「シリーズの中でも1,2を争う面白さ」名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア) 桜さんの映画レビュー(感想・評価)
シリーズの中でも1,2を争う面白さ
好きです。ほんとにこの映画は。
勿論公開当時に映画館に足を運び鑑賞したが、その後何度も見ているし、今日また見た事でどうしてもこの魅力を文字に書き起こしたいなと思い、この長々しいレビューを書くことにした。
あらすじとしては、「黒の組織」のアキレス腱とも言えるコードネーム「キュラソー」が、組織の鍵となるデータを入手し、その逃走中に事故にあい記憶を失う。
そしてひょんなことから少年探偵団と出会い、キュラソーは変わっていく。
と、ストーリーとしては単純なもので、そこまでどんでん返しも無く、良く言えばわかりやすく仕上がっている。
私がこの映画をシリーズの中でも随一の名作だと思う理由としては
1、安室透、赤井秀一、黒の組織(ジン、ウォッカ、ヴェルモット、キャンティ、コルン)らが一堂に会する熱さ
2、見応えのあるド派手なアクション
3、終わり方がとにかくいい
4、赤井さんがとにかくカッコよすぎる、、、!
と、この4つがある。
まず1だが、そもそも安室赤井が揃うのもなかなか見れないにも関わらず、黒の組織の主要キャラクターが全員集合しており、さながら「探偵たちの鎮魂歌」のようなオールキャストっぷりで、もうそれだけでファンとしては熱さ全開である。
安室赤井の確執も若干描かれながら、2022年に公開された、「ハロウィンの花嫁」にも出てきた松田陣平も一瞬回想にて写真のみだが出演と、もう最高である。
そして2の話になるが、冒頭からめちゃくちゃなカーアクション、そして4にも通じるが赤井さんの狙撃シーン。
そして終盤のコナン、安室、赤井の天才3人とキュラソーVS黒の組織という、とんでもないカードでのアクションは終始目が離せない展開で、熱すぎた。
3人が頭脳と肉体をフル回転して組織に挑んでいて、もうカッコよくてカッコよくて。
安室さんと赤井さんが殴り合いをするのが見れるのもかなりレアでかっこいいし、一時休戦で共闘する辺りが、悟空とベジータみを感じて最高だった。
ただ、この辺のアクションは、この作品の批判される大きな要素でもあるが、確かに色々無茶苦茶な部分は否めないけれど、劇場版だし、「紺青の拳」や「緋色の弾丸」程は無茶ではなかったかなと個人的には思うし、そんなにいやいやいや、、、とはならなかった。
まぁそもそも今更ここにああだこうだ言うのは全くもってナンセンスなので、「面白かった」か「面白くなかった」
かの2択で十分だと思う。なので今回も面白かったからOK。
そして3、終わり方というか、締め方が綺麗でいいなと感じた。
キュラソーがあの後生きていける筈もなく、組織を裏切った以上、死ぬまで追いかけ回されるか、小さくなって存在を消すかの2択となるわけなので、あの展開は容易に想像出来た。
それでも、今までずっと組織に尽くしてきたマシーンにも近いキュラソーが、子供達との「友情」に生涯を捧げる。そして体に鉄骨が刺さりながらも、止まれと叫び、その身を投げ打つ。それだけでもグッとくるものがある。
そして、それを知るのはコナンのみという展開も良き。
彼女の遺体から零れ落ちた少年探偵団とのお揃いのストラップを見て、「これはまさか、記憶媒体!?」と公安がなる中、
「いや、『記憶』じゃない、『思い出』だよ。もう黒焦げになっちまったけどな。」
のセリフのなんてかっこいい事でしょうか。。。からのB’zのエンディング!
めちゃくちゃ綺麗じゃないですか????
からのエンドロール後、何故キュラソーが組織を裏切ったのか、灰原哀ちゃんとの会話でまたコナンが一言
「もしかしたら、あいつら(少年探偵団)が変えたのかもしれねぇな。最後の最後で、彼女の色を」
おいおいおい、カッコよすぎませんか?
キュラソーの記憶媒体の思い出し方であり、この映画のテーマである「どんな色にでもなれる」キュラソーという存在を、こんな粋な言葉で締めるかと。
本当に脚本家は上手いの一言。
最後に4、もうね、「緋色の弾丸」よりも赤井さんは狙撃してるし、ラストの狙撃である「堕ちろ」がカッコよすぎるんですよ。
あのシーンだけでご飯3杯いける。
とにかくアクションもさることながら、赤井さん(池田秀一さん)の声での台詞回しがカッコよすぎて。
もう一度言います、脚本家の方、最高です。
総じて、ファンムービーの部分もありながら、特に知識なしでも楽しめるストーリーの単純さ、飽きない展開の連続(特に終盤)で、数ある劇場版のシリーズの中でも、個人的には1、2を争うレベルにお気に入りの映画です。