劇場公開日 2016年1月22日

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「木材のような人に」ビューティー・インサイド ひろみちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0木材のような人に

2021年4月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

久しぶりに見た純愛物語り。
寝て起きたら姿が別の人間になっている男が、とんでもなく美しい女性に恋をして、想いを寄せ合う物語。
設定がすごく秀逸。がゆえに期待が大きくなりすぎてしまった感がする。
ものすごい面白い設定で、人間は外見ではなく中身に惹かれていくものであるけれども、本人はもちろん、周囲で一緒に過ごす人間にも多くの迷惑をかけてしまうこと、とくに恋をする相手の女性は毎日毎日違う顔の人間があの彼だと自分に言い聞かせなきゃいけない、待ち合わせをしても誰だか見つけられない。そんな儚い、少し辛い気持ちが見ているこっちにすごく伝わってくる。

今回、イスに惚れましたよ。もちろんどんぴしゃで可愛いし、何よりかっこいい。相手が姿を変えてしまうことを受け止める努力をし、そして最後はそれを受け止める。かっこいいよとても。そして女性は強いんだなって。お母さんとともに思ったよ。

主人公のウジンの良さは仕事ががっこいいとこ。家具職人。そして2人とも木材をこよなく愛している。なんで、木なのかずっと考えていたけれど、きっと木のように五感に訴える人間だってことなんじゃないかな。木は触り心地、匂い、音の伝わり方など五感を通して楽しむもの。ウジンも見た目だけではなく、匂いや触り心地、心臓の音、呼吸など、五感のすべてを尽くして、イソに伝わっていたんじゃないかな。それを木の椅子に見立てていたんじゃないかな。

とてもキュンとし、釘付けになり、そして儚いんだけど、だからこそもう少し期待をしてしまう部分もあった。例えば、イスとキスをする、抱き合うときにはいつとイケメンのウジン。2人だけしか分からない合言葉や、ウジンのくせ、2人の時しか見せない仕草など、そういうものがあったらもっと引き込まれていたかもしれない。

ただ、この設定とイスのかわいさ、そして直球のメッセじには心揺さぶれるものがあった。

ひろみちゃん