劇場公開日 2017年4月29日

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「良くも悪くも看板に偽りなし」無限の住人 オカマ声ちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0良くも悪くも看板に偽りなし

2017年5月13日
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原作ファンでも見ないで文句言うのは嫌なので鑑賞した。
うん、なるほど。
確かにぶった切りエンターテイメント。
人も切るけど原作も叩き切った。

ただ、原作ありの三池監督作品を見るのは初めてだけど、監督なりに作品を愛しているのかな?と思った。
役者陣も「この人なりに作り込んでのこの演技なんだろうな」と私は感じた。
「木村拓哉は何をやっても木村拓哉」と言う感想を見たけど、ちゃんと汚いし(褒め言葉)誰もが羨む不老不死なのに痛覚は常人で、終わることの無い生き地獄を背負った『万次』になってたと思う。

だからと言って、コレとソレは別。
原作ファンとしてはもの凄くモヤモヤが残った。

個人的に原作の中でも10に入る名シーン。
槇絵が女を捨て、橋を血に染めるシーンを切られたのは残念。
原作読んでない人は、槇絵が髪を切った理由は動きやすくするためとか思ってるんじゃなかろうか?

市川海老蔵演じる閑馬永空も長く一人で生き過ぎて、全てに無味乾燥になった雰囲気は出てたけど、何で刀に毛が生えてるかそこの説明いらないの?

凶戴斗はほぼモブに近い脇役だし、百琳姐さんはナゼ金髪か?
そのバックボーンが無いと時代考証を無視した、ただのトンチキな格好の人だ。

言ったらキリがない。
しかし、30巻あるマンガを一本の映画にまなのとめたらこうなるよね。
でも、映画化記念にマンガ本再販しようとする講談社の金の掛かったプロモーションと思ったら納得。

この作品を面白いと思った人はマンガをぜひ読んでもらいたい。
人の業、因縁、特に尸良のこれから自分が死ぬって時に大爆笑しながら果てるの壮絶。
(死因も凄いぞっ!)

そして90年後……。

オカマ声ちゃん