劇場公開日 2016年10月8日

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「ホノボノ系だが奥が深い3人」お父さんと伊藤さん 全竜(3代目)さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ホノボノ系だが奥が深い3人

2016年10月13日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

自由気ままに生きてきた上野樹里のアパートに、兄の家で過ごしていた元教師の父・藤竜也がある日突然、転がり込んできた。

上野樹里にはバイト先で知り合い、現・小学校の給食のおじさんをしている20歳年上の彼氏リリー・フランキーも同棲しており、3人の奇妙な共同生活が始まる一風変わったホームドラマ。

朝に痛々しい青春映画『少女』を観て、気分が沈んだので、ホノボノ喜劇かなと和みたくて、今作をチョイスしたものの、此れは此れで考えさせられる物語だった。。。

気難しくていつも一言多い父親にウンザリしながらも、面倒を見る娘とのギクシャクした掛け合いは、当初、ユーモラスだが、なぜ父親が兄夫婦の家から出たのか理由を悟ると、徐々に事態の深刻さを感じ、笑っていられなくなる。

片やニート、片や介護、と日本が抱える問題が、1つの家庭の中に凝縮されているからだ。

同居が困難な事情を目の当たりにすると、特養介護施設で働き、親の介護の今後を真剣に考える必要がある私には、主人公の不安は決して他人事ではない。

険悪な雰囲気が漂う不穏な父娘の間に、ノラリクラリと入り、取り持つリリー・フランキーの存在は、とても貴重である。

家庭菜園が趣味で、唯一、歪んだバランスを整える救いのキャラでありながら、当のニートの象徴である矛盾。

でも、何故か憎めず、頼りにしたくなる。

最近、ゴタゴタばかり続いて、頭痛が絶えないので、職場でも家でも、彼の様に、イイ意味で気楽に生きたいとしみじみ思った。

では、最後に短歌を一首

『転がれば 一言多い 渋柿や 枯れど耕す サジを投げつつ』
by全竜

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全竜(3代目)