「偉そうな政治家に観てもらいたい」アズミ・ハルコは行方不明 Cディレクターシネオの最新映画レビューさんの映画レビュー(感想・評価)
偉そうな政治家に観てもらいたい
映画館に貼ってあった
ポスターとタイトルが気になって、
それだけで何の知識もなく鑑賞。
物語はのっけから
夢も希望もみえない地方都市の閉塞感を、
赤裸々に綴っていて苦しい。
主人公のアズミハルコは実家暮らしで、
リッターカーを足にして地元のドラッグストアや、
パートやファミレスという範囲で暮らしている。
もう一人のヒロイン愛菜も、
そんな街で寂しさに壊れそうな女の子。
そのはけ口としてセックスに走る、
出てくる男たちは、
ハルコの上司も愛菜の彼氏も
どいつもこいつもロクでもない奴ばかり。
マグマを溜め込んでいく、
2人の女の子に、胸が切なくなる。
そこに男狩りをする女子高生グループ。
それが中盤で交差してくると、
気づいてくる。
ああ、これは女子たちの復讐の映画なんだ。
男だけでなく、社会への、日本への。
若い子が押しつぶされそうな、
今の日本が悲しい。
終始時間軸をずらして、
焦らす手法は面白いけど、
ちょっと高度すぎてよく分からなくなる。
原作を読みたくさせる映画だ。
蒼井優さんのけだるい世界感はさすがだけど、
最近の作品はすぐ寝ちゃう
女のイメージがついちゃいそうで怖い。
とと姉ちゃんの高畑充希さんは、
実は最後まで気づかなかった!!
すぐ後の作品でこんなにちゃらぶっ飛んだ
演技ができるなんて、
なんて女優なんだ!
それが一番心に刺さったよ。
あとアカデミー男優の加瀬亮さんの警官が、
存在感あってよかった。
後味もよくないけど、
日本の闇はひしひしと伝わってくる。
シラけた若者を嘆いてるジジババや、
偉そうな政治家に観てもらいたい作品だ。
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