「蛇足」海賊とよばれた男 uttiee56さんの映画レビュー(感想・評価)
蛇足
企業人の物語のはずなのにまるでヤクザ映画みたいなノリで面白かったが、最後に露骨に泣かせに入る陳腐な演出が入ってぶち壊し。「エネルギーを巡る戦いは今も続いている」のテロップで締めておけば良作だったのに。
本作に限った話ではないが、実写邦画は演出・演技が過剰ではないか。怒鳴れば激情を表現できるというものではないだろう。まして本作は出光佐三という偉人がモデルなのだから淡々と事実を積み上げるだけで傑作になるはずである。
全く同じ時期に、同じ時代の人の人生を、事実の積み上げと抑制の効いた演技で表現した、「この世界の片隅に」という途方もない傑作が公開されていることが、本作にとっての不運というべきか。
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