お父さんと伊藤さんのレビュー・感想・評価
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ささやかだけど、大切なもの
親子ってどう考えても厄介で、お互いのこと、嫌というほど知ってるつもりなのに、改めて向き合うと実はなんにも知らないことに愕然となる。過去にいろんな忘れ物をしてきた人はきっとなおさらだ。本作の父、娘、息子のように。
タナダユキ監督はそんな家族を糾弾するでもなく、リリーさん演じる“伊藤さん”のような緩やかな視点で珍騒動を見守る。伊藤さんが佇んでいるだけで、彼が自然体で一言放つだけで、お父さんへの処方箋みたくスクリーンがほっこり安定する。でもそれに甘えて問題を先延ばしにする面々に彼が放つ一言もピシャリと重い。
複雑になりすぎた家族の方程式の果てに、ごくシンプルに浮かび上がっていく互いの“気持ち”。炎を冷ますように落ちる雨粒。そして走り出すヒロイン。彼女が父を全力で追い求めたのはおそらく人生で初めてだったのではないか。ともあれ、目を閉じると伊藤さんの微笑ばかりが浮かんでくるのは何故だろう。
介護付き老人ホームに入るのが一番良い。 『それで、ついでだが娘の事...
介護付き老人ホームに入るのが一番良い。
『それで、ついでだが娘の事よろしくお願いします』ついででいいんじゃ。
逃げてんじゃなくて、家族なんてせめて核家族にはすべきだと思う。家族の木綱は結構である。
さぁ、この演出家はどちらを選んたか?
多分、3人で暮らす事を匂わせている。
その事は全く共感できない。だが、親父が特別嫌な親父でない事と、伊藤さんのどこが良いか分からない事を鑑みると、アイロニーである可能性もあるので。
中学受験が登場するが、高校も付属中学がある。そんな現在である。とても不思議だ。寧ろ、高校を義務教育化すべきだと思う。子どもが少ないのに子どもを小さいうちからよりすぐるようなやり方ってどう考えてもおかしい。(ある意味格差を付ける事、若しくは、選民思想)それよりも教育する時間を平等に多く増やす事が大事である。少なくとも、中学生では、微分積分の本当の良さは分からないし、歴史、文学、何一つ核心をついた内容は教えない。
この映画で中学受験で翻弄する親が出た来たので。無駄な努力と感じたので一言。
柿は盗むもの?
緩い展開のほのぼのストーリー。コンビニのバイトで知り合った2人だったが、彩(上野)は本屋のバイト、伊藤さん(リリー)は小学校の給食おじさんのバイトをしている。お父さんが住みだしてから、昼間にどこへ行っているのか突き止めようと尾行する彩。しかし、特に変わった様子はない。中濃ソースは悪魔の食べ物で、ウースターソースじゃなきゃダメだと主張するお父さん。柿は買うものじゃないとか・・・
ある日、暴行魔を捕まえて警察で事情聴取されたお父さんだったが、実は万引きの常習犯だったことも明らかになる。徐々に厄介者だと自覚をして、彩の家を飛び出し、空き家となった実家に帰ってしまう。彩と伊藤さん、そして彩の兄とともに探し出して話し合おうとした翌日、落雷で火事となって全焼してしまう。後生大事にしていた段ボール箱には万引きで集めたスプーンがいっぱい!
最後には勝手に介護付き有料老人ホームへと契約を済ませたお父さん。認知症なんてまだまだ縁がなさそうなのに、勿体ない気がする。ありがちな設定だけに、親を介護するとか、いろんなことを考えさせられる。ありそうにないのが20歳の年の差カップルってところか・・・
機微
人の心の移り変わりがよく描かれてた。
結構社会派な話ではあるんだけど、そこを確信的に突くのではなく、それに関わる人たちの心情に焦点が当てられてたように思う。
反発
拒絶
邂逅
共有
そんな流れなのだろうか。
結末はハッピーエンドなんだろうけど、この先もハッピーが続くとは限らない。
人は悩みながら生きていくものだし、その時々に出せる答えは違うのだろう。
その答えの全てを肯定してくれるかのような作品だった。
コメディ風な番宣を見かけたりはしたが、笑いの要素は少ない。
キャラ付にその一端は見てとれるけど、何かドタバタが、起こるわけでもなく静かな作品であった。
お父さんが大事に持ってた大量のスプーンにはどういった意味があったのだろうか?
万引きの品だとは思うが…いまいちパッと結びつくものがなかったな。
んーー
中盤で寝てしまいました。
パッケージに惹かれて借りましたが思っていたよりローテンションな感じの内容で、お父さんの喋り方がすごく生理的に嫌いでイライラしてしまい、見ていられず途中で寝てしまったので、最後まで見れず、あまり面白いと感じれませんでした。
日常な感じでした。
笑えて考えされられる映画
なんともユニークながら、ハードな展開もある観応えのある映画でした。
お父さんは悪い人ではないけど、イチャモンをつけるようなコミュニケーションを取るので、嫌われて当然でしょう。たらい回しにされるのも宜なるかな。夕暮れに勤めていた学校を眺める姿は憐れみを誘うけれど、あんな生き方してればある意味自業自得だよなぁとも思いました。
一方で、仕事一本で生きてきたであろう定年後のやることのなさや妻と死別など、そう生きざるを得ない悲しさもあるのかなとも感じます。
兄の家族やお父さんの共通点として、常に「将来〜だと安全」「そのために〜すべき」と言ったことだけに目を向けており、今を生きていない印象を受けます。
明らかに監督のタナダユキは、この手の価値観に縛られている人々を徹底的にバカにしている。
監督の価値観にはたいへん共感するので、そんな人たちをコケにするようなブラックなギャクはめちゃくちゃ面白かった。兄嫁のゲロとか、バックのBGMとか最高すぎました。完全に兄嫁disってるよね。
一方でアヤと伊藤さんは今を生きていて清々しい。お父さんに対して、「お父さんが来るまで幸せだった」というセリフがそれを示していると思います。
さらに伊藤さんは常に生活を工夫して心地よくしようとする人なので、お父さんが来てもそれなりにうまく回していく。お父さんの故郷に行ったときも、ちゃっかり温泉行ったりジンギスカン食べたりと、良い意味で図太い。自他の境界をきちんと引く力もあって、魅力があります。
アヤちゃんも周囲に流されずに淡々と生きるコなので、伊藤さんのパートナーになるのは必然という印象です。
ラストの展開は観た直後はちょっとどうかな、と思いました。しかし、伊藤さんは「父親は家族が面倒見るべきだ」という価値観に基づいた判断ではなく、「アヤは父親と一緒に暮らしたいと思っている」と判断したからあのラストなのかなと考え直しました。
父と子で語った一晩と嵐と火事を経験したため、お父さんとアヤの関係性は少し変化したのでは。
火事で生家が燃え、溜めていたスプーンも無くなったことは、一見不幸だけれど、お父さんの象徴的な生まれ変わりを示しているようにも感じます。
また、その直後にお父さんの教え子がやってきて、お父さんは教師としてはかなりイケてる人であることを示唆し、新しい魅力をサラリと見せる小憎らしいタナダユキ演出にニヤリとしました。
ラストの、お父さんのすっきりと安らかな表情。あの父親となら一緒に住むのもさほど大変ではないでしょうし、今まですれ違っていた父子の時間を取り戻せるかもしれませんし。
そんな風に思わせる藤竜也は本当に名優だなぁと思いました。
また、今まで気にしたことはなかった上野樹里の、さっぱりと可愛らしい魅力に気づけたのも収穫でしたね。
面白いですが、結論が私とは異なります。
ラストでお父さんを追いかける彩の結論は、伊藤さんとお父さんと一緒に暮らすから、お父さんを連れ戻す、なんでしょうね。
原作のラストらへんを立ち読み(ごめんなさい)して、確かめましたが、多分そうでしょうね。
私は、そこでちゃんと親を捨てるべきと思いました。絶縁するとかではなく、親子の付き合いは続けるけども、暮らしは分けて、家庭の外で1人と1人の大人同士として新たな付き合いを構築していく。それが私の結論です。
その相違が残念でしたが、他人の結論なので最大限尊重しましょう。正解なんてないからね。
映画はとてもよかったです。
上野樹里の魅力満載でした。
可愛かったです。多少伊藤さんといちゃついて欲しかった気もしますが。
あんなお父さんと私は暮らせませんよ。まわりっくどい尋問いやだー。
中濃ソースにいったいどんな恨みがあるんでしょうね。
伊藤さんは、、、、
うーん。魅力はありますけどね。うーーん。
コンビニの仕事で怒られる人にときめくことは多分ないので、、、
でも伊藤さんが家庭では一番有能ですね。
うーんと思いました。
お父さんを見たら吐いちゃう兄の妻が面白かったです。
家族なんだからともに暮らさねば、最後まで看なければ、という世間の圧力から、まだ現代人は自由になれないということですね。
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