劇場公開日 2016年4月1日

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「大鳥ぃな多部ちゃんの魅力と作品に漂う昭和感にド嵌りしました」あやしい彼女 スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0大鳥ぃな多部ちゃんの魅力と作品に漂う昭和感にド嵌りしました

2016年4月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

萌える

オリジナルの韓国版は見てなかったので、何の先入観も無く見たのが良かったのか、久しぶりに思いっ切り笑ったし、思いっきり泣きました!
73歳の女性が20歳の頃の姿に若返ると言うファンタジーな舞台設定は、まあそれなりには楽しめるだろうけどそこそこ感は否めない設定だなと、正直侮っていたのですが、参りました・・・見事すぎる脚本且つ見事過ぎる演出に、感動を覚えましたよ。
水田伸生監督作品にはいつもそこまでは嵌らなかった感じなんですけど(笑いの質的に)、今回はド嵌りしてしまいました。

まあとにかく、コメディ部分とシリアス部分のバランスが絶妙でしたよね。
多部未華子のおばあちゃん演技には大笑い、それまでのカツを演じた倍賞美津子の演技の残像が残っているだけに、尚更笑えました。
やや若返るまでが気持ち長い気もしましたが、そこまで丁寧に描いたからこそ終わってみればグッと来る訳なんで、まあそこは多部ちゃん登場まで待たされても我慢我慢と。
しかし彼女がここまでコメディエンヌとしての素質があるとはビックリ、今までも好きな女優さんでしたが、今回で大好きな女優さんにランクアップしちゃいましたよ(この映画見たら大体の方は多部ちゃんファンになってしまうのでは?)

泣き要素、感動要素も思いっ切りツボでした!
カツが娘を育てる為に全てを犠牲にしてでも一人で頑張って生きてきたその様子と、多部ちゃんの歌のリンク具合が絶妙すぎて、涙腺が崩壊しました。
昭和歌謡の選曲が、安易じゃなく物凄く計算されたものだったのも心にグッと来た要素でしたね。
こんなに苦労して育ててきたのに、娘は分かってくれない、そしてその娘もまた子育てで悩むと・・・そんな二重構造も、コメディでありながら家族のあり方について考えさせられる、素晴らしい内容に仕上がっていたと思いました。
子を思う親の気持ち、親を思う子の気持ち、これ見たら、家族に優しくなれること確実でしょう。

また娘役の小林聡美がいい演技するんですよね、この方は大体どの作品でも素晴らしい演技しますけど、今回もいい!終盤の多部ちゃんとのシーンは、またしても涙腺崩壊でした。
それからなんと言っても志賀廣太郎 が演じた次郎の一途さ、カツ愛が素晴らしかった、真剣さが妙に笑えたりもするんですけど、最後はまさかの・・・なシーンには、ニヤリでしたね。

スペランカー