「【死にたい時には”一度消えて、生きる”。何物にも成れそうもない青年男女の焦燥感を独特の世界観で描く。蒼井優さんの魅力全開作でもある。】」アズミ・ハルコは行方不明 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【死にたい時には”一度消えて、生きる”。何物にも成れそうもない青年男女の焦燥感を独特の世界観で描く。蒼井優さんの魅力全開作でもある。】
ー画面に登場する、男どもの屑っぷりが凄い。
・ユキオ(太賀)とマナブ(葉山奨之)のチーム、キルロイ(とか言っているが、只のストレス発散の迷惑なペイント落書き野郎。吹っ切れているユキオの方がまだ、マシかと思ったら、只のヘタレ男だった・・。)
・ハルコが勤める会社の社長(国広富之:見間違いかと思った)と専務。自分たちは何もせず、月給百万。ベテラン事務で営業もしているらしいヨシザワさんへのセクハラっぷりが半端じゃない・・。というか、自分たちの言動の愚かさに全く気付いていない。ヨシザワさんの月給17万。ハルコ13万・・。
・チャライコンビニ店員(落合モトキ:勝手にチャラくて中身のない男を演じさせたら、No1俳優だと思っている。(褒めてます))
・ソガ(石崎ひゅーい) ハルコの同級生。何を考えているか良く分からないし、責任を取ることを怖れるノッペリヘタレ男。
・唯一の真面な男。交番の警官(加瀬亮)
ー耐えるフリをしながら、自由奔放でオバカな男を歯牙にもかけない女性達他。
・ヨシザワさん(山田真歩) 社長、専務のセクハラに対し、強烈なしっぺ返し。フランス人って・・。
・おっかない女子高生軍団。(あれは、痛いからやめて・・。けれど、おバカな男たちへの鉄拳制裁は個人的に良し!セクハラ社長をお仕置きしてくれ。)
・アイナ(高畑充希:彼女が舞台挨拶の際に言ったセリフ。”意味が分からなかった・・”)そうだろうなあ。目が泳いでたもんなあ・・。(私、何をやらされているんだろう・・)少し、可哀そう。
・ハルコ(蒼井優) ソガに対する長年の想いを絶叫するシーンと、達観したかのように、”死にたい時には、消えて、生きるんだよ・・”と呟く表情。存在感が半端ない。圧巻である。
<この作品で燦然と輝いているのは、蒼井優さんである。
エンタメ作品もそつなくこなすが、彼女の魅力は今作のハルコのような、どこにでもいそうだが、絶対に居ない特異なキャラクターを演じる際に発揮されると思っている。
この後、「オーバー・フェンス」「彼女がその名を知らない鳥たち」「宮本から君へ」でも、物凄い姿を見せてくれた現代邦画を代表する女優さんである。>