劇場公開日 2016年12月10日

「仕事への情熱と人との絆」海賊とよばれた男 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0仕事への情熱と人との絆

2017年1月6日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

原作は読んでないので、原作のよさが生かされているかどうかはわからないですが、本作だけでも十分に楽しめると思います。出光興産創業者がモデルのようですが、このような人生を歩んでこられたのかと、とても勉強になりました。また、女性の目にどう映るかはわかりませんが、働く男としてはとても魅力的に感じました。少々強引でワンマンな気もしますが、従業員を家族同然に愛し、苦楽を共にする姿勢は簡単に真似できるものではありません。だからこそ、全員から全幅の信頼をもって「店主」と慕われていたのだと思います。旧海軍のタンク底をさらうシーンは本当に泣けました。ラストの黒木華さんとのシーンも、思い出しただけでも胸にこみ上げて来るものがあります。

とにかく岡田准一くんの演技がすばらしく、血気盛んな青年期、仕事に没頭する壮年期、経営者としての責任と貫禄の漂う円熟期、静かに人生を振り返る晩年までを演じ分けています。そんな岡田くんを支える形で、吉岡秀隆さん、染谷将太さん、鈴木亮平さん、綾瀬はるかさん、堤真一さんら豪華俳優陣が脇を固め、まったく隙はありません。

また、焼け野原となった市街地、タンカーの進水式、機関車の走行テストなど、舞台や背景がきっちり描かれていることで、当時の雰囲気がとてもよく伝わってきます。日本のCG技術もすばらしいなと感じました。

登場するのは男ばかりで、ちょっとむさくるしいかもしれませんが、仕事にかける情熱や人との絆の大切さを思い出させてくれる、とてもいい作品だと思います。おすすめです。

おじゃる