「ヤクザも人の子」ヤクザと憲法 shinさんの映画レビュー(感想・評価)
ヤクザも人の子
ヤクザにもまともな常識を持つ人もいれば正義感が強い人だっているだろう。サラリーマンにだって不届き者はいるし、法を犯す者だっている。実際この映画の中で家宅捜査に入った刑事の態度は横柄で横暴でいかにも権力側に立ち自分たち以外を下に見ている態度だった。
ドスの効いた声で若い衆を恫喝したり小突き回す音など、いかにもヤクザの世界だと思わせるシーンはあったけれど、親子ほど歳の離れた組員同士が酒を酌み交わしているありふれた一般人にもある日常的な光景が印象的だった。
ヤクザの世界とは、とかく任侠物の映画によくあるドンパチな抗争や親分から杯をもらうシーンなどを一般人は想像しがちだが談笑しながらメシを食う時間もどちらも彼らの生活の一部にすぎない。
ヤクザを擁護するつもりは毛頭ないが、いわゆる社会の真っ当なレールから外れた人たちの受け皿になっているのだとしたら、世の中の必要悪なんじゃないか、と思ってしまった。
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