「語り継がれ、歌い継がれる」美女と野獣 空猫さんの映画レビュー(感想・評価)
語り継がれ、歌い継がれる
古典の完全なるリマスター。さすがディズニー、本作をもってディズニーの歴史を将来にわたって半世紀分くらい確実に保証したと思います!
素晴らしい技術の結集に、博物館にいるような気分でした。
画面の情報量が多くて、リピーターが増えそう。特に次のアカデミーのコスチューム部門は決まったと思います。ミュージカルもテンションあがりました。
もっとリアルにできるだろうCGもろもろの技術を、1991年アニメーション版の世界を飛躍させるためにあえてチューニングしたようにも感じます。
額に収めたいくらい完璧な映画でした。
しかーし、それがためにストーリーがやはり21世紀には共感しづらいものになっていて。
私にとってはキャラクターみんなに共感できないという致命傷を与えられました。アニメーションにない、王子が魔法をかけられた理由を冒頭にもってこられたので、終始、この城のみんな信頼できない…という感覚がつきまとい、ハッピーエンドにも眉唾。
25年前に繰り返しVHSでアニメーションを見た私にとっては、本作で新たな感動をすることはなかったかも…
レミゼラブルやララランドでフレッシュなミュージカルを経験したばかりで、素晴らしいミュージカルシーン(オマージュがたくさん!と評価されていた)を古典的に捉えてしまって当たり前に観てしまったのは、贅沢な感覚なのかも?
とはいえ、今小学生くらいの子たちが「美女と野獣」を本作で初めて知るのだと思うと、新しい歴史が刻まれたのだなという感慨が深くなります。
劇場で観ることは必須だと思います。