…
ロワール川を上空から俯瞰で、ゆっくり捉え、スローなラヴソング(何気に名曲。歌ってたのは妻フロランスを演じ、後に本当にエテックスと結婚したアニー・フラテリーニ)が流れてたオープニングでは傑作の予感だったけど。
ちょっとイマイチだったなあ。
あんなイイ曲、オープニングで流しておいて、ラストの伏線にしないなんて…
やっぱりダメだろ。
あの秘書の子も、如何にもアノ当時の60年代のフランスのカワイコちゃんといった感じだったんで、もっと主人公の妄想の中では、小悪魔な魅力全開でエロく暴走して欲しかったなあ。
やっぱり、この手のストーリーは男が破滅寸前まで、もうイヤ!というほど振り回されないとコメディとして爆笑力がブーストしない。
出来ることなら、洒脱なユーモアと爆笑エロスの化学反応で、ブルジョワ的な倫理観をブッ飛ばして欲しかった。
そして、本物の”Le grand amour”に気付く…
みたいな、そんな流れで観たかった。
というか、本来は、そこを狙ってたと思うんだけどなあ。
おそらく従来のピエロ的な翳りのある笑いだけでなく、もう一歩踏みこんで、ボールドで”grand”な艶笑コメディも構想してたんでは?
でも結局は最後、またもやピエロ的な悲哀感で(ちょっとシツコイ)失笑を誘って、終わってはいたが…
ちなみに、邦題の方は原題のまま『グランド・アムール』で良かったかな(発音的には”グランダムール”かもしれんけど)
grandには、大きいという意味だけが含まれている訳ではないので。
それに、そもそも日本において巷で言うところの”大恋愛”をテーマにしてる訳でもないし。
誤解を招くのは避けた方がイイと思うな。