「CGは本当にすごいのに…」GANTZ:O ナブラさんの映画レビュー(感想・評価)
CGは本当にすごいのに…
公開日に観てきました。元々、原作のファンです。大阪編はホスト侍を始めとする、前の章から視聴していないと伝わりづらい設定がある為、新規にどう見せるのか気になっていましたが、設定の改変は許容範囲です。とにかくCGは凄まじいです。スタッフの方の執念を感じます。スーツの質感、レイカの下乳(笑)、天狗、ぬらりひょんの造形など、絵の説得力があります。あまり評価の高くないTVアニメに比べ、絵に吸引力があり、世界観にスムーズに入り込めました。
しかし、脚本と演出の既視感がとにかく目につきます。規制の関係上、仕方ないところもあると思うのですが、こちらはエログロを観に来ているのに、前菜以降、違う種類の料理を挟まれたような気分です。最近の原作有の日本映画の悪癖である500番煎じくらいの安っぽいセリフ回しのドラマ部分を長回しで何度か観させられます。結構前の漫画なんだから、演出は控えめくらいが丁度いい塩梅ではないでしょうか?2時間以内にエモーションのピークを作る為にはこうせざるを得ないのかもしれませんが、どのみち既視感がチラついて大して感動できないんだから、この時間を原作のシーンの再現にもう少し割いて欲しいです。気に入ってるシーンが削られ過ぎていてガッカリしちゃいました。あと、玄野の声優は梶さんじゃないんじゃないかな?(笑)梶さんの声は好青年感があり過ぎて、元ゲスの玄野の声にはちょっと違和感があるかなぁ。
CGには100点を出したいんですが、原作愛故、上記の点で、少し減点です。原作をそのままやってくれたら100点だったのに…。しかし、今回CG制作に携わったスタッフの方には本当に感謝です。戦闘シーンだけでも、劇場で観る価値は充分にあります。オススメです。