「人生の荒海を生きた海賊の一代記(`Д´)ノ」海賊とよばれた男 マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
人生の荒海を生きた海賊の一代記(`Д´)ノ
今年のお正月映画で「ローグワン:スター・ウォーズ ストーリー」と二分する話題作を鑑賞しました。
「永遠の0」のスタッフが集結し、主演は岡田准一さん。そして本屋大賞の話題の原作と観たい衝動は十二分。で、感想はと言うと、面白いです。見応えもあります。
出光興産の創業者、出光佐三をモデルにして、国岡鐵造の一代記で石油と言う、まだ当時では石炭が幅を効かす時代に未知のエネルギーに先見の明を持ち、時代の荒海と同業他社に闘いを挑んだ人生に血が沸きます。
とにかく、国岡鐵造を筆頭に国岡商店の社員が皆熱い。戦地よりもマシと言う時代のバックボーンがあったとしても、ここまで己の仕事に誇りを持てる事に些か羨ましくも、今の自分の恵まれた環境に不満を持つことに少し恥じたりします。
なによりも国岡鐵造親分がエネルギッシュ。
“愚痴はやめよう”の台詞のもと、生きるために様々な仕事をしますし、“誰もクビにしない”と言うのは今の時代に不似合いな台詞かも知れませんが、こんな台詞らを号令一気に発する親分の下なら支えてみたくなります。
もちろん、その下に頼もしい男達が集まるのを見るとこの辺りは60年代東映やくざ映画の様に仁義と忠誠心の博徒の薫りがしますが、この世代の方々でなくても、何か血が奮い立つ様に感じます。
そんな国岡鐵造を20代から晩年までを岡田准一さんが見事に演じています。
スタッフや原作に恵まれているとしても、岡田准一と言うブランドは今や役者としても確立しているかと思います。
原作の小説や漫画を読んでしまうと、少なからずの不満を持つかと思いますが、よく2時間程度でまとめたなと思いますし、これはこれで単体としても楽しめるのではないかなと思います。
「永遠の0」も感動しましたが、基本的にノンフィクションに近いので、余計な演出が作中少ない分だけ、楽しめました。
また、観たいと思う良作です。