ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘いのレビュー・感想・評価
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ウクライナ・オン・ファイヤーとセットで鑑賞すること
本作はデモ側に偏ってます。ですが、デモ側からの視点が非常によく分かる映画でした。見て良かったです。
ただし、本作とともに、オリバー・ストーン監督のウクライナ・オン・ファイヤーも見なければ、いまのウクライナの全体像はつかめません。
私は両方とも鑑賞して、ようやくウクライナ情勢が客観的に理解できた気がします。
この作品だけを見てすべてを判断するのは大変危険だと思います。
香港デモもマイダンと大変酷似しており、このような悲しい事態は誰かに仕掛けられている可能性が非常に高いのだと、両作品から気付かされました。
犠牲になるのはいつも現場の市民や組織の末端の人々。この犠牲を国家や自由のための犠牲と美化したり、英雄視するのはどうかと思います。命が一番大事。
そして、それは仕掛けられてる可能性をいつも頭の奥に置いておかなければ。なぜこのような自由のためのデモでの悲劇が、世界中繰り返されているのか。それはこの作品だけを見ても分からないと思います。
次へ生かすために、両サイドからの視点から冷静に見ないといけないと感じます。ぜひウクライナ・オン・ファイヤーも両方セットで鑑賞しましょう。
ウクライナの人たちが強い理由がわかる
ロシアに通じていた大統領の辞任を求めて人々がデモをすると、機動隊が出動して内乱のようになる。
機動隊に警棒で殴られて倒れると、その後から追い越していく機動隊全員に殴られるのがひどい。その場面だけで数えきれないほど殴られて最終的に4人に囲まれて滅多打ちされる。さらに機動隊は実弾を撃ってきて、殺しにかかる。同じ国民同士でひどい。
それにもへこたれず更にヒートアップしてデモが盛り上がる。そうして大統領に明日の10時に辞任しろとアジると、午前5時に大統領が逃げ出す。ウクライナの人々はそうして自由や民主選挙を勝ち取ったのだ。だからこそ、現在ロシアに変な政権を作られそうなこと猛烈に抵抗している。
それに比べると日本は、戦前から民主選挙はあったようだけど、本格的に始まったのは戦後アメリカに占領されてからだ。韓国やウクライナのように自力で勝ち取ったわけではなく寂しいところだ。
政府がヘルメット禁止の法案を通して、人々がヘルメットの代わりに鍋を被っていたのが面白い。
自由と尊厳を求めて命を賭して戦うウクライナの人々の93日間を見つめる迫真のドキュメンタリー
2013年11月、当時の大統領ヤヌコーヴィチが欧州連合協定の調印を見送ったことに抗議する学生デモから次第に拡大し大量を死傷者を出しながら93日間続いた政府と国民の戦いを見つめる作品。ウクライナ独立後に生まれた子供達が求める自由を力ずくで鎮圧する警官隊に対して、オレ達の子供達に何をしてくれてんねん?と大人達も立ち上がる。あくまで平和的に自分達の主張を政府に伝えようとするが自分達の指導者であるべき野党の指導者はへっぴり腰。そうこうしているうちに議会はデモ鎮圧に利する悪法をシレッと承認し、国民は法律で禁じられたヘルメットを捨て鍋を被ってデモに参加する・・・もう最初から最後まで涙で画面が掠れっぱなしの98分間。
7年前の作品なのに最近まで存在を知らなかったのは地球の裏側にいたからとはいえ不徳の致すところですが、本作が今注目されているのはウクライナ国民がいかにして自由と尊厳を手にしたかを知ることが出来るから。そこを押さえると自ずと我が祖国のメディアでテキトーなことを抜かす屑タレントの言動に対して改めて激しい怒りが湧き上がってきますし、ロシアにしろ中国にしろブラジルにしろハンガリーにしろ我が祖国にしろ、民主主義に唾を吐きつける政府が最も恐れていることは何かということは我々もしっかり胸に刻んでおく必要あり。そういう意味で今まさに観るべき作品かと。
ウクライナに栄光あれ
2022年3月18日現在。
ウクライナ全土にはロシア軍が侵攻し、多くの犠牲者が今尚増え続けている。
この状態で見るにはあまりにも辛すぎるドキュメンタリーだった。
約10年前。
当時のウクライナの若者達は、腐敗した政権を転覆させ未来の為に血を流して自由を勝ち取った。
しかし、勝ち取った自由の代償が現在の惨状なのだろうか。
だとしたら余りにも残酷すぎる。
では傀儡政権に甘んじていたらこんな事態にはならなかったのか?
革命は起こすべきではなかったというのか?
そんな事はないと思いたい。
この革命に参加した多くの若者達が今どうなっているのか、そう思いを馳せるだけでも胸が締め付けられる。
現実は残酷だ。
だが、10年前に市民を弾圧した警察が、今はロシア兵を相手に国民を守る為に奮闘しているかもしれない。そう思うと、絶望の中にも僅かな希望を感じる。
人間は変われる、そう信じたい。
民衆を虫けら扱いした警察隊が、今ロシア相手に戦っている
NetFlixありがとう、こんなドキュメンタリーがあったなんて、そして世界に発信していただけたこの配信に感謝。
今、ウクライナで頑張っているゼレンスキー大統領の誕生以前、2013~14の厳冬、大規模な公民権運動から治安部隊との激しい衝突へと発展した93日間の最前線でのドキュメンタリー。第88回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた事実をまるで知ろうとしてなかった自分が恥ずかしい。とは言え今この時にNetFlix開いたら最初の画面に配して頂いたからこそこうして鑑賞出来たのですから、重ねて感謝です。
戦いは当然に一般市民VS警察機動隊との内戦、完全ロシア寄りの
ヤヌコーヴィチ大統領による悪政に反発する民衆蜂起、その真っ只中にカメラは入り決死の撮影を敢行、もう殆ど戦場の中に終始おかれる。当然に鎮圧隊としてのベルクトと呼ばれる機動隊もまたウクライナ国民。なのに信じがたい程の極悪非道、民衆を鉄のこん棒で滅多打ち、完全に殺人鬼と化す。体制の命令一つでこんなにも人ってのは残忍になれるものかと恐怖しかない。しかも相手は同胞ですよ、やがて鎮圧のためのゴム弾も言い訳で、実弾を平然と民衆に発砲。画面には本物の死体が無残にも写り込む、民衆側のみならずベルクト側の死体も。もはや胸がはち切れんばかりの激情が我が身を貫く。
全編すべて戦闘、これをゼレンスキーの時代になって回顧する夏の涼風吹く証人達の姿を挟み込み、刻一刻と変化する戦況を解説する構造。そして遂にヤヌコーヴィチが逃亡し、近々の大統領選挙開催が決められ、この戦いも終結する。喜びに安堵する民衆が誇らしい、けれど8年後にロシア侵攻なんて最悪の悪夢が待っていようなんて彼らは知る由もない、この無残。もとより西側に傾くことを恐れるロシア・プーチンの傀儡であったヤヌコーヴィチは、ロシアに亡命し当然にプーチンがかくまっている、今もロシアでぬくぬくと居る!
そして今、ベルクトは一旦は解体されたが、多分に隊員達は軍隊に吸収されたであろう、あの残忍な奴等がロシア兵相手に戦っているのは間違いない。この不条理が現実に起きている事実を受け止めなければならない。すべてはロシアの意向に振り回されるこの無力感。ウクライナはヨーロッパと連呼する国民の意向を完全に無視するロシア、地政学的に不運な立場ではあるが、決めるのは「民」のはず。狂人プーチンを阻止することの出来ない組織に人間の無力を痛感する。
いつかゼレンスキー大統領を映画で描く時が来たら、是非ともキャスティングはジェレミー・レナーにお願いしたい。
今だから見る
戦争が始まってしまっても
何も出来ないどころか
何もわかっておらず…
ウクライナのこれまでの歴史を拾い読みしても
何ひとつ掴めなかった………
でもこのドキュメントの映像でウクライナ市民の様子を見ると、つい最近まで政府に翻弄され
自由と正当を勝ち取るために多くの犠牲者を出させられた…
国の指導者とされる人物たちはロシアに繰られていたのか甘い汁があったのか、それとも脅されていたのか
ロシア派は確かに存在するけど
ロシアの傀儡になった暁には豊かな未来があるのだろうか?
大多数が自国のウクライナの自立を望んでいるのだろうに
大切な文化や歴史が壊されるのは本当に酷い
貴重な映像をドキュメント映画という形で
Netflixで見られて…なんてお手軽なんだろ
平和で幸せで何の役にも立たず娯楽の一環で客観視する自分を軽蔑する
わずか10年前にウクライナで起こった、20世紀の出来事のような蛮行...
わずか10年前にウクライナで起こった、20世紀の出来事のような蛮行。
プラハの春を思い出す。国家が着る服がオシャレっぽく変わっても、中身は同じファシストなロシア。
いみじくも今日、また、その本性を現して、ウクライナに侵攻。
暴力は、最後には滅びることは、歴史が明らかにしてるが、懲りない人類。
ユーロマイダンとは何だったのか
2021年5月16日
映画 #ウィンター・オン・ファイヤー:#ウクライナ #自由への闘い (2015年)鑑賞 @Netflix
アカデミー賞ドキュメンタリー長編賞ノミネート作品
ウクライナの首都キエフで2013年に起きたデモ活動 #ユーロマイダン を追った作品
デモは成功したけど、#プーチン がクリミア半島を併合を蛮行
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