劇場公開日 2016年9月17日

「伝える、とは。」映画 聲の形 みゃーあいさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5伝える、とは。

2016年10月30日
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鑑賞方法:映画館

幸せ

2回観に行きました。
普段、映画は映画館に行ってまで見ないのですが、元々アニメが好きということと、京都アニメーションさんによる映像化、主人公の声を入野自由さんが演じるということで私自身彼のこういった作品の素朴な演技が好みなので、興味が湧き見させていただきました。(原作は1巻のみ読みました。)

1度目はいろいろと考えながら見ていました。小学生時代の硝子と将也のケンカシーンでは、硝子の生き方と思いが伝わってきて胸が痛くなりました。自分は必死に生きている、人としての本能を感じた気がします。
将也は、良くも悪くも人間だと思いました。小学生時代、正直に生きていた彼が、人間とは正直に生きていくことは出来ないのだと知り。そんな彼が最後に涙するシーンは、何度見ても泣いてしまいました。彼がこのお話で泣くのはこの1度だけです。最後になって、やっと彼は自分の為に泣くのです。

他にも登場人物が出てきますが、どれも現実にいるよなこういう人、という感想を持ちました。
そして、この作品は「伝える」そのものだと思いました。
手話、文字、声。それらはなるほど、確かに言語といえるし伝えるそのものです。ですが、「伝える」とはもっと広く、例えば植野や川井、結絃は、誰かに気持ちを伝えようと態度や髪型、写真で表そうとしていました。肯定する訳ではありませんが、いじめだって、ある意味「伝える」というものになるのでしょう。

長々と書いていますが、ここまで深く考えなくてもこのお話は魅力あるものだと思います。
障がい者やいじめを扱っている、こんなの綺麗事だ、感動ポルノだという人もいるでしょう。ですが、そういった感情を持ち込まないで、先ほどの「伝える」というを思いながら観てもらえたら、違うものになるのではと思います。

みゃーあい