「「女性」という枠組みをぶっ壊せ、混沌とした世界に差す光」アズミ・ハルコは行方不明 かわちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
「女性」という枠組みをぶっ壊せ、混沌とした世界に差す光
久々にしびれる作品だった。女性という枠組みに型をはめている世界を風刺するように、小さく復讐するかのように進む世界に私も躍ってしまった。
アズミ・ハルコという一人の女性が街から消えた。彼女の存在のみが街やネットの小さな世界に広がるばかりで、彼女の本当を知るものはいない。彼女が消えた理由は分からないまま。一方のアイナは、ストーリーテラーのように、アズミ・ハルコを追いかけていく。それはまるで重なりあうように、そして、寄り添っていくように。もうひとつの鍵となる、女子高生の暴行事件のワケ。型を壊していくように男たちを襲っていく。これらが繋がったときのラストに映し出される姿はしびれる。
来るものを拒まない、ハードボイルドながらメッセージ性の強い、女性賛美歌、また追いかけたくなるが、男である以上、彼女たちに一生敵うことはないだろう。
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