ドリーム ホーム 99%を操る男たちのレビュー・感想・評価
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終始ハラハラドキドキ!デニスの息遣いが伝播する!
「スパイダーマン」でお馴染のナイーブな役処が巧い、アンドリューガーフィールド主演のこの作品終始ハラハラドキドキされました。
彼が演じるこの映画の主人公デニスは、大工さん、といっても家を建てるだけでなく、電気の配線から何まで家のメンテナンス総べて請け負うオールマイティーの、言うなれば「何でも屋」の自営業者?悪く言えば、単なる日雇い職人といった類。でも仕事をやらせれば優勝だけれど、リーマンショック後の不景気で、建築業界はどん底で毎日の生活を営むのも難しい技術者だ。実際こう言う人がアメリカでも多くいるようだ。
更に彼は母と息子の3人暮らし。そして彼自身も銀行に金を借りて家をリフォームしていた事で、その支払いが出来なくなり、差し押さえられた家を遂には手放し出て行かなくてはならない羽目になる。
母親と息子とデニス達3人は暫くモーテルで生活をする事になる。
そして、ここからのデニスの反撃、逆転劇の展開が始まる。その逆転により様々な問題が浮上するところがこの作品の見所です。
日々日常的にこう言う事態は起こり得る現実であり、競争社会では当然の事なのだろう。しかし、この作品は俗に言う、勝ち組と負け組との両方を描きつつも、弱い者の目線でしっかり描いている分、庶民には共感が得やすい作品かも知れないですね。しかし、どう考えても家を購入出来そうもない低賃金の人達にも金を貸してマイホームの幻想を持たせてしまった経済戦略が有り、それを破綻させ、その中で大きな利益を得た人達がいたのだから、先行き破綻が見えるような戦略をした社会批判ドラマといった処の作品でした。
アンドリューは勿論の事、母を演じたローラ・ダーン。アンドリューの雇用主となった不動産ブローカーリックを演じたマイケル・シャノンや、デニスの息子を演じた子供も可愛かった!
と言うわけで、アメリカの厳しい現実社会、熾烈な競争社会の中で生きる人々の日常がリアルな作品で、映像作品としては終始ハラハラドキドキとデニスの気持ちが伝わる作品で面白い出来だったと私は思う。
これをアメリカの光と影と見るか? 競争社会の歪と捉えるか、或いは極当然の日常の現実と捉えるか、評価の分かれる作品かも知れない。
さて貴方なら、どんな判定を下すのだろうか?
1%の勇気
人は、弱いので、流されちゃいます。「善き人」の主人公なんて、流されっぱなしですもんね。でも、それが普通かも。本作で、家族の為に、頑張って流れに乗った、パパが手にしたものと、すり抜けたもの。天秤に掛けるのは、酷な気がします。それに、流れに逆らうのは、空気読まないってことなので、けっこうエネルギー要りますし。ところで、そのエネルギーは、何処から来るのでしょう。損得勘定以外で、人は何に、動かされるのでしょう。99のお家、つまり、99%が支配される世界で、流れに逆らう勇気とは?。ちょっと勉強になりました。
そんなに罪悪感感じなくても…
法にのっとり立ち退きを迫る…。それってそんな悪いことでしょうか?立ち退きさせられるのが、息子の友達の家族だから。あるいは立ち退きさせた人が罵声を浴びせたから。だからって、仕事は仕事。自分の仕事に置き換えてみるとそんなことしょっちゅうです。だからこそ、この映画のように仕事内容について家族に中傷されるとつらいです。
アメリカらしい、厳しすぎる話。
犯罪行為までにも手を出さなけれが家を守りきれない、これが現実の厳しいアメリカの世界なんだろうなー、とひしひし感じる話。
家がそこまで大事か、そうさせるアメリカの制度が悪いのか、実力あるものだけが生き残り、自己主張がすぎる人達だけが勝ち残れる国なのか。
アメリカンドリームとはよく言ったもんで現実には夢なんて超ひとかけら…。
普通の生活ができることも夢なのか…。
Michael Shannonがはまり役ー。
見ごたえある映画でした。
フィクションだと思いますが、リアルでシビアなアメリカが良く描かれていると思います。
リックの言う「この国は勝ち組のための国だ。負け犬には手を差し伸べない」。本当にそうなのかもしれません。
デニスを演じたAndrew Garfield、家族のため、家のためと働くも、リックに対する不信感は消えない。。。そんな主役を見事に演じていました。
そしてリックを演じたMichael Shannon、タイトルにも書いたとおりぴったりのはまり役。実際こういう人っているんだろうな。ラストもよかった。
あの状況に置かれたらおいらは…
弱者を食い物にする
悪徳不動産ビジネスの話
そのビジネスシステムは
頭でこなれずにほぼちんぷんかんぷん…
なんか姑息なことしてんなぁ
という程度で観切っちゃいました。
ドキュメンタリーさながらの
立ち退き命令のシーンから
転がる転がる運命の石
それがやたら説得力があって
瞬きさえ忘れてしまうほど
目はスクリーンに釘づけでした。
愛する家族とともに過ごす時間が
日々刻み込まれていく「家」
それを取り戻すため
自らの良心に逆らう仕事に
手を染めていくデニスに
胸が締めつけられる思いでした。
観終わって数時間経つ今も
どよーんと重いものが抜けません。
私事ですが
かつて新築中のわが家を
父の愚行により
手放さなくてはいけなくなった
そんな情けない衝撃が
そしてその時の母の涙が
ふと心に蘇ってしまった…
アメリカの経済危機を上手く描く力作
サブプライムローンによって住宅を購入したものの、リーマンショックで返済できなくなった比較的低所得者を狙った不動産ブローカー・カーバー。
アメリカには弱い部分のスキに、頭の良い(ズル賢い)ヤツがスッと入り込んで金儲けをする。こういうヤツがのし上がっていくという見本。
「家はただの箱」ではあるけれど、そこで暮らす人間(家族)がどうあるかで、その箱が生きてくると感じた。ナッシュが第二のカーバーになりきらずに良かった。アメリカにもまだきちんと正義を果たすものがいることは喜ばしい。
フロリダの暑い空気と青空が危機的状況と対比するカメラワーク、効果音も良かった。
借金返済は当然
確かにこのブローカー側がやっていることに問題はあるけど、ローンは借金、借金は期限通りに返さなければならないものという考えがアメリカ人には薄いのか?なんとかなると楽観的過ぎるのか?
最後の書類偽造に関しては酷い話だけど、他は金を返さなかった側の問題で、負債者に罵られたり、家族に仕事を隠したりという感覚に違和感があり感情移入出来なかった。
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