「キャプテン VS アイアンマン…?」シビル・ウォー キャプテン・アメリカ alalaさんの映画レビュー(感想・評価)
キャプテン VS アイアンマン…?
皆さんおっしゃる通り、完全に『アベンジャーズ』シリーズに吸収されちゃった感満載。笑
いや、一応キャップ主人公で、キャップに都合の良いように(?)話が進んでいく辺り、『キャプテン・アメリカ』シリーズではあるでしょうが…でも登場人物増え過ぎて「え、しゅ、主人公どこ…?」となるシーンもちらほら。
(超適当な)あらすじ:
戦いの最中誤って大事故を起こし、死者出しまくったアベンジャーズは、偉い人の話し合いで「あいつら強いけど諸刃の剣すぎて制御しないとヤバくなーい?」とヒソヒソされ、組織に属し命令に従って動いてほしい国連から「今後は俺達が管理するから同意しろよオラオラ」と脅される。トニーはちょうど別件で「オメーのせいで自慢の優しい息子が死んだんじゃボケ」と知らんオバハンに(精神的な)ワンパン食らわされてションボリした直後だったので「ハイハーイ僕は言う事聞きますよ」。対するチョイ悪キャプテン、「僕は自分でやったことは自分で責任取りたいのでオメーの言うことは聞かねーよハゲ」。ピリついたところにブラックパンサーのパパ暗殺事件発生、何の確認もせずお偉いさんとパンサーは「パパを殺したのはキャプテンの旧友バッキーだ!顔似てるし絶対そう!アイツ殺せ!」となるが、事実かどうかも怪しいし前作で助けられたため記憶が戻ってきてるのでは、と考えたキャプテンはヤンキーと化し、仲間の反対を押し切ってバッキーを探しに出て行ってしまう。反逆者となったキャプテン派は全員ヤンキーと化し、思想も何もなく不安で寄り集まっただけのグダグダアイアンマン派VSお頭の思想に一生ついていく所存のヤンキーキャプテン派で内紛が勃発し…
うーん…レビューを見てると、結構キャプテンが自分勝手、アイアンマンが可哀想って意見が見られるんですが、自分は…全くアイアンマンに肩入れできなかったですねぇ。
少なくともキャプテンが友達のためだったり、人のために自分がやるべきことを模索し、今やれることをやりたいという意志を見せるなか、アイアンマンは常に感情に流されっぱなし。啖呵切った割に「僕正しいのかなぁ、これで良かったのかなぁ」とあっちへフラフラこっちへフラフラ、オメーはボーフラか!
政府命令にすぐ同意したのも、オバハンに息子の件で喝入れられた影響なのは明白だし、かと思えばキャプテンが旧友のために行かねばと言ったら「僕も友達じゃん~(´;ω;`)」と泣き言。キャプテン派を捕まえたは良いけど牢屋に入れられた仲間を見てショック!「僕ほんとに正しかったのかな~」と泣き言。戦っては泣き言。最後もブチギレてキャプテンの親友を本気で殺そうとしたせいで、びっくりしたキャプテンに半殺しにされて大ショック。アイアンマン、外見は鋼のようなボディなのに、ハートが濡れたトイレットペーパーくらいの耐久力しかないからなぁ。あ~~~ぁ。可哀想っちゃ可哀想だけど、赤ん坊の癇癪みたいで全然同情できないんだよなぁ。
キャプテンは、血清を打つ前から既に自分の信じる一本筋が決まっていて、いつでもそこからブレないし、だから周りも納得してついてくる。「あの人はきっとこういう時こうする」とわかるから。キャプテンはハッキリと「今はこういう状況で、自分はこう思っていて、こうしたい。だから自分は行く」と明確な目標を掲げ、それに同意した仲間と共に信念を持って出て行くから、上手くいくと良いね!と思えるし、見ていて安心する(というかこれがキャプテンが自然とリーダーになる一番の理由ですよね)。しかも後から仲間になるアントマンにも、「君も追われることになるぞ、本当に良いのか?」とちゃんと訊いてくれるんですよね。多分、「やっぱ無理」と途中でビビって抜けても彼は責めないでしょう。社会的には大罪でバッシング受けまくって、最終的に反逆者として付き合わせた全員で最悪の事態になるかもしれないことも、友達を諦めきれない自分の我儘に付き合わせている自覚もあるので。
アイアンマン派はそもそも思想に賛同して残った…とかでなく、それぞれ「今政府に逆らったら面倒なことになるから表向き大人しくしとこう」とか「信用を得てからじゃないと話も聞いてもらえない」とか、そんな感じ。別にアイアンマンを慕って残ったわけじゃないから心もバラバラ。リーダー格であるトニーもネガティブな理由で政府に従う道を選んだせいで、ずっと「自分は正しかったのか?」と不安に苛まれることになる。単純な話、人を率いる能力がない。リーダーの素質ねぇーなー!と逆に笑えてきてしまった。ていうか別に本人はリーダーなんて一言も言ってないのに、いつの間にか祭り上げられてるトニー。笑
そして今作最大の疑問だったのが、偉そうに「俺達が管理してやるからよ~オラオラ」って首突っ込んできた国連って『アベンジャーズ』の時チタウリやロキがニューヨークでヒャッハーしてた時何してたんですかね。何もできなかったんですかね。じゃあ何でそんな無能が曲者揃いの能力集団アベンジャーズを管理できる気でいるんですかね。
………いや~~~やっぱ自分キャプテン派っすわ~~~~一生ついてくっすわ~~~~。
というか上で「僕も友達じゃん~(´;ω;`)」って台詞書きましたが、キャプテンとアイアンマンって友達だったんですね(今更?)。
確かに命を懸けて一緒に戦った仲間ではあるけど…友達?あんなにキャプテンに対して煽りプレイして散々イラつかせてた奴が何言ってんだ?????と一瞬割と本気で首を傾げました。友達…悪友みたいな意味で言ったんですかね…?仲間としての息は合うようになってたけど、人としていつの間に分かり合ってたっけ???ゴメン、全然記憶にない…どっちかっていうとキャプテンはナターシャとの方が分かり合った描写あったよね、前作辺りで。
トニーとバッキーなら間違いなくバッキー取るだろって自分の中ではもはや常識レベルで信じ込んでいたので、アイアンマンの泣き言に結構驚きました。友達…?(ほんとごめんトニー)
幼少期からずっと弱い自分の傍にいて守ってくれて、超人になっても変わらない態度で接してくれて、漸く肩を並べて戦えたと思ったのに、自分は肝心な時に守れず死なせてしまった。目が覚めたら知ってる人はほぼ皆死んでて、年老いたペギーも目の前で亡くなり、昔の自分を知る人が1人もいなくなったなか、死なせてしまったと思ってたかつての親友が生きてた!しかも記憶も戻りかけて苦しんでる!今度こそ助けたい!
こんなに思い入れのある親友と、一緒に数回戦っただけのアイアンマン…?え?全然肩並べられてないよ?大丈夫???と思ってしまって…
…いやマジで酷いこと言ってるな、自分。
でもこれ、観てる側の視点であって、現代の仲間はこういうキャプテンの心の内なんかはほぼ理解できてない設定なんでしょうか。
「僕も友達でしょ(´;ω;`)」の何に苛つくかって、そういうところに気付かないくせにちょっと力を合わせただけで「お友達」気分になってしまうところ。キャプテンとは生きてる時代が違うって、忘れてるのか?大事な物を全て過去に置き去りで、空っぽのまま「祖国のために戦う」という当初の意思だけで自分を保ってることも、キャプテンを支えるものは何もないのにキャプテンは国や仲間を支えてることも、多分考えもしないんでは…?ほっときゃ勝手に適応するだろって感じで。
トニーは45歳を超えるかどうかくらいの設定らしいけど、キャプテンは爆睡して70年寝過ごしただけの30歳前後(初対面の時が確か27歳くらい)であって、トニーにじいさん扱いされるほど人生経験詰んでるわけでもなし、それであんなしっかりしてるのに、対するトニーが無神経だし子供っぽ過ぎて何だかなぁ。
最初アイアンマン側だったナターシャが最終的にキャプテンの方へ行ったのも、キャプテンの心情を少なからず理解してたからという理由もあるんだろうと思います(ナターシャだけがペギーの葬儀に参列するキャプテンを見ており事情も知っている)。
間違いなく「現代の中では」理解を深めた仲間といえるんでしょうが、どうも自分には、じいさんじいさんからかう割に、トニーが「キャプテンは今も過去に生きている」という事実をまったく無視している(あるいは気にも留めてない)ように見えて仕方ないんですよね。
そもそも自分の時代じゃないのに引っ張り出されただけで、現代の仲間とどんなに分かり合おうが、少なくとも今はまだキャプテンにとって「本来の居場所はここじゃない」わけで…サムやナターシャがキャプテンを気に掛けるのは、キャプテンが普段見せないそういう繊細な部分を感じ取っているからかなと。感じ取る以前にナターシャは裏の資料で把握してそうですが。
他キャラはそこまでキャプテンに深入りしてる描写がないので、理解してなくても話の都合上別に構わないのかなと思いますが、トニーに関しては自分から「僕も友達だ」と言い出した割に「お前そんなに気にかけてねーじゃん」という白けた感情だけが残ってしまい…えっ、急な友達ヅラ!と結構衝撃度高かったです。
どっかでめちゃくちゃ友情深めてる描写あるのに、自分が見落としてるだけだったらだいぶ申し訳ないくらいディスってしまいましたが…
メインがキャプテンとアイアンマンの対立!という作りなのでキャプテンとアイアンマンに主に焦点を当てて語ってしまいましたが、後で仲間になるアントマンとスパイダーマンのおかげで、そこまで陰鬱な雰囲気はありません。仲間内の戦争ってどんだけ暗い話なんだろう…と思って自分は前作『ウィンター・ソルジャー』を見た後、暫くこちらに手が出ませんでした(^^;
アントマンのお喋りやボケがとにかく軽妙で面白く、「それぞれの正義に悩みながらも仲間割れする」という極めて重いテーマの今作ではだいぶ良いスパイスになっていたと思います。自分は特にアントマンに思い入れはなかったのですが、今作でかなり見直しました。
スパイダーマンに関しても軽妙なトークは同様で、女性人気の高そうな良い子そう&可愛らしい顔立ちですが、初顔出しの割にちょっと印象が薄すぎたような…?
大人の都合ですが、ディズニーとソニーで権利を共同で持ちましょうということになった(んだったかな?)スパイダーマンが、今作から満を持して『アベンジャーズ』シリーズに参加できるようになったぞ!!とファンからも物凄く期待されていたので、結構活躍するのかな?と思いきや、もちろん活躍はするけど思っていたより地味で、自分はあまり記憶に残りませんでした。まぁ、本作のメインじゃないしと言われればそうなんですが。
でも自分が今作で一番気に入ってるギャグは、ファルコンがブラックパンサーに向かって「猫好き?」って訊いてキャプテンに怒られるところww
これは間違いなくマイベスト!「だってあの格好見たら気になるだろ」って確かに気になりますけど今あなた連行されてるんですけどw
あと、キャプテンに憧れまくってるアントマンとキャプテンが初顔合わせの時、握手したらいつまでも手を離せない…っていうガチオタアントマンに対し、無言のキャプテンの顔が完全に「ウワァ何この人ヤダー」って感じでなかなか面白い。笑
キャプテン役クリス・エヴァンスの顔芸(演技って言えよ)、地味に好きなんですが演技の評価あまり高くないのかな…?いつも他の俳優に埋もれてるような。「この人はここが凄くて、あの人もこれやらせたら一流で…あっクリスも凄かったよお疲れ」みたいな。悲し!
まぁそれは置いといて、今作は少しでも明るい雰囲気がないと見続けるの正直キツいですが、シリアスの邪魔をしない素晴らしいタイミングで突っ込んでくる小ネタやジョークがとても良かったです。
こういう「暗くしすぎない」映画はディズニーの得意分野ですね。シリアスな場面ではきちんとシリアスを貫き、かつ暗くなりすぎないところで適度にジョークを入れる、このセンスの良さ。毎度ダラダラ長文レビュー書いてる自分にはリスペクトしかないっすわ…
映画のレビューっていうより7割くらいはアイアンマンとキャップの関係性についてガタガタ抜かしてしまった。申し訳ない。