「魅力的なリーダーの姿に感動」海賊とよばれた男 スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
魅力的なリーダーの姿に感動
映画そのものと言うよりかは、主人公・國岡鐵造のリーダーとしての資質に感銘を受けた作品でした。
こんな魅力的なリーダーの為だったら、どんなキツイ仕事でも頑張れそう。
社長ではなく店主と呼ばれていたところなんかも、とても身近に感じれると言うか、妙に親近感が湧くところもあって好感が持てましたね。
社員は家族、家族は見捨てない、今の時代にこんな魅力的なリーダーがいたら、どれだけ素晴らしいことか・・・。
まあ逆にライバル会社達から見れば、これだけ疎ましい人物はいないと思えるぐらい、社員を守る為ならばと結構えげつない商法で業績を伸ばしていったようですが、士魂商才の志を貫くカッコ良さには惚れ惚れとさせられましたよ。
國岡鐵造は出光興産の創業者・出光佐三を描いた人物だそうですが、そう言えばガソリンはほとんど出光で入れたことが無いなぁ~。
この話を知っていれば出光を御贔屓にしてたのに・・・って何やら今現在は某メジャー石油会社との提携話で揉めているようですが、この話を知れば創業者一族が反対しているのも思わず納得ですね。
まあ何にしても、日本人としての誇りを失わず、最後までメジャーと戦い続けた國岡鐵造のその姿は、本当に痺れました!
ただ映画的には、國岡鐵造の魅力はたっぷりと描かれていましたが、ややエピソードを詰め込みすぎた印象で、しかもテロップでその後どうなったかを示す辺りなんかは、見ていて物凄く気分が盛り下がりました。
ここは削るところは削って、しっかりと話を繋げて欲しかったなぁ、NHKのようなテロップ芸はいりませんよ。
まあでも、老年期と青年期のシーンを巧みに織り交ぜて描いているところなんかは、より話に感情移入が出来て、良かったと思いましたけどね。
山崎組の常連を中心とした豪華出演者の各見せ場も、さすがは名優揃いなだけあって、どれも心掴まされる話ばかりで、グッときました、だからこそ削れなかったのでしょうが・・・。
逆に最初の妻ユキを演じた綾瀬はるかの出番は削りすぎだったような(綾瀬ファン目線込みですが)
ここの描き方次第では、最後号泣だったなぁ(とは言え泣きましたけど)
しかし岡田准一の役作りが凄すぎる、さすがに90代は違和感あったけど、60代は全く違和感なし、魅力的なフレーズが本当にたまらなかった~。
欲を言えば染谷将太も見た目的な部分で頑張って欲しかったかな・・・。
まあとにかく、昭和の石油史も知れて、魅力的なリーダーの姿にも熱くなれて、見て損は無かった映画でした。