「薄味」マクベス(2015) U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
薄味
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あまりに有名な戯曲の映画化である。
ただ、薄い…故に見やすい。
空間的に広がる舞台よりも、映像として明確に提示もしくは挿入する事により、膨大な言葉の迷宮に惑わされる事が少なかった。
寧ろ、その言葉を言葉として認識できた。
ただ、
舞台のソレよりは、こじんまりした印象を受ける。表層を上手になぞったような印象が残る。
映画でやるなら、映像を使えるなら、普通に3時間とかかかる作品なのではなかろうか?
凝縮ではなく、薄味なマクベス。
憎しみと欲望の連鎖に取り込まれる王、マクベス…舞台から降りてきた彼は、マクベスという名の王ではなくても良かった。
カメラがあまり好きではなかった。
象徴的に切り取られる「絵」が、美に特化してるのが鬱陶しい。
おぞましくあり、美しくあり、凄惨であり、空虚であり、赤くあり、黒で、蒼くあり…そして、それでも崇高であって欲しかった。
やりきれなかったと評すべきであろうか。
ハイスピードの多様も、今作品では諸刃の剣だったように思う。
まあ…根本的にこの手の作品、いや、脚本は、字幕を読むのと読まないで観れるのとでは、全然違う印象なのかとも思う。
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